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アイドル練習生を泣かせる「新奴隷契約書」をご存知ですか?

練習生契約書①/② 

「練習生契約書」という言葉を聞いたことがあるだろうか。あまり馴染みのない概念ではあるが、精魂こめて育てた練習生の離脱を防ぐために芸能企画会社の間では公然と位置する契約形態だ。しかし、ある瞬間からこの契約書が夢のために時間と努力を惜しまない若者たちの足かせとなり始めた。「新奴隷契約書」と言われ、数多くのスター志望生たちが泣いている練習生契約書、どこからが問題なのだろうか。

練習生契約書の存在理由ははっきりしている。所属事務所は1人のスターをトップに上らせるまでボーカル・ダンストレーニング、整形および施術、外国語レッスンなど多様な名目の投資をおこなうが、この金額を抽出する練習生が他社に移るという、いわゆる「食い逃げ」する状況を防ぐための契約を締結する。

この契約書の内容はどうだろうか。デビューする前の予備スターたちと関連した契約書であるため、標準契約書を基本とする専属契約書とは多少差がある。政府が推奨する契約書以前の様式を使用していることが一般的であり、契約金なく各種サポートを約束する「甲(所属事務所)の義務」とこれを遵守せねばならない「乙(練習生)の義務」、そして契約期間が明示されている。一部大型企画会社は練習生たちとの紛争を防ぐために、「契約以降○年までにデビューできなければ契約を解除する」という但し書きを加えたりもする。

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しかし、一部悪徳企画会社は契約書条項を自分たちに有利になるように少しずつ変えたりもする。たとえば、「所属事務所の義務」を詳細に記載せず、あいまいな文章を入れておいて法の網を避けられるようにしておき、「練習生の義務」もやはり「耳につければイヤリング、首にかければネックレス」方式で書いておいて、どのような状況であろうと違約金を要求できるようにしておく。

これだけでなく、契約期間がはっきりと明示されていない契約書も存在していた。これらの契約書には専属契約転換時点も、「所属事務所が認めた際に専属契約に転換する」というあいまいな文章で記載されている。言い換えれば、所属事務所が気にいらなければデビューはおろか、一生練習生の身分で生きねばならないという意味にもなりうる。

これによる被害も続出している。中小芸能企画会社であるAエンターテイメントは、ある中学生練習生に基本的なサポートもしていないのに、練習生が契約解除を要求するや1000万ウォンの違約金を要求した。また、これを受け入れない場合には法廷対応すると脅迫までもした。この練習生は結局、芸能人という夢を捨てて、すべてをあきらめたまま学校に通った。

1億5000万ウォンという高額の違約金を要求された事例もある。匿名を希望する練習生Bはある新生企画会社Cと練習生1年契約書とともに7年分の専属契約書まで締結したが、レッスンはおろかしっかりとした関心も受けられず、契約解除を口にした。すると返ってきた言葉は「全8年を縛られているのだから、出て行くならば投資金と精神的被害補償などの名目で1億を超える金を払え」というものだった。

法務法人セジョンのイム・サンヒョク弁護士は「実際、練習生契約書被害の事例が専属契約よりもより深刻だ。デビューが確定されていない状態で既存の専属契約条項と医薬罰条項が入るので、デビューも出来ないのに他者へ移ることもできない状況が生じる」と診断した。

彼は「専属契約は自身の対外的活動権限を委任する契約だが、契約期間がなかったり不公正な契約書は法的に破棄が容易である」とし、「ただし、契約書を破ったからと解除されるものではないため、法的な解除手続きを必ず経なければならない」と強調した。

続けて、「条項について抽象的に記入したといって、法的背金を逃れることが出来るものではない。また、常識外の違約金を要求する際には脅迫や業務妨害罪に該当させることができるので、法的に対応する必要がある」と助言した。


<続く>
  • MBNスター イ・ダウォン記者/デザイン=イ・ジュヨン | (C) mk.co.kr
  • 入力 2015-04-02 13:39:40




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