「小説の季節」夏が戻ってきた


  • < 村上春樹、チョ・ナムヂュ、キム・ヨンハ、ベルナール・ベルベル(左から) >



「小説の夏」が帰ってきた。夏は伝統的に、休暇に乗り出す人々のための小説が降り注ぐ季節だ。今年は久しぶりに新作を発表した大型作家たちが角逐を繰り広げ、書店を熱くしている。教保文庫の集計(6月21日まで)によると、6月に入って小説分野の売上げは昨年よりも3.4%増えた。

教保文庫とイエス24の6月第3週のベストセラー10位に小説が4種類ずつ、アラジンには7種が布陣した。人気小説が市場をリードしているという分析が可能だ。

何よりも鼓舞的なことは、韓国人作家たちの活躍だ。初夏から韓国文学の看板作家たちの新作が出てきて、市場を予熱した。ヘネム出版社によると、5月に出版された李外秀(イ・ウェス)の『報復専門代行株式会社』は5万部、4月に出版され孔枝泳(コン・ヂヨン)の『ハルモニは死なない』は6万部が売れた。

上半期の国内文学の最高スターであるチョ・ナムヂュは、下半期に入って販売量に加速度が加わった。『82年生まれキム・ヂヨン』(ミヌム社)は、逆走行神話を書いて現在までに14万部が売れた。 「PD手帳」や「不満ゼロ」などの時事番組の作家として10年間を働いたチョ作家の3番目の長編であるこの小説は、女性の社会的差別をドキュメンタリーのように描いた鮮やかなリアリティで、女性読者に全面的な支持を受けている。教保文庫とイエス24で4~5位に上がっているうえに安定した上昇を見せており、総合1位に上がることができるか期待を集めている。

金英夏(キム・ヨンハ)が6年ぶりに出した小説集『ただ二人』(文学トンネ)もアラジンで3週目の総合ベストセラー1位を走っている。韓国小説が総合1位を占めたのは1年前のいまごろ、長期独走したハン・ガンの『菜食主義者』以後初めてだ。初版2万部を完売した後、再版を重ねている。キム・ヨンハの前作の中で最も多い部数を記録した長編『殺人者の記憶法』と同様の推移だが、短編集では異例の反応だ。

金愛爛(キム・エラン)の『そとは夏』(文学トンネ)は来る28日の出版を控え、予約販売だけでアラジン総合3位にまで上がった。歴代最年少受賞で話題を集めた李箱文学賞受賞作『沈黙の未来』と若い作家賞受賞作『どこに行きたいですか』を含めて、短編7編が掲載された今回の小説集を5年間待ち望んだ読者が多かったという傍証だ。

韓国の読者らが最も愛する作家ベルナール・ベルベルの『睡眠』(ヨルリンチェク)も先週、イエス24の総合1位に上がって底力を見せている。睡眠の世界への探検を描いた2冊分量の新作は、出版3週間めで32刷を記録して17万部を突破した。また海外作家で目立つ成績を収めているのは、米国ドラマの人気に国内で注目されているマーガレット・アトウッドの『侍女の物語』(ファングムカヂ)だ。アラジンで着実に総合2位を走っている。

出版を控えたスター作家も並んでいる。 『オーヴェという男』のフレデリック・バックマンは『一日一日が別れの日』(タサンチェクパン)を、昨年の国内最多販売量を記録した日本の作家東野圭吾は『危険なビーナス』(現代文学)をそれぞれ出版する。

小説の夏に力点を付ける作家は村上春樹だ。 7月中旬に出版される2部構成の新作『騎士団長殺し』(文学トンネ)は、日本でも初版のみで130万部を刷ってシンドロームを起こした作品だ。南京大虐殺を批判的に扱うなど歴史論争で人気は足踏みしたものの、むしろこのようなイシューが国内で好材料として作用する可能性がある。 2013年7月に『色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年』出版日には、オフライン書店で本を購入する読者が作った列が並ぶこともあった。当時、春樹の「ナマズ効果」で2013年一年間の小説販売数は前年比で6.9%上昇した。
  • 毎日経済 キム・スルギ記者 | (C) mk.co.kr
  • 入力 2017-06-21 17:34:33