「ゼペット」1億4千万人の仮想遊び場



  • 仮想3D空間での利用者のアバターが知人とセルカを撮っている(左)。 3Dアバターサービス「ゼペット」から「ワールド」機能を活用し、仮想結婚式を演出した場面(中央)。ネイバーZコーポレーションのキム・テウク代表アバター(右)。 [写真提供=ネイバー]


16歳の李某さんは最近、「ゼペット(ZEPETO)」アバターにすっかりはまってしまった。実際の写真に基づいて作成されて、自分自身と似ているが目鼻立ちと髪型などを好みに合わせて変えることができ、アバターが「本当の自分」よりも気に入っている。李さんは自分と似ているが、紫色の髪と緑の目を持つアバターを設定した。一部はお小遣いで、一部はアプリ内のゲームで稼いだコインで、ふだんから好きな芸能人が着ていたきれいな服を買ってアバターに着せた。

最近では自分だけの空間を、さまざまな家具や壁紙などで飾って「オンライン引っ越し祝い」をした。「フォトブース」などの機能を活用し、アバターを利用した写真や動画を作ってインスタグラムやネイバー「バンド(BAND)」などにアップしてコミュニケーションするのもおもしろい。李さんはクラスメートとゼペットで友達関係を結ぶだけでなく、ソーシャルネットワークサービス(SNS)にアバター写真を掲載してお互いの顔を評価し、気に入ればゼペットフォロワーに追加して友達を増やしている。 24時間、世界中のさまざまな空間を作って、物理的限界にとらわれず友達とオンラインでの活動を行うことができるということも、李さんがゼペットに没頭する理由だ。李さんは部屋を作って桃源郷・監獄などのさまざまな仮想空間で友達と会って疎通したり、状況劇や脱出劇などの演劇を楽しむ。特に「コロナ19」で直接会って遊ぶことが困難な状況では、仮想空間で集まることができるゼペットは大きな慰めとなっている。

李さんは「学校の友達の大半がゼペットを利用しており、オンラインを通じて多くの友人を知った」とし、「コロナ19で家での生活が増えたけれど、友達とはゼペットとSNSを通じて楽しい時間を過ごしている」と語った。


  • ゼペットがYGエンターテイメントと提携してリリースしたアイドルグループBLACKPINKのアバターと衣装アイテム。ゼペットはBLACKPINKの過去のミュージックビデオをベースにして、メンバーのアバターや衣装などを制作した。 [写真提供=ネイバー]


ネイバーが子会社のスノー(SNOW)を通じて開発した拡張現実(AR)基盤の3次元(3D)アバターアプリ「ゼペット(ZEPETO)」が、国内外を問わず1020世代に熱い人気を博している。 2018年8月にリリースされた後、昨年3月の累積加入者は1億人を突破し、先月には累積加入者1億4000万人をこえるなど、成長が著しい。このうち国内ユーザーが10%で、残りは海外のユーザーだ。 10代の割合も80%を超える。

提携を通じてBLACKPINKやRed Velvetなどのミュージックビデオをベースに製作されたアバター・仮想アイテム・マップが発売されたり、防弾少年団(BTS)がゼペットアバターで踊る映像を作ってSNSで共有するなど、韓流コンテンツの制作ツールとしても積極的に使用されている。

全世界の10代の若者がゼペットに熱狂するのは、単純にゼペットが「アバター」を提供するためと見るのは難しい。 3Dアバターを提供する機能なら、一部のアプリでもサービスしている。 2次元(2D)ではあるが、韓国はすでに1990年代から2000年代初頭までに元祖SNSの「サイワールド」を体験した。ゼペットの成功は単純なアバターではなく、「自分とよく似たアバター」を提供するという点と、これによって10代の遊び文化を刺激して自発的な参加を引き出したからだ。

ゼペットはネイバーのAR技術を活用し、本人の写真とよく似たアバターを作成することができるだけでなく、1000種を超えた表情まで支援して、実際に感じる感情をアバターが豊富に表現することができる。このために自分を自由に表現したい10代の心を捕らえた。

ネイバーZコーポレーションのキム・テウク代表は、「ゼペットは最初から新規サービスとして計画しておらず、写真一枚あれば誰でも高レベルのアバターを持つことができるようにしたいという目的から始まった」とし「当時はアバターを作成するサービスはゼペット以外にもあったが、決定的な違いは単に素晴らしいきれいなアバターはなく、私に似たものを作ることができるという点だ」と強調した。ゼペットは既存のアバターサービスとは異なり、空間的制約を超越できる仮想空間に10代の遊び文化をうまく取り入れた。ゼペット利用者は仮想空間でさまざまな人に会って、疎通しながら一緒に遊ぶことができる。「ワールド」と呼ばれる機能を活用すれば、利用者は真夜中でも桜が満開の遊園地で、他の国の友人たちと会って遊ぶことができる。監獄からの脱出遊びをすることもできる。利用者はゼペットが提供するさまざまなマップで、新しい遊びやロールプレイなどを直接創り出す。ワールドは現在、ゼペット内で最も利用が活発な機能の一つだ。

ゼペットを活用して映像や写真などのコンテンツを簡単に再生し、これを内外部と共有して遊ぶこともできる。最近では利用者が直接アイテムを製作して、自分自身にぴったりな服などを作って着ることができ、他の利用者に販売することもできる「スタジオ」機能まで生じ、大きな反響を得ている。これを支援する「ゼペットスタジオ」は、去る3月の発売以来の2カ月ぶりに加入者数10万3000人、登録されたアイテム9万本を超えた。

インターネット業界では、10代の若者がゼペットに熱狂する理由は「ティックトック(TikTok)」の人気要因と類似していると分析する。中国の情報技術(IT)企業「バイトダンス(ByteDance)」社が作ったモバイルビデオサービスであるティックトックは、15秒程度の短い映像を簡単に作成して共有することができ、10代のあいだで突風を起こした。

ティックトックはYouTubeとは異なり、さまざまなステッカーや特殊効果と背景音楽を提供し、刺激的で面白いコンテンツを容易に作成することができる。繰り返しやスローモーションのような編集機能も簡単に利用することができる。アプリ一つで日常を直接撮影して編集し、「わたし」を表現する10代の特性を攻略した。また、利用者の好みに合った多様なカテゴリーに分かれたコミュニティを提供し、他の利用者との活発なコミュニケーションを促進する。ティックトックで特定のテーマを提示すると、利用者がこれに合わせていっせいにコンテンツを制作して上げる「チャレンジ」も開催し、利用者の参加とコンテンツ生産を奨励している。防弾少年団などさまざまな芸能人がファンたちと疎通するためのツールとして定着したという点もゼペットと共通だ。
  • 毎日経済_オ・デソク記者 | (C) mk.co.kr
  • 入力 2020-06-12 18:13:01