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コラム > FOCUS > [FOCUS] 韓国化粧品はバブルなのか…中国顧客の忠誠度は意外に低い
ヨウカー(中国人観光客)のおかげで最近4~5年のあいだ、ひらひらと舞っていたソウル市内のある大型免税店本店は、最近は超非常事態だ。中東呼吸器症候群(マーズ)寒波で、文字通り客よりも店員が多いほど、流通業界の中でもとくに打撃が激しいからだ。その台風の中心部に、まさに韓流化粧品がある。最近の一週間(12~18日)のあいだ、この免税店での韓国の化粧品全体の売上げは、前年同期比で41%も減少した。明洞一帯の化粧品ロードショップでも、売上げが半減した店がたくさんある。
高空行進を重ねていた韓国化粧品に「警戒注意報」が下された。マーズ事態でヨウカーの足が遠のくやいなやすぐさま売り上げが急落し、心配していた「中国消費者への偏重」の後遺症が水面上にあらわれたわけだ。一時的な悪材料で過ぎればそれまでかもしれないが、中華圏の消費者の韓国化粧品に対する忠誠心が意外に高くない報告書まで出て、警告灯が点灯した。
19日、毎日経済新聞が単独入手した調査会社ニールセン・チャイナの「中華圏国家の消費者の韓国化粧品ブランドに対する認識と購入行為」という、いわゆる「Kビューティー報告書」によると、中華圏の消費者のうち29%のみが「新しいブランドの製品に接しても、韓国化粧品を引き続き購入するだろう」と答えた。また39%は「(他の国の)新しい化粧品が登場すると、いつでも化粧品を変える用意がある」と答えた。
そのうえ32%は「化粧品の成分と香りや手触りが気に入った場合は、ブランドを問わない」と答え、あえて韓国化粧品を購入する必要性を感じないでいることが明らかになった。ニールセン・チャイナは最近6ヶ月間、中国・香港・台湾・シンガポールなど中華圏の4カ所で、韓国化粧品を購入した経験のある18~55歳の女性消費者1900人を対象に実施したオンラインアンケート調査をもとに報告書を作成した。
一言で、韓国化粧品に対する中国顧客の忠誠心は期待以下だという話だ。「漢方化粧品」を筆頭に、年間30兆ウォンに迫る中国の化粧品市場を成功裏に攻略しているという評価を得た「Kビューティー」だが、まだ道のりは遠いという指摘だ。
実際に韓国の化粧品は、依然として名声や評価の面でフランス・米国・日本などの先進国の製品に押されることが分かった。今回の調査で「自分が直接使用する目的で購入する製品」は韓国の化粧品が41%で1位を占めた。
しかし「他人にプレゼントする製品」はフランスの製品が1~4位を独占し、韓国の製品は5位(24%)にとどまった。韓国化粧品が実用的とはいえ、まだ他人にプレゼントするには多少不十分だということだ。結局、韓国化粧品は品質にふさわしいブランドと高級イメージを育てなければならないことが宿題に思える。
過度に中国だけにしがみつくことよりは、様々な国で消費者層を広げなければならないという声も高い。
人参(インサム)の効能などを強調する「韓方化粧品」にだけ没頭していては、ヨーロッパや米国などの広い市場を攻略するには力不足というわけだ。韓国ドラマ・映画・音楽など、韓流への依存度が高いということも警戒しなければならない項目だ。
今回の調査で、韓国化粧品を購入した経験がある中華圏の消費者10人のうち8人(80%)は「韓流マニア」であることが分かった。
また、韓国ドラマに関心があると答えた人のうちで、48%は「テレビドラマの中で韓国のスターたちが使用している化粧品などのビューティ製品を購入したい」と明らかにした。
ニールセンは報告書で、「韓国化粧品は強力なKカルチャーのおかげで中華圏での認知度を高めており、アジア人の肌に適した製品も多い」とし、「ヨーロッパやアメリカの化粧品に比べて相対的に価格が安いこともメリットだ」と分析した。その一方で、ニールセンは「まだ中国の消費者が韓国化粧品に対する強い忠誠心を持っていると見るのは難しい」とし、「韓国化粧品を購入する多くの中国人はヨーロッパなどのグローバル化粧品もともに好んでおり、市場が重なる」と指摘した。