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[世智園] 菽麦と丙申年


  • [世智園] 菽麦と丙申年
漢字で表記する穀物の名称は不思議なくらい多様だ。

コメは米と稲、ムギは麦や牟と書く。コムギは小麦、ソバは蕎麦、アワは粟だ。マメは大豆、アズキは小豆、インゲンマメは豌豆だ。豆の他の表現である菽を付け加え、インゲン豆を戎菽とも書く。

ハトムギは薏苡、エゴマは桂荏や明油、ゴマは芝麻、もしくは油麻という難しい表現もある。キビは高粱で、トウモロコシは玉高粱と表記する。キビには蜀黍という見知らぬ名称もある。

韓国と中国の農耕社会では、主食である米以外には豆と麦が馴染みのある穀物だった。ところが、農作業をする彼らには目を閉じても簡単に把握できる菽と麦を区別できない鈍い人もいた。彼らを指して「スクメク(ばかものという意味で、菽麦とほぼ同様の読み方)」と呼んだ。

菽麦の原語は菽麦不変(菽麦を弁ぜず)だ。豆と麦を正しく弁別できないという意味だ。子供が見てもすぐ分かることを分間できないため、バカだとからかうことだ。

2016年は干支で丙申年(ビョンシンニョン・韓国で使われる愚かな女郎という意味の悪口と読み方が同様)だ。赤い猿年生まれであるが、「ビョンシン」という語感のtめ、すでにパロディが飛び交う。「ビョンシンニョン新年あけましておめでとうございます」という新年の挨拶をしても、前の単語のみ浮上され、女性には悪口に聞こえるという話だ。

120余年前の甲午年(1894)と乙未年(1895)にかけた改革作業を推進していた朝鮮は、韓半島で行われた日清戦争と明成皇后殺害という屈辱を受け崩れた。丙申年(1896)からは事実上、日本帝国主義の勢力に国権を失った状態に入った。1905年、日露戦争で勝った日本が大韓帝国の外交権を剥奪していった乙巳条約の10年前、すでに植民地の境遇に急落したのだ。発音が同様であることで菽麦と丙申を利用したパロディが、新年を迎える時点に乱舞していることは、あまり愉快ではない。

周易で干支を解釈する学者の中には、丙申年の新しい秩序を確立する時だと主張したりもする。丙は、創造と挑戦、申は秩序と法を意味するということだ。発音が同様であると丙申年をバカに寓せず、新しい秩序の構築に向けた機会に受け入れてみよう。個人でも国でも占いを良く解釈して推し進めると、良い結果を得ることができるものだ。
  • 毎日経済 ユン・ギョンホ論説委員 | (C) mk.co.kr
  • 入力 2015-12-28 19:11:59




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