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[コラム] 諫臣と奸臣の違い


韓国も米国と同じように、政治の季節です。本選を控えて党内予備選挙が行われる様子も同じです。

選挙を前にして、ありとあらゆる言葉が飛び交います。選挙は「言葉の盛饌(ごちそう)」と言いますから、当たり前の現象でもあります。朴槿恵(パク・クネ)大統領が「真実な人」という言葉を口にすると、彼女を支持する政治家、親朴陣営では本当の親朴を選別しようと攻勢をかけています。

本当の親朴、つまり「真朴」は朴槿恵大統領に真実の人と評価される政治家だという意味になり、経済副首相だったチェ・ギョンファン議員が真朴の先鋒となりました。

このため、国会議員選挙に出る大邱、慶北地域の政治家たちがチェ・ギョンファン議員の支援を待つという意味の「朴首苦待」という言葉まで登場しました。鶴首苦待(鶴のように首を長くして待つという意味)でも崔首苦待でもない、朴首苦待という単語に意味が隠れています。

チェ議員はあくまでも朴槿恵大統領の意中を伝達する代理人であるだけだという真意が隠されているということです。

以前から朴槿恵大統領に追従していた人が真実の親朴という意味を込めた「旧朴が親朴」という言葉も登場して、最終的に魂さえ朴槿恵に似なければならないという意味の「魂朴一体」につながります。

真朴マーケティングが行き過ぎたと考えたのか、親朴陣営でも自制の声が出たりします。美人薄命ではなく、ミ人朴命(狂った奴が朴槿恵大統領の政治生命を早めるという意味)は、牽制の意味を込めた流行語です。

孔子は「口先が巧みで、角のない表情をするも のに、誠実な人間はほとんどない」(巧言令色鮮矣仁 / 論語)と言っていたので、奇妙な流行語が幅を利かせる政界が韓国人に幸せと希望を提供できるのか、自然と疑問が浮かびます。

真朴政治家が国民のために政治をすると立ち上がるのかも疑わしくなります。彼らは奸臣ではないことを望むだけです。

正しいことを言う政治家と奸臣を区別することも容易ではありません。王に対抗して真っ直ぐ言葉を諫する臣下である諫臣と奸臣は、発音も同じです。

奸臣は王の前でのおべっかに留まらず、民衆の上に君臨して権力の甘さを吸う政治勢力です。国民から権力が出てくるという現代民主主義社会でも奸臣が勢力を伸ばしています。見かけだけの主権在民の国民の前では、権臣に変貌するからです。

孔子は奸臣のタイプを5つに区分した。
- 逆さまの志を持つ、険悪な者
- 詐欺性の濃厚な言葉を使う達弁な者
- 行動が一方に偏っており、こだわりが強い者
- 志は愚かだが、知識だけ多い者
- 不正を犯して利益だけ享受する者

今年の国会議員選挙で奸臣を上手くフィルタリングしたら、韓国の政界が新たに変わるようでもあります。ただ、奸臣を全部間引きしてしまっては、国会議員の定数を満たすことができるのか、その点も心配になったりします。
  • O2CNI_Lim, Chul
  • 入力 2016-02-09 08:00:00




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