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「太陽の末裔」経済効果3000億…ゴールデンタイムつかめ


  • 「太陽の末裔」経済効果3000億…ゴールデンタイムつかめ
  • < 『太陽の末裔』(左)[写真提供= NEW]、『チーズ・イン・ザ・トラップ』[写真提供= tvN] >

『太陽の末裔』(2016)、『チーズ・イン・ザ・トラップ』(2016)、『太陽を抱く月』(2015)、『星から来たあなた』(2013年)...。 10年ほど前の『宮廷女官チャングムの誓い』(2003)と『冬のソナタ』(2002)以来、「K-POP」に韓流の主人の座を事実上あけ渡さなければならなかった韓国ドラマが第2の中興期を迎えている。最近、韓国と中国で同時放映されたKBSドラマ『太陽の末裔』が代表的だ。なんと32カ国に輸出されたうえ、中国動画サイトのアイチイ(爱奇艺)のみで25億ビューを突破した。

tvNの『チーズ・イン・ザトラップ』も同じだ。まだ中国内の正式サービスが行われていないが、放送後に中国内のオンラインを掌握してウェイボ(新浪微博)の再生回数は19億3000万回を超えた。一日の間になんと5000万回の再生回数を達成した驚異的な記録だ。

まさに「K-ドラマ」ブームだ。これを見せつけるように、最近の韓国輸出入銀行海外経済研究所の資料によると、世界32カ国に輸出された『太陽の末裔』のコンテンツ販売額は100億ウォン台である反面、消費財と韓流観光輸出額はなんと1480億ウォンに達した。自動車の間接広告効果による輸出額も1500億ウォンを超え、経済的な付加価値だけでも3000億ウォンに達した。コンテンツ販売額の30倍を超える規模だ。

実際によくできたドラマは、経済的波及効果が10年以上持続することが知られている。一例として、2003年に『冬のソナタ』の日本放映以来、韓国ドラマの番組編成は日本の放送局内の1つのトレンドとして定着した。それによる累積経済効果はなんと3兆~4兆ウォン水準に達する。

また、韓流ドラマ『宮廷女官チャングムの誓い』も1年の間に90カ国に輸出され、220億ウォンの直接収益と1100億ウォンの生産誘発効果を創出した。簡単に言うと、韓流ドラマは国家経済レベルでも「黄金の卵を産むガチョウ」であるわけだ。しかし、このような成果の裏面に、韓国ドラマの制作環境はそれほどラクではないという懸念が常に存在している。 「経済の担い手」「輸出貢献」の役割を果たしている韓国ドラマも、肝心の制作環境面では構造的な問題を抱えている。

あるドラマ製作会社の関係者は、「ほとんどのドラマ制作会社は零細で資金力が不足している状態」だとし、「年間2編以上のドラマを作る信頼性の高い制作会社は非常にまれという実情だ」と語る。ほとんどの製作会社は数少ない放送局の編成と制作費の受給のみに首がかかっており、運良く編成されても放送局から支給される制作費は実際の製作コストにも満たない場合は頻繁にあるという指摘だ。この関係者は「制作会社は慢性的な赤字収益構造の下で、間接広告(PPL)やバックグラウンドミュージック(OST)などの付加事業を通じた独自の制作費充当にとどまっている」と付け加えた。

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  • < ドラマに投資されたチャイナマネーの現状 >

2012年にハナ大投証券が分析した報告書によると、『太陽を抱いた月』の制作コストは74億ウォンだった。このうち放送局が支援した制作費は58億ウォンで、製作コストの78.4%だった。残りの16億ウォンは制作会社が付加収益事業や追加の権利流通で自己確保しなければならなかった。これは比較的良好なケースだ。実際の放送局の制作費に対する平均支援は、総制作費の60~70%にとどまるというのが通説だからだ。

制作産業の構造的問題は、劣悪なコンテンツ制作環境だけでなく、作家とスタッフの処遇にまでつながる。韓国コンテンツ振興院によると、スタッフの契約類型のうちで書面による労働契約はわずか43.9%にとどまっている。口頭契約は24.1%、無契約従事者は32%だ。あるドラマ業界の関係者は「作家の場合、少数の認知度の高いスター作家への依存度が激しい一方で、しっかりとした新人作家の発掘の機会や育成システムは不在で、二極化が深刻になっている」と指摘した。

そこのようななかで、ドラマ市場に大挙進出しているチャイナマネーは断然注目すべき変数だ。昨年9月、香港最大のグローバル企業エンペラーエンターテイメント(英皇娛樂集團有限公司)はイ・ヨンエ、ソン・スンホン主演のSBSドラマ『師任堂(サイムダン)ザ・ヒストリー』を制作するグループエイトと100億ウォンの投資協約を結んだ。ファチェクメディアグループは2014年、韓国の映画投資配給会社のNEWに535億ウォンを投資して2大株主になった。特にNEWが制作会社として直接乗り出した『太陽の末裔』は、放送局の制作費支援がなくても100%事前制作で大成功を引き出した、チャイナマネーの善用事例として挙げられる。

しかしチャイナマネーがドラマ市場に必ずしも薬にならない。専門家らは最近の『太陽の末裔』などの事例にもかかわらず、警戒心が必要だという立場だ。長期的には製作要素の独占とともに、韓国ドラマ市場全般の外国資本依存や、中国資本の下請け業者転落という逆効果につながる危険性があるという説明だ。

あるドラマ制作会社の関係者は、「最近の韓国ドラマに起因する韓流再点火傾向を通じて、チャイナマネーをうまく活用しなければならない」とし、「いまの放送局と制作会社の間の不均衡問題までをいっぺんに解決できる妙策の研究が切実だ」とした。
  • 毎日経済_キム・シギュン記者 | (C) mk.co.kr
  • 入力 2016-05-08 17:57:44




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