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[筆洞情談] 眠っている硬貨を起こす


  • [筆洞情談] 眠っている硬貨を起こす
クレジットカード拡散に加え、モバイル決済までが日常化しながら、最近、現金で支払う人が著しく減少した。財布やポケットに紙幣はもちろん硬貨を入れて歩きもしない。

韓国銀行は、このような現象に合わせて硬貨のない社会の導入のための作業を進めている。2020年までに具体的な方策を実施するという。

例えば、現金5000ウォンで4500ウォンのものを買えば、残りの500ウォンを硬貨で返さず、仮想口座と連携したプリペイドカードに入金する方式だ。在来市場や運輸業者などでは、まだ硬貨が使われるため、まったく硬貨の使用を防ぐことはできないが、不便を補完していくということだ。

ヨーロッパで現金や硬貨のない社会を作るのに最も先進的な国は、スウェーデンだ。スウェーデンでは、現金の使用が全体の取引の2%に過ぎないほど、ほとんどが電子決済を使う。イギリスのロンドンでは、2014年から公共交通機関の料金を現金で支払えないようにした。

韓国の10ウォン硬貨1枚あたりの発行費用は、額面を2倍以上を上回る。最近、10ウォン硬貨を溶かし原材料である銅をインゴット状態で古物商に売り渡し捕まった人も出た。1968年に初めて出た1ウォンの銀白色の硬貨は1グラムもないが、製造コストは1枚あたり254ウォンまでかかる。1ウォンと5ウォン硬貨の発行は、2006年から中断された。

韓国銀行は硬貨発行に1年で600億ウォンほどを費やすが、低い返還率に加え、他の管理コストをすべて合わせると、数千億ウォンに達するものとみなす。4種の硬貨を毎年6億枚ずつ新しく作り出し、現在までの累積発行量が220億枚に達する。しかし、流通せず貯金箱や引き出しに入れてある硬貨が1人当たり平均430枚ずつに達するほど多いという推算だ。

韓国銀行が毎年5月の1カ月間に実施する硬貨交換キャンペーンが今日、締め切りだ。2008年から開始したが、昨年のキャンペーン時は640万枚を回収して321億ウォンの製造コストを削減した。昨年までの8年間進行したキャンペーンで22億枚ほどの硬貨を回収し、2328億ウォンの新しい硬貨製造コストを節減した効果を収めたという。

硬貨の消費が増える休暇の季節が開始する前の5月にだけ、硬貨交換キャンペーンを実施するが、最初から期間を増やしたり、常時進行するのも良い。それぞれ眠っている硬貨を見つけて近くの銀行支店に持って行けば、紙幣に変えてくれたり、口座に入金できるため、この際に処理しておくのも良いだろう。
  • 毎日経済 ユン・ギョンホ論説委員 | (C) mk.co.kr
  • 入力 2016-06-05 08:40:59




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