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「悪魔の編集」と「編集の妙味」の境界線

◆ City Life 第473号…STAR TAP ①/⑤ 

  • 「悪魔の編集」と「編集の妙味」の境界線
一時売れていた女性芸能人たちが悪口論難によってひどい打撃を受けている。最初に事件が起きた当時にはイ・テイムがイェウォンに一方的に悪口を浴びせたものと伝えられ、結局は「一声浴びせた」イ・テイムが出演する放送2番組を自ら辞退したことで終わったように見えた。しかし、数日の間に状況は急展開し、今度はイェウォンの態度が集中的に非難された。

  • 「悪魔の編集」と「編集の妙味」の境界線
  • < (写真下左)イ・テイム、(写真下右)イェウォン >

再び整理すれば、イェウォンが一方的な暴言の犠牲者となったのではなく、事件が起きた際にはイェウォンの言動にも相当の問題があったのだが、これを最初に報道したメディアが実際の二人の会話の中の相当部分を省略して報道したことによりイ・テイムの一方的な暴言として描かれたという話だ。最近、当時の状況をそのまま見せる動画が公開され、まさに「悪魔の編集」にイ・テイムが行き過ぎた魔女狩りに遭ったのではないかという同情論が急激に広まっており、反対に「被害者」のように映っていたイェウォンについては無差別的な非難が巻き起こっている状況だ。

「悪魔の編集」とは放送プログラムにおいて出演者のキャラクターを、意図したひとつの姿に決めてそれだけを誇張して集中的に見せることを言う。放送の面白さのために編集が妙味を感じさせるという放送制作陣たちの抗弁があることもあるが、否定的に見れば特定者に拭うことのできない被害を与える可能性もある人権侵害の性格もある。特に、悪魔の編集はこれまで各種音楽オーディションプログラムにてたびたび起きていたが、あるプログラムでは出演者の履歴を欠落させて当事者を「嘘つき」というネチズンの攻撃の犠牲者にし、最近では女性ラッパーの登竜門として脚光を浴びているプログラムの出演者が自身のSNSに悪魔の編集を象徴するイメージを載せて放送制作陣に対する鋭い非難を表したこともある。

最近熱愛説が報道されたイ・ミンホとスジの場合にも「悪魔の編集」に遭ったケースだと見る視線もある。「二人がロンドンの同じホテルで2泊3日間一緒におり、忘れられない思い出を作った」という内容の報道により「扇情的な想像」を呼び起こしたが、その後イ・ミンホが自身の母親と姉が同行した写真を公開してこれ以上の憶測は出ることはなかった。

こうして悪魔の編集はある状況を故意に欠落させたり、意図的に特定部分だけを選んで見せることで被害者を量産している。当初放送の面白みのために試みされた「編集の妙味」とは質的に違う「犯罪的」性格の行為とも読み取れる。少し前に巻き起こったクララのメッセージ問題、『本物の男-女軍特集』にて泣き虫としてイメージが固められたカン・イェウォンの場合も程度の差はあるが「悪魔の編集」論難で自由にならない事例に挙げられる。「悪魔の編集」が相対的に弱者に属する芸能人の人生に与える影響について、大衆メディアに従事する人々すべてが警戒心を持たねばならない理由だ。

  • 「悪魔の編集」と「編集の妙味」の境界線
  • < 映画「二十歳」イ・ビョンホン監督 >

最近ヒットしている映画『二十歳』という映画がある。俳優イ・ビョンホンと同じ名前を持つ映画監督イ・ビョンホンの演出作だ。『過速スキャンダル』、『サニー』、『タチャ』などの脚色家として名前を知られているが、映画監督としてはあまり存在感のなかった彼がヒットを飛ばしている。

この映画では最近もっともホットなスターたちキム・ウビン、2PMイ・ジュノ、カン・ハヌルなどが出演しているのだが、彼らをどうやってキャスティングしたのかという質問に「自分が書いたシナリオが良かったので、俳優が自分からやると言って大変だった」という答えと共に俳優たちの反応を絶妙に加えて自身のフェイクドキュメント形式の映像を公開して話題を集めている。まさに「編集の妙味」を通じて好奇心と面白さを披露した「悪魔の編集」の真髄だ。「悪魔の編集」とは、こういうときに輝きを放つというもの。
  • Citylife第473号(15.04.14付)
  • 入力 2015-04-08 11:06:01




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