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カン・ハヌルの作品選択基準「変身-演技-ヒットでもなくシナリオ」


  • カン・ハヌルの作品選択基準「変身-演技-ヒットでもなくシナリオ」
「監督がこんな話をしてくださいました。親しい方々の間では私が多くの人から善良だと知られているけれど、『あの目は善良な目ではない』という話をされたんです。監督が初めて私と会ったときにも『目が悪そうだ』と仰いました(笑)」

俳優カン・ハヌルは善良なイメージを持つ。実際に「美談メーカー」という別名を持つほどに、彼を取り巻く美談も多く聞こえてくる。キム・テユン監督はそんなカン・ハヌルから違う姿を発見した。

今月8日、ソウル市鍾路区の某所でカン・ハヌルに会い、映画『再審』(監督キム・テユン、制作 OpusPictures)をテーマに話を交わした。彼はこの日「幸せに生きること」を最近の座右の銘だと明かし、俳優として演技について悩んだことを打ち明けた。

映画『再審』は韓国を揺るがした目撃者が殺人犯に入れ替わった事件を素材に崖っぷちに追い込まれた弁護士ジュニョンと殺人の濡れ衣を着せられて10年を刑務所で過ごしたヒョヌが再び真実を見つけるために苦労する現在進行形のヒューマンドラマだ。韓国を揺るがした実際の事件をモチーフに映画的な想像力を加えたストーリーテリングを披露する。『残酷な出勤』(2006)のキム・テユン監督がメガホンを取ってチョンウとカン・ハヌル、キム・ヘスク、イ・ドンフィなどが出演する。カン・ハヌルは目撃者から犯人になって刑務所で10年を失い、再び世界の外に出てきた青年ヒョヌ役を演じた。

『再審』のモチーフとなった薬村五差路殺人事件を探査報道番組を通じて接した彼は、今回映画のシナリオを読む前に出演するだろうという考えになるほどに多くの関心を持っていた。

「『ドンジュ』後ドラマ『月の恋人-歩歩驚心』序盤あたりで『再審』に出演することになりました。この事件(薬村五差路殺人事件)にとても関心があった視聴者でした。シナリオがその事件をモチーフに書かれたと聞いてから、読んでもいないのに出演するように思いました。台本が面白くて選択しました。「チェ君」として知られる実際の被害者と出会いました。現場に来てくれ話を交わしました。私はこの事件について言及しないようにしました。ふと飛び出てしまわないかと慎重になりながら、最大限日常的な対話だけを交わそうとしました。事件についてや、当時の感情を尋ねたり知っているように話せば生意気な話のように聞こえると思いました。その10年の中のたった数日も生きていない自分が、むやみに知っているようにしてはいけないと思いました。その方が別れるときにしっかり作って欲しいという応援と良い話をしてくださいました。『自分がどれだけしっかり作ることができるか』という考えが浮かび、答えを避けていたんです。返って、だからシナリオにだけ集中しようという気持ちでした。連絡先を交換したのですが、今度お酒でも一杯やろうと話しました」

彼は自分の演技を抽象化に比ゆした。『再審』が実際に殺人者の汚名を被り監獄で10年を過ごした人物の話を映画科したことについて、社会告発映画と見る視線があるが、映画を広報する過程ではヒューマンドラマを標榜した。

「私がメソッド演技をする人間ではありません。私はすべてを吸収するしっかりできた設計図というよりも、抽象化に近い。雰囲気で薪散らかすことが、私という人間としてカメラの前に見せるそんな方法を追求します。誰かが『責任感がなければ』、『役割と社会的波紋がなければいけないのではないか』と言うのであれば返す言葉がありません。私の務めは、文字で懸かれた物語を私の体でより解き解き多くの方々に面白く知らせることだと考えています。演技というものは、口演童話と同じではないでしょうか。実際に私が演技したものをまっすぐに見ることは難しいです。いつも心残りだけが見えるので。今回演じた役割において、何か責任感を感じたことも多くはありませんでした。すべての作品ごとにそうしてきましたが、台本に忠実にし、常に現場に忠実でありました。役割を作ることに必要な程度のみ準備します。モットーが『流れに流されて生きよう』です。過度に少なくもないようにします。イ・ジュンイク監督がこんな話をされました。『映画や演技にメッセージを込めた瞬間、それは暴力』だと。その言葉に同意するほうです。見る人は純粋に受け入れてくださり、私のように怒ったり残念だ、もしくは否定的な意見を出すこともできます。そんなことは我々が決定する問題ではなく、テキストをしっかり紹介することが私の目標です」

彼は『ドンジュ』を含むすべての作品について、自信を持ってイメージ変身、演技、ヒットなどの要素を考えて選んだ作品はないと話した。ただシナリオ一つだけを見ていくということだ。

「本質が何かによって変わってくると思います。今まで私が選んだ作品をどう見てくださるか分かりませんが、イメージ変身や演技をお見せしなければとか、ヒットを考えて選んだ作品はひとつもないと自信を持ってお話できます。シナリオが面白ければ十分です。私が『楽しく笑って楽しくやろう』という主義です。台本が面白ければ、どんな状況となっても楽しむようになります。面白く撮影できます。『ドンジュ』は低予算であったため携帯電話のライトを照明として使って撮影しました。そんなことがとても面白かった。面白く幸福に生きようと、私ができる演技をやります。『どうしてヒットに対する欲心がないのか』または『隠しているのか』という話を聞きますが、そうではありません。ヒットすれば良いですが、基本的に損益分岐点を越えれば良いなという気持ちはあります。損益分岐点を越えれば悲しむ人はいないと思います。ヒットについては、その程度の欲心だけです」

今回の映画でヒョヌ役を演じた彼は「演じたい他の役はなかったのか」という質問に、日々作品選定理由はシナリオであることを明かし、つねに自分に与えられた役割にも与えられた理由があると信じていると話した。

「『ミセン-未生』でもそうですし、どんな役割がきても作品が良ければ選択します。『ミセン』、『ドンジュ』、『ハッピーログイン』もそうですが、すべてそうです。『他の役割の中で何がしたいか』と質問されますが、答えることが難しいのはシナリオが面白くて参加しました。その役割を与えてくださった理由があるのではないでしょうか」

作品の中で殴られる場面が多い彼は、殴られるふりをする演技よりも実際に殴られることを選んだ。リアルなリアクションのためにこのような方法を選択した。殴られても雰囲気がでず、秀でた才能があるようだと笑いながら話したが、リアルな演技のために俳優としての演技欲心ではないだろうか。

「(演じるとき)殴られるほうが楽です。殴るふりだけすれば強さが分からないじゃないですか。行為を行う人間よりもリアクションする人間が楽です。実際に殴られました。どの作品でも実際に殴られることを望みました。殴られず、殴られたように見せなければならないのに、その演技ができないんです。触感が残るのが良いと思います。頬を殴られるシーンは、NGがたくさんでました。感情的に重要な部分でした。私が殴られても腫れないんです。赤くもなりません。監督もチョンウ兄さんも不思議がりました。扮装チームが来て『殴られなかったのか』と言うんです。秀でた才能ではないかと思います(笑)。返ってそんな(殴られるふりをする)演技が難しいといえます。悔しい役であるほどに、真っ直ぐに反応せねばなりません。悔しい役であるほどに、ややもすれば悔しく見えるように、そちらに行く場合があります。もう少し悔しく見せようとするよりも、その(シナリオ)の中から与えられ分だけをすることが良いと思います。わざとより表現してみると、何かぎくしゃくしてしまいます」

作品の中で全羅道の方言を使う彼は、自分の方言演技について心残りがあると打ち明けた。

「見ていても『もっとうまくやっていればどうだっただろう』という心残りがあります。全羅道に初めて接します。台詞を書いてくださると6~7人の全羅道出身の友人が全員違うバージョンで録音して送ってくれました。私のキャラクターに合ったトーンはどの程度か考えてやりました。努力はしたのですが、心残りは多く目につきます。群山、全州、光州の中で群山の方言がキャラクターに一番合っているようで選びました」

作品の中で感情が強い場面、つまり「場面のための場面」についての話がでるとカン・ハヌルは「シナリオ段階から監督と話をした部分」だと秘話を伝えた。

「シナリオ段階から監督と話していた部分でした。シナリオを見てストーリーの進展上必要な部分ではないかと思いました。尋ねてみると場面がいくつかありました。撮影しながら、実際は我々のことと同じことは分極することはないと思うようになりました。何かは必要なようでした。次の場面にのぼるための足場のようなものです。感情が高潮する場面は編集がどうなるか分からず、いくつかのバージョンで撮影しました。結果は監督の選択により作られるものです」

普段から親しかったチョンウとの演技はぎこちないというよりも、何度か試してみようという話を気楽にできたため楽だったと話した。

「返って本当に親しいので、いくつかの試みをたくさんやることができて楽です。少しでも距離のある人と演技をすれば、もっと試みようという話がうまく出ないでしょう。仲が悪い役割であれば、現場で目も合わさずにしますが、それも合った演技法だと考えています。親しければもっとそんな演技を楽にできます。頬を叩かれる場面で、テイクをたくさん撮りましたがチョンウ兄さんが集中しすぎて疲れて『俺を叩いてくれ』と言うんです。一度叩いたあとに兄さんの頬が腫れてしまい、それ以上は出来ませんでした」
  • シックニュース チェ・ジョンウン記者 / 写真=OpusPictures | (C) mk.co.kr
  • 入力 2017-02-12 09:00:00




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