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イ・ジェフン、「『I Can Speak』時間が過ぎても誇らしい映画になって欲しい」


  • イ・ジェフン、「『I Can Speak』時間が過ぎても誇らしい映画になって欲しい」
「『I Can Speak』は映画を見る楽しさ以上のものを持って帰ることができると保障したいですね」

今年6月、夏の始まりに映画『朴烈』という熱い作品で観客の好評を得た俳優イ・ジェフンがすっかり秋が来る前にまた再びスクリーンに帰ってくる。作品ごとに新しい挑戦で大衆に楽しさを提供した彼は、今回も前作とはまったく違う雰囲気を醸し出す映画『I Can Speak』でまた違ったキャラクターを見せてくれる。

9月7日、ソウル中区三清洞にてシックニュースと出会ったイ・ジェフンは、いつもと変わらない明るい笑顔を見せて映画について話してくれた。

「『朴烈』を撮影してまた撮影に入らねばならなかったため体力的にはつらかったのですが、この作品と出会って今の時期に必要な映画ではないかと考えました。この映画を作ったときに慰安婦被害女性たちに迷惑をかけず温かな慰労となると同時に、今後も映画を見ることになる世代にも影響を与える作品となればという考えになりました。映画に参加した俳優としてとても幸福で感謝しています」

『I Can Speak』は43年の年齢差を克服した女優ナ・ムンヒとイ・ジェフンの独特なケミで話題を集めた。予想もしなかった俳優ラインナップに新鮮さを感じる大衆とは違い、イ・ジェフンはシナリオを読んだ瞬間にウクブン役にナ・ムンヒを思い浮かべたと伝えた。

「何の情報もなくシナリオを見たのですが、2~3ページだけ見たときナ・ムンヒ先生が思い浮かびました。その他には代替できるほかの俳優が思いつきませんでした。これは絶対にナ・ムンヒ先生がやらないといけないと考えて会社の代表、制作会社側に話をしました。そちらもそう考えていると言うんです。なので必ず(ナ・ムンヒ先生に)なれば嬉しいという考えが切実でした」

イ・ジェフンは先立って進行された制作報告会、メディア試写会の場で「共にすることができ光栄だった」と重ねてナ・ムンヒに感謝の挨拶を伝えてきた。つねに正しくまっすぐな姿を見せてきたイ・ジェフンであったため、ナ・ムンヒもまた彼を実の息子、孫のように接して二人の温かな関係は映画の中でもそのまま描かれた。

「個人的に先生をとても尊敬してきました。ぼくが果たして先生の前で演技をしっかりできるかと怖くもありましたが、最初の台本リーディングの際に僕をとても歓迎してくださり、激励してくださり身の置き場がなかったんです。先生が僕を接しにくく見ていたら僕もどうしようもなかったでしょうが、僕を見つめる眼差しとお話ひとつひとつがとても温かかったので僕も武装解除されました。僕が先生に近寄って演技する部分でも僕なりの計画があったのですが、先生と演技するときにはそんなものが必要ありませんでした。ただ先生がされるジェスチャー、表現を見て聞けば内側で感じるんです。それを表現するだけでも十分でした。ウクブンの内情を知り修繕店を訪ねて『申し訳ありません』という台詞を言うときも、若者を代弁したい気持ちの悩みがあったのですが、先生を見た瞬間に(台詞が)出ました。それにとても驚きました」

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映画ではナ・ムンヒとイ・ジェフンだけでなく人物たちが描き出すいくつかの関係がみな愉快で愛らしい。多少苦しく重い素材になりかねない慰安婦被害者たちの話を感動的ながらも明るい雰囲気で描き出した映画はイ・ジェフンにも幸福な記憶として残った。

「最初にシナリオを読んだときは感動と重みがありましたが、その部分部分を満たしてくれる俳優たちとのアンサンブルを考えることができませんでした。撮影しながらそんなことが満たされたので映画がとても愛らしく期待できました。通常韓国映画が(慰安婦被害者のような)とてもつらく重く苦しい部分を正攻法で扱ったとしたら、この映画はもう少し迂回して気楽に接近でき映画を見たあとにいくつかの考えがより自然に湧き出るだろうと思います。共演した俳優とスタッフの調和がとてもよかったためにそうできたと思います。大きな雑音もなく、この作品においては良い思いでだけで一日一日を満たしていきました」

『朴烈』に続き『I Can Speak』まで、過去の日本植民地時代当時の日本人の蛮行を広く知らせる映画に続けて出演したイ・ジェフンの歩みからも分かるように、彼が作品を選ぶ際にもっとも重要視することは「意味と価値」だった。俳優個人の活躍よりは、演技を通じて作品を輝かせることが俳優イ・ジェフンの演技的価値観だった。

「以前には漠然とフィルモグラフィーが積みあがればもっと演技がうまい俳優になるだろうと考えました。けれど今では作品を選ぶことが今後の歩みに影響を与える可能性もあり、作品を見た人々について自ら責任を取らねばならないという考えまでするようになりました。作品を選ぶときに観客にどんな面白さまたはジャンル的な快感で接近できるのかと、時間が過ぎてから映画が取り出されたときの価値を先に考えます。それが自ら同意となるなら、そのキャラクターを演じられる合意となるんです。そうでなければキャラクターとして僕が何かを滲み出させたり演技力を発散できるということに対する接近は基本的にないと思います。俳優として作品を経験し、ある歴史的人物について話を接することで人間として正しい態度と姿勢までも反省することになります」

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そんな作品での経験は人間イ・ジェフンにも多くの変化をもたらした。

「前作もそうですし、今回の作品も世界を見る視覚が代わり周辺の人々をもっと考えるきっかけになったと思います。僕らが歴史的な痛みに対する事実はありますが、それが日常的に影響を与える部分がない方々が大多数なので、そんな話を自分のことのように考えはしないじゃないですか。けれどいざ考えて見れば近い周辺の人の中にそんな方々がいるとすればじっとできないだろうと思いました。僕も生きることは大変ですが、一緒に分かち合い(周辺の人々に)手を差し伸べて歩んでいければ、それが人間が生きる理由ではないかと思います」

イ・ジェフンは昨年ケーブルチャンネルtvN『明日あなたと』の撮影を皮切りに誰よりも忙しい活動を続けてきた。しかし休むときにも映画を見るほどに演技に対する情熱が他ならない彼は、すでに「良い作品と出会いたい」と明かした。

「精神的に消費が多いために休みたいという考えにもなりますが、良い作品を撮影して得るものが大きいと思います。そんなことが今後僕が演技をすることにおいて頼もしい力となるので、早く良い作品に出会いたいです」

最近、80年代光州での実話を描いた映画『タクシー運転手』は千万観客を突破しただけに、韓国のつらい歴史を扱ったという点から脈絡を同じにする『I Can Speak』に対する観客の期待もまた熱い。最後にイ・ジェフンは『I Can Speak』について「必要な映画となってくれれば」と映画への願いを伝えた。
  • シックニュース キム・ダウン記者 / 写真=リトルビッグピクチャーズ | (C) mk.co.kr
  • 入力 2017-09-10 09:47:00




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