A. | 久しぶりに雰囲気のいい高級レストランに来ました。窓の外の景色も素晴らしいです。 待っていた一行が来て安否を尋ねるのですが、ソムリエが注文したワインを持ってきてデキャンティング(decanting)を必要かと聞きます。 何て言えばいいんでしょうか? 一応「お願いします」と言うのが良いでしょう。 デキャンタにワインを注ぐ、ディケンティングはなぜしますか? 理由はいくつかありますが、ワインに空気を触れさせる目的が一番大きいです。まだ熟していない若いワインの場合には空気に触れて味と香りをまろやかにするため、ディケンティングを「眠っているワインを起こすマジック」とも表現します。 赤ワインの場合もすべてディケンティングをするのではないです。キャバネー、マルベックなどフルボディに長く保存できるワインを日直にオープンする場合はディケンティングが必須です。このようなワインは値段も高いのですが、飲むのに最適の状態になる前に瓶を開けたらディケンティングで解いてくれることが必要です。 同じ品種でもエージング、つまり長く保存することが目的ではなく、すぐに飲めるように設計された安いワインは例外です。 このようなワインをディケンティングすると、香りが味や香りが急速に悪化することもあります。 (だからレストランでソムリエがディケンティングをする姿を見たら「あ、高いワインだ!」こう思ってもいいでしょう) ディケンティングでかす(沈殿物)を濾しましょう。ワインの醸造技術が最近ほど発達していない時期には、醸造過程で生じた沈殿物を完全に除去することが容易ではありませんでした。そこで生まれたのがディケンティングです。最近は技術が完璧になり、わざと沈殿物を残す種類でなければ、非常に澄んだ状態で市場に出ます。しかし、瓶入りした後、熟成期間が長くなったワイン、特に赤ワインは色とタンニン成分が結合し沈殿物を作り続けます。 沈殿物を飲んだからといって病気になるわけではないですが、最後の1杯を苦々しい記憶として残したくないのなら、やはり抜き取っておいたほうがいいです。そんな理由でディケンティングも必要です。 ディケンティングするもう一つの理由はワインの温度です。 ワインセラーから取り出してきた直後は、冷たくて香りや味がうまく立ち上りません。ディケンティングをすると、温度を飲みやすい程度に高めるのにかかる時間を節約することができます。 ディケンティングする理由はこうですから、冷やして飲む白ワインはあえてディケンティングする理由がないでしょう。実際、幾つかの特別な種類*を除いてはディケンティングをしないのが一般的です。 * 白ワインもコルク栓を抜いた後、3杯目が一番美味しいそうです。成熟しすぎたり、若すぎたりする高級ワインはディケンティングがいいそうです。ただ、白ワイン用のデキャンタは赤ワインに比べて幅が狭いです。
もし高級ワインができてご自宅で楽しむようでしたら、デキャンタをご利用ください。ただし、デキャンティング時間は決して短くないということを覚えておいてください。保存性が高く、フルボディの高級ワインが小さい場合、少なくとも2時間程度かかります。(ディケンティングの目的に沈殿物を濾過することもありますので、ビンテージの古いオールドワインをディケンティングする時は沈殿物が見える時点をよく考える必要があります。それに先立ち、沈殿物が下に溜まるように、ワインボトルを立てておくのが順序でしょう) 待つのが退屈だと言って、その間にビールや焼酎を飲んで酔ってしまいワインが飲めなくなることもあります。 ワイン愛好家たちはデキャンタを芸術作品のように思っています。 デキャンタの種類が非常に多様で素敵な作品も多いから一度使って飾り棚にしまっても欲しいという欲求を抑えにくいと言います。 デキャンタの種類は豊富ですが、ただ1点オールドワインは上が狭いこと、若いワインは上が広いことは覚えておいてください。 それでは整理してみましょう。 1. 横にして保管していたワインを縦に立てて沈殿物を沈ませます。 2. 瓶を振ったり、再び横にしたりしないように注意しながら開封します。 3. 病気とデキャンタの酒などが触れ合わないように注意しながらゆっくり注ぎます。 4. 沈殿物が混ざらないよう確認し沈殿物が見えたら止めます。 デキャンタの話が出たので、一つ付け加えることがあります。 韓国では初めからデキャンタ=ワインデキャンタが公式になってしまった状態です。 「A decanter is a glass container that you use for serving wine, sherry, or port.」 という英英辞書の解釈と少し異なります。 西ヨーロッパでは食卓で少しずつ楽しむお酒を注ぐ「きれいな酒瓶」を意味しますが、韓国ではいったん瓶を開ければ空にすると美味しいですし、韓国人が最も多く飲む焼酎は楽しむためというよりは、早く酔うためという奇妙な目的を持った、そんなお酒なのでデキャンタが要らない存在でした。ワインを楽しむ人が多くなってから、デキャンタという存在が浮き彫りになったのですから、デキャンタとはワインデキャンタを意味するようになったのです。 |