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[世智園] デンマーク、法定最低賃金制はないけれど…


  • [世智園] デンマーク、法定最低賃金制はないけれど…
来年度の法定最低賃金を今年より8.1%引き上げた時給6030ウォンにしたことについて、労使ともに不満だ。労働者側は、最小限の人間らしい人生が不可能な金額だとし、使用者側は、一部の零細、自営業者は商売を諦めなければならないほど高い水準だと言う。

このような議論を見ると、羨ましくなる国がある。まさにデンマークだ。この国は、法定最低賃金というものがない。しかし、薄給だというファーストフードレストランでも、少なくとも時給20ドルは支給する。労働組合と使用者団体が交渉で、20ドルを最低賃金に決めたからだ。法定最低賃金ではないからと守らなければ痛い目に会う。以前のマクドナルドがそうだった。デンマークに進出し、米国のように、低時給を支給しようとしたところ、デンマーク市民が立ち上がって不買運動まで繰り広げた。マクドナルドは屈服して時給を20ドルに上げるた。すると今度は、米国で論争が起こった。「米国企業のマクドナルドが、デンマークでは米国の2倍以上高い時給を出している」という批判が殺到した。韓国もデンマークの4分の1に過ぎない法定最低賃金さえ受け取れずにいる労働者が232万人であるという点から、デンマークは驚きの対象だ。

一体、デンマークでは法定事項でもない時給20ドルを全員が守る秘訣は何であり、このように高いレベルの賃金を支払いながらも、デンマークの自営業者が繁栄している理由は何だろうか。ニューヨークタイムズが昨年10月、米国とデンマークのマクドナルドの最低賃金を比較する記事で引用したデンマークの管理者の言葉に、その答えが隠れているようだ。 「私たちは、人々が(生計を維持できなくて)道端に追い出されることを望んでいない。もしそのようなことが起こった場合、社会として我々が失敗したことを意味するから」。この言葉通りなら、デンマーク社会は労働者が人間らしい生活を営むことができない水準の賃金を受け取ることも、零細業者が高い賃金のせいで店をたたみ、路上に座ることも許されない社会だ。

実際にデンマークは弱者を助ける社会だ。 「困ったときは社会的ネットワークから助けを得ることができる」という質問に、デンマークの人々は95%が「そうだ」と答えた。一方、韓国は73%にとどまった。経済協力開発機構(OECD)国家のうち、この比率で韓国は最下位、デンマークは1位と1%ポイントの差で4位だった。
  • 毎日経済 キム・インスク論説委員 | (C) mk.co.kr
  • 入力 2015-07-13 17:45:37




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