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[世智園] 地雷除去キャンペーン


  • [世智園] 地雷除去キャンペーン
2003年、アフリカのアンゴラへ取材をしに行ったとき、地雷美人コンテストというポスターを見て驚いた。地雷により片足を失った女性のみに参加資格を与える。逆説的な大会を通じて地雷の惨状を知らせるという趣旨だ。ポルトガルの植民地支配から1975年に独立したアンゴラは、27年間、左右勢力による内乱が繰り広げられた。この過程で埋設された地雷は1500万個で、人口1000万人を上回る。1991年1次湾岸戦争の時、クウェートの砂漠地帯には、イラクと西側多国籍軍によって700万個の地雷が撒かれた。クウェートは終戦後、地雷除去作業にだけ、10億ドルを費やした。

先月、非武装地帯(DMZ)で木箱型の地雷事件により負傷したハ・ジェホン軍曹は自分のフェイスブックにこのような文を投稿した。「二度と私のような事故の犠牲者が発生してはいけません」

足首が切断されて病床に横になった二人の若い兵士の姿は地雷がどれほど非人間的な破壊兵器であるかを再度悟らせた。

専門家は、休戦ラインのDMZに100万発以上の地雷が埋設されているものと推定している。1平方メートルあたり2.3個で、地雷埋設密度では世界1位だ。2000年、京義線の鉄道建設に合意した後、南側の地域の工事だけで3万6000発の地雷を除去したほどだった。現在の技術と能力では、未確認地帯の地雷をすべて除去するのに400年以上かかるというのが国防部の説明だ。

地雷事故はDMZでのみ起きるのではない。民間人統制線内の農地や黄海島嶼地域、防空基地など、後方軍事施設周辺では民間人の犠牲者も生んでいる。後方地域に埋設されたと推定されている地雷も7万5000個だ。政府が設けた、民間人地雷爆発犠牲者に金銭的補償をする地雷被害者支援に関する特別法の施行に入ったのが、今年4月なのだから、ずいぶん遅れた。

国際社会は、対人地雷禁止条約(別名オタワ条約)を結び、1999年から発効させた。非政府団体である対人地雷禁止キャンペーン(ICBL)が主導したのだが、当時の代表ジョディ・ウィリアムズ(Jody Williams)はノーベル平和賞を受賞した。現在161カ国が参加しているが、南北は加入していない。

韓国を含む60カ国で毎年4000人余りが地雷事故で犠牲になっている。今や私たちも子孫に悲劇の種を残さないようにするに、地雷除去に率先して乗り出さなければならない。接近を制限するDMZは軍の領域だろうが、後方地域では民間団体の活動を許可しなければならない。毎回、発議だけして廃棄してしまう地雷除去法も速やかに法制化されることを願う。
  • 毎日経済 ユン・ギョンホ論説委員 | (C) mk.co.kr
  • 入力 2015-09-10 17:26:09




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