トップ > コラム > オピニオン > [筆洞情談] 名品泉水

[筆洞情談] 名品泉水


  • [筆洞情談] 名品泉水
私たちの祖先たちは、水を大切に思っていた。良い水には「薬水」と名前を付けた。飲んだり体を浸すと健康に良いという信頼のためだった。有名な薬水泉の水を調べてみると、例外なく免疫機能に役立つミネラルを豊富に含有しているため科学的でもある。

それぞれ意見は違うだろうが、韓国の「名品泉水」を挙げるのならば智異山の上沙村のタンモル泉を思い浮かべる。それは全羅南道求礼郡馬山面沙図里にあるのだが、上沙村は有名な長寿村で泉水が長寿の秘訣だという。日帝時代に南部にコレラが広がったとき、タンモル泉の泉水を飲むと死なないという話に、人々がこの村へ水の物乞いに来たほどだった。村の人々は、智異山の薬草の根のエキスが流れ込んだものと信じている。

山に降った雪や雨が、木と薬草に染みこんで人々の口に触れたものだ。水の専門家であるイ・ドクス嘉泉大名誉教授は「智異山という巨大な浄化装置がもたらした神霊な泉水だ」と表現した。調査結果を見るとタンモル泉には、他の薬水に比べてミネラル含有量がはるかに多かった。弱アルカリ性であるうえ、フッ素成分も適度に含まれていると出てきた。泉水の水素イオン濃度の値が7.6で、この程度ならば正常人の血液や尿の水素イオン濃度である7.4にほぼ近い範囲というものだ。何よりもミネラル構成成分を配列してみると、カルシウム、ナトリウム、ケイ素、マグネシウム、カリウムの順に多く、世界的に有名な長寿村にある泉水の構成と同じであるという点から長寿の秘訣として共通点が確認された。

世界保健機関(WHO)は、人類の病気の80%が水と関連があると明かしている。病気と長寿に水が大きな影響を及ぼすのならば、良い水を飲むということに誠意をさらに傾けてみる必要がある。自然水であれ浄水器の水であれ、酸性水ではなくアルカリ水が人体に有益だというのが専門家たちのアドバイスだ。

全国各地には、知られていない泉水があちこちにある。江原平昌のバンアダリ薬水や慶北青松のタルギ薬水のような炭酸水で有名な場所もある。

水の専門家であるジンヘンウォーターウェイのシム・ハクソプ代表がイ・ドクス教授と一緒に発行した「韓国の薬水泉水」という本には、直接訪ねて行った全国30か所の名品泉水が詳細に説明されている。夏の終わりに一冊の本を持って、名品泉水を数か所訪ねてみるのも良いだろう。
  • 毎日経済 ユン・ギョンホ論説議員 | (C) mk.co.kr
  • 入力 2017-08-26 09:00:00




      • facebook icon
      • twetter icon
      • RSSFeed icon
      • もっと! コリア