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「鬼<トッケビ>」が伝える死と転生への希望、輝かしい不滅の愛


  • 「鬼<トッケビ>」が伝える死と転生への希望、輝かしい不滅の愛
tvNドラマ『鬼<トッケビ>』(以下、『鬼<トッケビ>』)は、鬼キム・シン役のコン・ユと鬼の花嫁チ・ウンタク役のキム・ゴウンの愛を描いたが、それよりも死に対する神の配慮と転生の希望に焦点を当てた。

こうして鬼が描いた愛は、他のドラマで見かけるロマンスもしくは恋愛から一歩踏み出し、死に対する神の配慮、転生の希望に続いたことで、疲れた人間の生に希望のメッセージを投げかけた。

キム・ウンスク作家は『太陽の末裔』で不敗神話を引き出したが、小学生レベルの幼稚な愛国心誘発コードと蓋然性なく溢れるPPLでドラマに対する反応が大きく分かれた。しかし『鬼<トッケビ>』はロマンスとブロマンスを適度に配置し、過去から現世に続く強くも悲しい愛で前作の理由を問わない「だから彼らは美しかった」式の展開とは違う共感を引き出した。

中でも鬼キム・シンと死神(イ・ドンウク扮)二人の業を抱いて生きる、違うようで似た運命は結局愛する人さえも死で見送ることにより「死は希望」というメッセージをより強くした。

去る21日、最終回16話にて死神は別れを伝えて去ったサニー(ユ・インナ扮)と30年後に彼女の死によって再会し、次の生で出会った二人はキスで不滅の愛を暗示した。チ・ウンタクは29歳という輝かねばならない瞬間に、子供たちを助けるために自身の身を放り出し、死神の「忘却の茶」を飲まずキム・シンと次の生で出会うことを約束した。

ドラマの中で死に対する神の配慮は、死の門のある死者たちの空間に現れる。落ち着いたグレーと温かなベージュは相反するカラーであるが衝突せず、死と生を視覚的に描くことに決定的な役割を話した。

中でも忘却の茶は神の配慮であると同時に、人間が自分の運命を再び元に戻すことができる最後の選択の瞬間を描いた。

過去の記憶を消した神を恨む死神に、ユ・ドクファ(ユク・ソンジェ扮)の体に入った神は「神はただ質問するだけ。運命は私が投げた質問だ。答えはお前たちが探せ。記憶を消したことはない。自ら記憶を消す選択をしただけ。それでも神の計画のようでも、失敗のようでもあるのか」という言葉を投げかけた。

これは神を人間の生死を司るものではない、人間の悟りを与える存在だというメッセージを投げかけ、繰り返される生にて自分が次の生のために現世をどのように生きねばならないのか、深く考えねばならないというメッセージを残した。

作家パスカル メルシエは小説『リスボンへの夜行列車』にて「人生は我々が生きるそれではなく、生きると想像するそれだ」と生の虚像を提示した。

小説の中のアマデウ・デ・プラドは死の入り口にて生の虚像により執着した。自らどうすることもできず、遂に神を拒否するが同時に神を信頼する者の苦悩を描く。

これとは違い鬼キム・シンは900年の生の中で絶えず「無に帰る」ことを渇望するも、神が許した最後の選択の瞬間に、愛する人を待つという苦しみに耐える「不滅」の生を選択した。

生の形態はそれぞれ違うが、これは不公平ではない神が人間に下した公平な選択の機会から始まるもので、別の生は結局人間が作り出すものであることをこのドラマは伝えている。
  • シックニュース ハン・スギン記者 / 写真=tvN | (C) mk.co.kr
  • 入力 2017-01-23 10:36:00




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