トップ > コラム > オピニオン > [世智園] 喫煙弊害研究所とたばこ会社の実験室

[世智園] 喫煙弊害研究所とたばこ会社の実験室


  • [世智園] 喫煙弊害研究所とたばこ会社の実験室
たばこの有害成分を分析して実験する国家喫煙弊害研究所が来月韓国でオープンする。喫煙の深刻な弊害を考えると、なぜ今になってオープンするのか残念でしかたがない。

研究所の開所ニュースを聞き、記者は10年以上前に多国籍たばこメーカーであるフィリップ・モリス・インターナショナルのジュネーブ本社を訪問した記憶がよみがえった。本社近くのたばこの実験室で吐きそうになった。実験室では、人ではなく、機械がたばこの煙を吐き出していた。実在の人物の喫煙と全く同じだった。フィリップモリスの関係者が機械を立てて、新しいたばこを吸わせた。すると機械の体の中で肺の役割をする純白の紙がたちまち黒く変わった。たばこの煙の有害物質のせいだった。紙があまりにも汚れて、吐きそうになる状況だった。実験室の関係者は、「たばこを吸うということは、私たちの肺にあれほど汚い物質を吸入するということ」だと説明した。

韓国に帰ってきて記者は喫煙家に会うたびに、実験室の機械の話を聞かせて、たばこをやめたほうがいいと助言した。黒く汚れた毒性物質をなぜ自分の肺の中に吸入するのかと言った。

しかし、大多数の喫煙家ははたばこをやめようとはしなかった。自分の目でその場面を見ていないから、たばこの有害性を切実に感じないのだ。

実に残念だった。だからといって韓国のたばこメーカーに、フィリップ・モリスのような実験室を設置して喫煙家に見せるように要求することもできない。たばこの箱に警告画像を入れるのも強力に反対している会社がそのような実験室を作るはずがなかった。フィリップモリスも、たばこの中毒性を隠した罪で巨額の損害賠償金を払ってから、ようやくたばこの害を知らせ始めたという。

今からでも国が喫煙弊害研究所を設立するというのだから幸いなことだ。喫煙率を下げるために大きな役割をすると期待される。たばこメーカーがたばこに入れる様々な成分がどれほど有害なのか研究するのは基本のことだ。たばこメーカーの資料に依存して有害性の有無を判断することはもうなくなるべきだ。研究所は、たばこがどのように有害であるかを効果的に国民に知らせる役割もしなければならない。研究所を訪問するだけで、両目でたばこの煙の有毒性を確認できる施設もつくるべきだ。
  • 毎日経済 キム・インス論説委員 | (C) mk.co.kr
  • 入力 2015-09-21 17:17:56




      • facebook icon
      • twetter icon
      • RSSFeed icon
      • もっと! コリア