Q.韓国の朴槿惠政府が推進している「創造経済」とは何ですか?

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A.
ここ10年間で、世界的な人気をえた作品を挙げろと言われたら、躊躇せずにJ・K・ローリングの「ハリーポッターシリーズ」を挙げる人ががほとんどでしょう。

小説が翻訳されて出版されたとき、韓国でも関心を集めましたが、映画として作られた後は、本当に人気が天にも届くほどでした。本屋でハリー・ポッターを買おうとする人が列を作った程でしたから。

「ハリー・ポッター」は、単に本を読んで、映画を鑑賞するだけにとどまりませんでした。質の良い文化コンテンツは、自動車やコンピューター、半導体に劣らない収入を出すという経営講座が大挙して開催されました。文化系ではなく、経済界が受けた衝撃がより強かったのです。

経済新聞社らは、自ら進んで「ハリー・ポッター伝道師」の役割を務め始めました。論旨は簡単です。

「小説1本が貧しい母親はもちろん、英国をも金の座布団に座らせた」

もちろん、間違ってはいません。シリーズが完結するまでの9年間に、300兆ウォンを稼いだからです。

現韓国政府の主要経済政策である「創造経済」の前衛部隊格となる韓国コンテンツ振興院のベンチマーキング対象もハリー・ポッターです。創造経済は、一言で、ハリー・ポッターのようなヒット商品を作ろうという主張になります。

もちろん、韓国の文化産業がひどく落ちぶれているわけではありません。『宮廷女官チャングムの誓い』をはじめとする韓国ドラマが輸出船に乗りましたし、PSYは『江南スタイル』の1曲で、世界が認めるスターになりました。いくら卑下をしても、K-POPを広めた韓流スターがいるのは明らかな事実です。

現政府が創造経済の旗を掲げたのは、「私たちもできる」という自信が生まれた所産なのでしょうか。

それであれば、どれほど良いでしょうか。願ってもないですよね。

問題は、ドラマやテレビ番組、K-POP、ベンチャー企業が作った発明では、韓国人の未来は保証されないことにあります。

朴槿惠(パク・クネ)大統領は、放送通信委員会の幹部から『私は歌手だ』と『パパ、どこ行くの?』などの韓流コンテンツが中国で1~2位を争うという説明を聞いて、「見方を変えればとても簡単なことなのに、あまりにも難しく考えると答えが出ないのが創造経済ではないかという気がする」と言いました。

未来創造科学部の長官は、聴聞会で「創造経済の実現に貢献したい」と抱負を明らかにしましたが、創造経済の正体について問う議員の質問には、明快な回答を出せませんでした。

韓国政府の言う創造経済の概念は、「想像力と創造性を科学技術とIT技術と融合し、新たな産業システムと消費市場を作る」というものです。続いて、政府は9つの戦略産業と4つの基盤産業を打ち出しています。

9つの戦略産業とは、① 韓国が以前から競争力を持っているスマートカー、② 5G移動体通信、③ 深海底海洋プラント、④ 未来の新産業である知能形ロボット、⑤ ウェアラブル・スマートデバイス、⑥ 実感することのできるコンテンツ(ホログラムなど)、⑦ 公共の福祉分野におけるカスタムウェルネスケア(Wellness Care)、⑧ 災害安全管理スマートシステム、⑩ 再生可能(新再生)エネルギーハイブリッドシステムです。

4大基盤産業は、① 情報通信と材料科学の基礎となるインテリジェント半導体、② 融合・複合材料、③ インテリジェントIoT(モノのインターネット)、④ ビッグデータです。

これらは政府があえて打ち出さなくとも、企業が生き残るために苦労している分野です。サムスンとLGなどのIT技術を先導してきた韓国の大企業は、最初は政府の打ち出した施策に歓呼の声を上げましたが、政策の方向がベンチャー企業育成に向かって流れると、疎外感を感じたかもしれません。だからといって、創造経済を実践しているからと、韓国ではすでに巨大企業になってしまったサムスンの支援に政府が乗り出すわけにもいきません。

このような理由から、「中小企業振興公団」のホームページに載っても差支えのないような新製品が、政府が精魂を込めて作った「創造経済タウン」に安着しました。ここに記載されている製品を5大洋6大州に輸出することができるのだとしたら、創造経済が威力を発揮したと評価することができるでしょう。それでも、すでに金大中(キム・デジュン)政府時代にベンチャー企業を育成したことと差別化のポイントを置くことは難しいものです。

創造性は急かしたからといってと育成されるものではありません。政府のベンチマークの対象であるハリー・ポッターも、政府の支援のもとに書かれた本ではありません。ハリー・ポッターは12の出版社から拒絶通知を受けた後、初版でわずか500部のみ印刷されました。

この本の価値を評価した米国出版社の関係者がいなかったら、ハリー・ポッターの成功ストーリーは書かれていなかったかもしれません。韓国でも10万ドルを超える先印稅により他の出版社が躊躇している間、結婚準備金はいらないから著作権を買うように父親をせかした文学手帳の社長の娘が大ヒットの主人公になりました。

社会が変化を受け入れ、ダイナミックに回転するとき創造的な考えが湧き上がるように流れることでしょう。このような面から、韓国社会は改善する部分が多くあります。他の人々が行かない道を行こうとする人を応援する社会、既得権を放棄してでも変化に対応しようとする社会を作るのが創造経済の先決課題ではないかと思います。
  • Lim, Chul/写真=毎日経済
  • 入力 2015-04-08 09:00:00

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