トップ > カルチャー > カルチャー > 世界に通じる韓国の美、モダンで実用的に再解釈された日常の中のK-デザイン
△写真=キム・ビンの丹青模様ブロックマット。伝統の丹青模様が持つ美しさを再解釈した。コースターや壁飾りなど、256種類の組み合わせが可能。 [写真提供＝韓国デザイン振興院]
「韓国に来て、ぐうぜん民俗博物館で白磁を見てその美しさに魅了された」。
サムスン電子の携帯電話や冷蔵庫などのデザイン企画に参与して話題を集めた英国の代表デザイナー、ジャスパー・モリソンの言葉だ。
モリソンは日本のデザイナー深澤直人とともに「スーパーノーマル（super normal）」概念のデザイン哲学を宣言した人物。 2006年、日本のアクシスギャラリーで初めて開催されたスーパーノーマル展示は、現代的なデザインを支配したミニマリズム（minimalism）の単純さと節制の美学を、オープナーやガラスカップや醤油差しなど、きわめて平凡ながらも素朴な日常品で満たした。展示は「平凡さの中に隠された感動」を込めた。
このように、現代のデザイン界の大勢であるモダニズム系デザイナーたちが、韓国の平凡な日常品で現代性の極限と通じる美しさを発見したと証言する。モダンに変身したわが国のデザイン（K-Design）は、韓国ドラマや音楽のように注目される理由だ。
日帝強占期に「旧習」として軽視されたわが国の伝統文化は、新世代のデザイナーたちの「自信感」で新たに再解釈され、感動を与える日常品として再び生まれている。
その先頭に立ったデザイナーがまさにキム・ビン（Beeen Company代表）だ。LG電子デザイナー出身のキムは、独立して韓国的デザインを追求する作業に邁進してきた。キム・ビンが開発した丹青模様のブロックマットは伝統的な模様が持つ美しさを再解釈し、赤・黒・青・緑の4つの伝統色のシリコンモジュールを通じてコースターや壁の装飾・床の装飾まで、256種類の組み合わせが可能な装飾品だ。この他にも、キム・ビンが伝統家屋の床材として使われる丈夫なチャンパンヂ（壮版紙＝床に貼る紙）でポーチや財布・収納容器などを作って見せたものは、革のように落ち着いて近代的だ。
△写真=ヤン・ギョンスのワンタッチ・カタツムリ型歯ブラシホルダー。 [写真提供＝韓国デザイン振興院]
キム・ビンの製品は韓国デザイン振興院（KIDP）が今年初めて選抜した、グローバル名品化促進製品10選にも入った。100年が経っても韓国のアイデンティティとして、世界で認められる製品を育成するためのプロジェクトの第一歩だ。
KIDPは韓国のデザインを代表しうる商品を厳選し、米国西部の消費文化の中心地、ロサンゼルスのビバリー・ヒルズにポップアップストアをオープンして、先月から展示販売を行った。
ヤン・ギョンス（ジャイブストーリー）の「ワンタッチ・カタツムリ型歯ブラシホルダー」が人気を集めた。パク・ヨンドゥ（トゥデザイン）の「新芽栞」はシリコンの耐障害性を200％活用して、本を開くたびに芽が咲くような爽やかな印象を与える。
チェ・ミヂン（ミヂン密室）の二重保温グラスは茶こしのハンドル部分が分離され、水墨画技法を現代的に蘇らせた魚や鳥が風景のように浮いていて、お茶を飲むゆとりを加え、チュ・ホンギュ（チュデザイン）のタブリオは堅固な板材と柔らかいビーズクッションを組み合わせ、クッション兼テーブルとしての使用に耐える製品で、昔の身体障害者の椅子のようにフレンドリーで快適だ。
△写真=チェ・ミヂンの二重保温コップ。 [写真提供＝韓国デザイン振興院]韓国工芸デザイン文化振興院（KIDP）はこのようにヨーロッパ各地で、ポップアップストアの形式でK-デザインの海外進出を支援している。
韓国工芸デザイン文化振興院は、韓紙（ハンヂ）を再解釈する「韓紙商品開発デザイントーナメント」を毎年開き、新しい工芸デザイナーを発掘する。代表的な作品はキム・ヒョンヂュ（キム・ヒョンヂュスタジオ代表）の「ナギョプ（落葉）トレイ」だ。韓紙固有の質感に葉脈が浮き出したトレイで、柔軟な骨格構造が内蔵されており、好む形状に曲げ使えるので自然美が感じられる。少し色あせたような韓紙の表面に漆を塗り、生活防水になるだけでなく洗って再利用も可能だ。
ソ・ドンホは、幾重にも重ねたときにさらに堅くなる韓紙の材質を生かし、椅子とテーブルを作った。アグリーベイスモント（Uglee Basement）は、韓紙で包む包装紙に、陶磁器のグラフィックをシルク印刷で製作する方法で、時計や花瓶などの立体容器を平面的に変身させる「紙flat」製品を発表した。漫画的想像力が興味深い。
K-デザイン拡散の先頭に立つイ・テヨンKIDP院長は、「私たちの先祖の知恵と魂が込められた伝統的なデザインを通じて、現代化・グローバル化できる本質を見つけだす作業に乗り出した」とし、「私たちの企業が活用できる伝統的なデザインの価値を知らせる一方で、これを接ぎ木した商品の先進市場への進出を継続的に支援していく」と明らかにした。
KIDPは韓国デザインのDNAを示すだけの伝統的な素材を141点選定し、韓国的なデザインを創造するデザイナーの育成作業を体系化する過程を進めている。
△写真=キム・ヒョンヂュの落葉トレイ。韓紙固有の質感に葉脈が浮き出したトレイで、好みの形状に曲げて使用できる。 [写真提供＝韓国工芸デザイン文化振興院]
韓国的デザインを集めてみると、伝統的材料の韓紙を使うにしろ、最新の素材シリコンを使うにしろ、現代人にとって自然と調和することからくる快適性とゆとりを込めて、口元に微笑みが広がる暖かい感受性がにじみ出る。
イタリアのデザイナーのアレッサンドロ・メンディーニも「韓国といえば浮かぶITと仮想コンピューティングの冷たさが、伝統的な職人の手と結びついたとき、韓国的なデザインが出てくることがある」と助言した。
今年で2年目のミラノ家具見本市で、韓国螺鈿漆器などの工芸品で「韓国工芸の法古創新」展を企画したクロスポイントのソン・ヘウォン代表も、「大英博物館とヴィクトリア・アンド・アルバート博物館が、ロンドン100％デザイン展で展示された伝統工芸品を購入して永久所蔵するという意思を明らかにした」とし、「再創造された韓国の伝統工芸を見て、ヨーロッパ人が魂を奪われる姿に自信感が大きくなる」と語った。
しかし韓国的アイデンティティを表現するデザインの製品は、一部の汎用的な製品を除いては大量生産システムに合わず、高級市場を確保することが不可欠だ。教養のある中流階級の家に、現代的に再解釈された韓国デザインの製品が陳列されている現象が広まることを期待してみる。幸いなことに、ロッテ百貨店が韓国的デザイン流通に積極的に乗り出すと明らかにし、今後われわれの周囲でこのような製品に簡単に接することができると思われる。
世界に通じる韓国の美、モダンで実用的に再解釈された日常の中のK-デザイン
軒下の風景は茶碗の中に…落葉は盆に
「韓国に来て、ぐうぜん民俗博物館で白磁を見てその美しさに魅了された」。
サムスン電子の携帯電話や冷蔵庫などのデザイン企画に参与して話題を集めた英国の代表デザイナー、ジャスパー・モリソンの言葉だ。
モリソンは日本のデザイナー深澤直人とともに「スーパーノーマル（super normal）」概念のデザイン哲学を宣言した人物。 2006年、日本のアクシスギャラリーで初めて開催されたスーパーノーマル展示は、現代的なデザインを支配したミニマリズム（minimalism）の単純さと節制の美学を、オープナーやガラスカップや醤油差しなど、きわめて平凡ながらも素朴な日常品で満たした。展示は「平凡さの中に隠された感動」を込めた。
このように、現代のデザイン界の大勢であるモダニズム系デザイナーたちが、韓国の平凡な日常品で現代性の極限と通じる美しさを発見したと証言する。モダンに変身したわが国のデザイン（K-Design）は、韓国ドラマや音楽のように注目される理由だ。
日帝強占期に「旧習」として軽視されたわが国の伝統文化は、新世代のデザイナーたちの「自信感」で新たに再解釈され、感動を与える日常品として再び生まれている。
その先頭に立ったデザイナーがまさにキム・ビン（Beeen Company代表）だ。LG電子デザイナー出身のキムは、独立して韓国的デザインを追求する作業に邁進してきた。キム・ビンが開発した丹青模様のブロックマットは伝統的な模様が持つ美しさを再解釈し、赤・黒・青・緑の4つの伝統色のシリコンモジュールを通じてコースターや壁の装飾・床の装飾まで、256種類の組み合わせが可能な装飾品だ。この他にも、キム・ビンが伝統家屋の床材として使われる丈夫なチャンパンヂ（壮版紙＝床に貼る紙）でポーチや財布・収納容器などを作って見せたものは、革のように落ち着いて近代的だ。
キム・ビンの製品は韓国デザイン振興院（KIDP）が今年初めて選抜した、グローバル名品化促進製品10選にも入った。100年が経っても韓国のアイデンティティとして、世界で認められる製品を育成するためのプロジェクトの第一歩だ。
KIDPは韓国のデザインを代表しうる商品を厳選し、米国西部の消費文化の中心地、ロサンゼルスのビバリー・ヒルズにポップアップストアをオープンして、先月から展示販売を行った。
ヤン・ギョンス（ジャイブストーリー）の「ワンタッチ・カタツムリ型歯ブラシホルダー」が人気を集めた。パク・ヨンドゥ（トゥデザイン）の「新芽栞」はシリコンの耐障害性を200％活用して、本を開くたびに芽が咲くような爽やかな印象を与える。
チェ・ミヂン（ミヂン密室）の二重保温グラスは茶こしのハンドル部分が分離され、水墨画技法を現代的に蘇らせた魚や鳥が風景のように浮いていて、お茶を飲むゆとりを加え、チュ・ホンギュ（チュデザイン）のタブリオは堅固な板材と柔らかいビーズクッションを組み合わせ、クッション兼テーブルとしての使用に耐える製品で、昔の身体障害者の椅子のようにフレンドリーで快適だ。
韓国工芸デザイン文化振興院は、韓紙（ハンヂ）を再解釈する「韓紙商品開発デザイントーナメント」を毎年開き、新しい工芸デザイナーを発掘する。代表的な作品はキム・ヒョンヂュ（キム・ヒョンヂュスタジオ代表）の「ナギョプ（落葉）トレイ」だ。韓紙固有の質感に葉脈が浮き出したトレイで、柔軟な骨格構造が内蔵されており、好む形状に曲げ使えるので自然美が感じられる。少し色あせたような韓紙の表面に漆を塗り、生活防水になるだけでなく洗って再利用も可能だ。
ソ・ドンホは、幾重にも重ねたときにさらに堅くなる韓紙の材質を生かし、椅子とテーブルを作った。アグリーベイスモント（Uglee Basement）は、韓紙で包む包装紙に、陶磁器のグラフィックをシルク印刷で製作する方法で、時計や花瓶などの立体容器を平面的に変身させる「紙flat」製品を発表した。漫画的想像力が興味深い。
K-デザイン拡散の先頭に立つイ・テヨンKIDP院長は、「私たちの先祖の知恵と魂が込められた伝統的なデザインを通じて、現代化・グローバル化できる本質を見つけだす作業に乗り出した」とし、「私たちの企業が活用できる伝統的なデザインの価値を知らせる一方で、これを接ぎ木した商品の先進市場への進出を継続的に支援していく」と明らかにした。
KIDPは韓国デザインのDNAを示すだけの伝統的な素材を141点選定し、韓国的なデザインを創造するデザイナーの育成作業を体系化する過程を進めている。
韓国的デザインを集めてみると、伝統的材料の韓紙を使うにしろ、最新の素材シリコンを使うにしろ、現代人にとって自然と調和することからくる快適性とゆとりを込めて、口元に微笑みが広がる暖かい感受性がにじみ出る。
イタリアのデザイナーのアレッサンドロ・メンディーニも「韓国といえば浮かぶITと仮想コンピューティングの冷たさが、伝統的な職人の手と結びついたとき、韓国的なデザインが出てくることがある」と助言した。
今年で2年目のミラノ家具見本市で、韓国螺鈿漆器などの工芸品で「韓国工芸の法古創新」展を企画したクロスポイントのソン・ヘウォン代表も、「大英博物館とヴィクトリア・アンド・アルバート博物館が、ロンドン100％デザイン展で展示された伝統工芸品を購入して永久所蔵するという意思を明らかにした」とし、「再創造された韓国の伝統工芸を見て、ヨーロッパ人が魂を奪われる姿に自信感が大きくなる」と語った。
しかし韓国的アイデンティティを表現するデザインの製品は、一部の汎用的な製品を除いては大量生産システムに合わず、高級市場を確保することが不可欠だ。教養のある中流階級の家に、現代的に再解釈された韓国デザインの製品が陳列されている現象が広まることを期待してみる。幸いなことに、ロッテ百貨店が韓国的デザイン流通に積極的に乗り出すと明らかにし、今後われわれの周囲でこのような製品に簡単に接することができると思われる。
- 毎日経済_イ・ハンナ記者 | (C) mk.co.kr
- 入力 2014-10-17 16:00:07
