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[コラム] 韓国の夢は何ですか


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バーナンキFRB(米連邦準備理事会)前議長が先週、韓国での講演後、午餐会に聞かせてくれた話は十分に興味深いものだった。ソウルを初めて訪問した彼に「韓国に対する第一印象」を尋ねると、「韓国経済は、多様性(diversifying)が必要なようだ」と答えた。そう言いながらバーナンキは、もっと意味深長な言葉を付け加えた。「どんな経済であれ、成功した国は継続的に再建(Reconstructing)する。中国は輸出が臨界点に達すると、内需にいち早く旋回しているではないか」

韓国は、サムスン、現代自動車以外は、繁盛している事業が見当たらず、次世代産業(サービス、金融)を育てるのに失敗したようだというひそかな非難だ。サムスン電子の李在鎔(イ・ジェヨン)副会長は、しばらく前に中国の「ボアオフォーラム」に行ってきた後、「中国はすべての面で(韓国の)先を行っているのではないか。今、中国があえてサムスンを研究する必要があるのだろうかと思った」と所感を語った。

2年前、習近平(シー・ジンピン)指導部発足後、「中国の夢」を2つの100年として定義した。中国共産党成立100周年の2021年までに「小康社会(ある程度ゆとりのある社会)」を作り、中華人民共和国の建国から100年になる2049年までに「強力な世界ナンバーワンの国に復活する」というものだ。この時、中国が米国を上回るのではという恐怖から西洋学者らは、とんでもない話だと、いくつかの基準を突きつけた。

経済力(GDP)のほか、軍事力、通貨(ドル)、大学レベル(技術力)、国際機関(IMFなど)、そして同盟国の数が、その基準だ。しばらく間GDPが大きくなったからと、その他の5つの鉄壁を崩すことができるのかという問いだった。その後、中国は人民元の国際化、証券市場の自由化、AIIB創設などを見せつけた。国際政治学者のジョセフ・ナイは『米国の世紀は終わったのか?(Is the American Century Over)』という最新の著書で、そのすべての努力は大した物ではない、絶対に中国は米国を越えられないと豪語した。しかし、習近平が掲げた中国の夢は現在進行形であり、前に進んでいる。

日本の安倍晋三首相は、夢というモットーは掲げなかった。彼は、ほぼ30~40年間混迷していた日本の気迫を呼び起こしている。衰退していた日本企業が新日米同盟、アベノミックスで復活している。安倍首相が米国議会で演説する直前、ウォールストリート・ジャーナルは、日本国民の78%が経済的に良くなったと答え、大企業のうち50%以上が賃金を引き上げたと紹介した。国民を食べていけるようにして、大卒の就職率が94%になったことに加え、戦争可能な国にして、中国の発展に対抗する安倍首相の支持率は60%に迫る。

英エコノミストは、インドのナレンドゥラ・モディファイ首相の話を今年だけで3回以上カバーストーリーとして掲載した。中国を超える世界1位の成長率を導き出したモディファイ首相のリーダーシップ、さらにインドネシアのジョコ・ウィドド大統領を賞賛する内容も紹介した。

できる国は、政治指導者が夢を打ち出して、国民はその夢を北極星として一方向に前進する。中国人の頭の中には、2021年、2049年という2つの星がキラキラ輝いているだろう。バーナンキFRB前議長は、大恐慌研究の専門家だ。彼は大恐慌に勝ったのは、ニューディール政策ではなく、ルーズベルトの勇気とリーダーシップだと話している。恐ろしいけれども、突破することができるという指導者。現在、米国政界のリーダーシップも高い点数ではないが、米国はシステムでうまく作動している国だ。

韓国の夢は何だろうか。過去には「良く生きてみよう」「やればできる」「所得1万ドルの国」のような目標があった。天下を号令する気迫を持っていた鄭周永、李秉喆のような企業家も力を加えた。韓国国民に「最近、なぜこんなに生活が苦しいのだろうか」と聞くと、「政府が何をしているのかわからないから」という回答の割合が1位だという。韓国を支えてきた輸出は6年ぶりに最大の墜落を見せた。

この時刻、現在、誰が韓国の夢を提示してくれるのか。5000万の韓国人は一緒に食べて、元気を取り戻す夢があるのか。逆に、外国人がたまに韓国の夢について発言してくれている。ゴールドマン・サックスは、統一された韓国は2050年に世界3位の国になると言い、インドの詩人にしてノーベル文学賞の受賞者であるタゴールは東方の灯とも呼んだ。「統一された韓国は世界3位」、聞いただけでどれほど胸がいっぱいになる目標だろうか。

中国と日本は、大きな夢を成し遂げて行くのに、韓国は高高度ミサイル防衛システム(サード / THAAD)配置、韓日の首脳会談でも「顔色を見る国」に転落していく。政界に公務員年金の改革をお願いしたら、夜中に中途半端に国会法を通過させておいて、また、争っている。政界のランナーよ、あなたの大権に向けた夢ではなく、国民に見せる夢は何なのか。その夢がないのであれば、政界を去るべきだ。
  • 毎日経済_キム・セヒョン主筆/写真=photopark.com | (C) mk.co.kr
  • 入力 2015-06-02 17:18:14




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