Q.韓国にも「おひとりさま」が通用しますか?

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A. これに関しては、通用するときもあれば、そうでないときがあると答えるしかありません。

その理由について説明しましょう。

まず、回答に先だって、別の質問「カムジャタンのカムジャはじゃがいもではない?」という質問から復習してみましょう。カムジャタンの店に行き、一人で注文すれば「カムジャタン」を出してくれとる書いていたでしょうか?答えはNoです。カムジャタンは、ほとんどの店で2人分以上注文しないと食べられません。一人で行くと、カムジャタンのかわりにピョウゴジタン(豚の背骨肉と大根の葉のスープ)のようなものを出してくれます。

ほとんどの店で一人前から注文できるニューは制限されています。あれこれ選んで食べられない理由が「一人だから」というのがまったく悲しいですよね。

多忙なときに一人で食堂に行くと、人目が気になるものです。

まぁ、ここまではなんとか耐えられるとしましょう。ひとしきり忙しいランチタイムに食堂に入ると、従業員の視線が気になるものです。さすがに客なので追い出されはしませんが、テーブルの上に料理を出す店員の動作ひとつひとつに怒りが表れているかのように見えることがあります。

そんな状況なので、作るのに時間のかかるメニューを注文すると、「今日は準備できていないので他のメニューを注文しろ」と言われるのを覚悟しなければなりません。その店で一番早く出てくる、店の奥ですでに大きな釜でぐつぐつと煮えているメニューを注文すれば、なんとか客として扱ってもらえます。

料理が運ばれて来たら、とにかく素早く食べなければならないので、いそいそと箸とスプーンをせわしく動かして食べます。もう料理が口に入っているのか鼻に入っているのかすら分からなくなってくるという状況。とにかく昼食を済ませたと店から出ても、その瞬間からまた空腹感を感じるようになるものです。

それなら、本格的に忙しい時間帯になる15~20分前に店に行くと歓迎されるでしょうか?いえいえ、とんでもない。店の主人の立場では、一人で来た客はほんとうに頭の痛い存在だといいます。なぜなら、客を迎えるためにテーブルに並べたおかずを、一人で来た客があれこれと手をつけると、また新しくおかずを並べなければならない手間が生じるからです。それだけでなく、一人できた客が4人テーブルに一人で座り、4人分のおかずに手をつけることになるのです。

立場を変えてみると、一人で来た客が歓迎されないのも当然のように思えませんか?

結局、一人でランチを食べたい時は、ランチタイムをずらして行くのが賢明です。空腹を我慢すれば、さらに食欲も促進され、さらに店の主人からも歓迎され、まさに一石二鳥ということです。忙しくて時間がずらせないという人は、その日のランチは諦めたほうがよさそうです。

けっきょく韓国で一人で食堂に行きづらい最も大きな理由は、店の「内部構造」にあるといえます。「おひとりさま」が通用する日本の食堂とは異なり、韓国の食堂は、おおむね4人テーブルが並んでいます。2人はもちろん、1人のときでも4人用テーブルに座って食べることになります。

店が一番込み合う時間帯には相席になる場合もありますが、知らない人と混じって同じテーブルで食べることにぎこちなさを感じるうえに、おかずを別途に同じテーブルに乗せることになりますのでテーブルの上がとても窮屈になってしまいます。

こういった内部構造のせいで日本の飲食店の「お一人さま」が韓国では通用しない大きな理由だといえます。

しかし、ここからが重要です。

韓国も今ではとても大きく変化しています。あえてカムジャタンを食べなくとも他の食べ物を食べるなら「おひとりさま」が完全に通用するところもあります。

まず「日式食堂」です。韓国で日本料理を出すところは食堂構造も日本のそれと似ています。一人でランチを食べる人は、日式食堂に行くのが便利でしょう。バーのようなカウンターに座って厨房長が出してくれる料理をおいしく食べればいいのです。

寿司を注文して本を読みながら一貫ずつつまんで食べる楽しみもなかなかです。しかし、ほとんどの日式食堂がかなり高いというのが問題です。貧しいサラリーマンが、一人で近所の食堂で食べるより2倍程度は高いということを覚悟しなければなりません。

お金がないなら、最近増え始めた日本の料理を出すフランチャイズを活用しましょう。すべての店舗がまったく同じ内部構造ではありませんが、最近、新しくオープンする店舗は、店内中央の空間に円形のテーブルを配置し、一人で来た客も気軽に食事ができるよう配慮しています。円形テーブルに4人が並んで座るというケースはほとんどありませんよね。まさに円形テーブルは「おひとりさま」に適したテーブルだといえます。

ところで、こういった日本料理のフランチャイズもサラリーマンのランチには若干高いほうに属します。財布事情が良くない場合は、ファーストフードをお勧めします。ロッテリア、マクドナルドなど、ほとんどのファーストフードが窓際の壁面に沿って長い座席を備えています。

一人で窓の外の通りを眺めながらハンバーガーをむしゃむしゃと食べるにはぴったりです。雨の降る日には気分が憂鬱になり、食べていたハンバーガーに涙が落ちることもありますので気を付けましょう。
  • Lim, Chul
  • 入力 2014-04-08 11:47:34

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