A. | 下は順に武橋洞(ムギョドン)タコ炒め、春川(チュンチョン)タッカルビ、新堂洞(シンダンドン)トッポッキです。 結局、出された料理を半分も食べられずにタコ炒め店を出た苦い記憶もあります。 このような経験に照らして辛い味の種類を分けると、おいしい辛味とまずい辛味の両方に分けられます。 あまりにも主観的な分け方のようですって? そうですね。 辛味は、大きく分けて揮発性と不揮発性*に分けられます。揮発性は辛味が飛んでしまって長続きせず、不揮発性は辛いという感じがかなり長続きします。 ワサビ、マスタード、ニンニク、タマネギなどは揮発性の辛味を出し、唐辛子や生姜、胡椒などは、かなり長続きする不揮発性の辛味の食材です。唐辛子の下処理をする時より玉ねぎ下処理をする時に目が痛くなるのは、玉ねぎが揮発性の理由でもあります。 *クスノキから抽出した樟脳(Camper)とペパーミントエキスのメントールはカプサイシンとは違って冷点に作用して辛味を出します。 唐辛子とワサビを一緒に食べてみると2つの辛味の違いが、すぐに分かると思います。ワサビは舌の先がヒリヒリするというよりも、鼻がピリッとするような感じが強いです。 辛味を出す食材が揮発性か、不揮発性かで辛味も変わります。揮発性の辛味はヒリヒリして不揮発性はピリッとしてメントールのような辛味はスッキリした感じが加わります(ファハダ、화하다)**。 **「ファハダ」は純韓国語で口の中がヒリヒリしながらも涼しい感じを与えるという意味です。 このように分けてみましたが、食材によって辛味は非常に様々です。さきほど述べたようにワサビをたくさん食べると鼻先がジーンとして辛いニンニクを食べると胸が苦しくなります。 食材ごとに固有の辛味があるだけに、このような食材で作った料理も様々な味を出すことになります。 韓国人の辛い料理は、甘い辛味とさっぱりした辛味、コクのある辛味に区別できます。 甘い辛味はコチュジャンが代表的で、コチュジャンをたっぷり入れたトッポッキが甘い辛味のトップランナーになります。 テナガダコ鍋などの海鮮料理がさっぱりした辛味の範疇に入り、コクのあるおいしい辛味はタッカルビなどの肉類が該当します。 韓国とは違い、メキシコやタイの辛い料理やソースはピリ辛で純粋に辛いという感じだけだそうですが、筆者は食べたことがないので詳しい話は控えます。 辛味が好きな韓国人の味覚を狙う食品メーカー、飲食店のコックたちは、今も熱心に研究しています。彼らが研究している味の組み合わせは大体このようなものです。 塩味+辛味 甘み+辛味 コク+辛味 脂っこい味+辛味 苦味+辛味 酸味+辛味 さらには、このような味をすべて盛り込んで、しょっぱくて、甘くて、脂っこくて、コクのある辛味が演出できると思います。料理に自信のある方は 一度挑戦してみてください。最初からたくさんは作らないでください。 ただ一人で食べるくらい、少しだけです。 |