Q.今回US女子オープンで優勝したチョン・インジ（田仁智）はどのような選手ですか？
| A. | ゴルフは一人でする試合だ。助けを与えることができる人は、キャディーだけだ。キャディーは距離や方向、グリーンの状態だけでなく、選手の心理的な安定まで引き受けなければならない。キャディーがすることは、ただ重いバッグを担いで歩き、選手にクラブを渡すことでは終わらないからこそ、賞金の10％以上を受け取ることになるのだろう。 ところが、1人でもなく、3人のファンクラブ会員たちがラウンドごとに交互にキャディバッグを担ぐというのは考えにくいことだ。もちろん韓国のゴルフ大会で初めて行われた、馴染みのない出来事だ。 2013年、チョン・インジが韓国女子オープンで優勝した後に作られたファンクラブの名称は「フライングダンボ」。ダンボ（Dumbo）はチョン・インジの笑顔が耳の大きなゾウの赤ちゃん「ダンボ」に似ているとファンがつけた愛称だ。 ダンボは初めてサーカスに出演する日、大きな耳のせいで笑いものになったが、ネズミの友人に会って勇気を得た後、大きな耳をはためかせて空を飛ぶことに成功したゾウだ。 フライングダンボ会員のうち、キャディに選ばれた3人は、キャディー教育まで受けてフィールドに出た。「アマチュアゴルファーがキャディーを務めるのは選手にとって危険だ」という、周囲の否定的な見方にもかかわらず、チョン・インジは「良い成績を出せなくても、ファンと良い思い出を作ることができれば、それで満足する」と述べた。 フライングダンボの会員は、このように積極的だ。韓国で女子ゴルフ大会が開かれるときにはフライングダンボの象徴である黄色い帽子が波のように押し寄せる。会員数はいつのまにか3千人をはるかに超えた。 もちろん、韓国女子ゴルファーのうち、ファンクラブのある選手はチョン・インジだけではない。キム・ヒョジュ、イ・ジョンミン、コ・ジニョンなど、人気選手の多くにファンクラブが結成されている。その中でも、フライングダンボは他のファンクラブも羨むほどの組織力を誇る。 昨年8月には、慶北の慶山市にあるゴルフ場でプレー中、18番グリーンに移動する間にファンクラブが誕生日の歌を歌ったりもした。ここまで来ればガールグループも羨ましくないというものだ。 チョン・インジが、ファンを集める秘訣は優れていた成績を出す美貌の選手ということにある。175センチのすらりとしたスタイルで笑う姿はファンをときめかせる。女性ゴルファーのスイングは大体にして美しいが、チョン・インジのスイングは水が流れるように優雅だ。 おそらく、日本にもチョン・インジのファンが少しはいるだろう。JLPGA女子のメジャー大会であるワールドレディスチャンピオンシップで優勝した当時、チョン・インジに対する嫌韓感情は登場していない。 この大会の3ラウンドが終わった後、JLPGAのホームページは「ゾウの赤ちゃんがあっという間に日本を占領するに違いない」とフォトギャラリーでフライングダンボというキャラクターが描かれたシャツと黄色帽子をかぶったファンが現れたと紹介した。 チョン・インジが現在、世界ランキング2位のリディア・コ、キム・ヒョジュ、キム・セヨン、ペク・キュジョンなどより出遅れているのは事実だ。デビュー初日にKLPGA最高の大会である韓国女子オープンで優勝したものの、後に優勝トロフィーを手にするまで停滞している間、競争相手が追い越して行ったせいだ。 しかし、今年、日本とアメリカのメジャー大会を席巻することにより、ゴルフの新しいアイドルとして急浮上するのは時間の問題と思われる。
1994年8月10日生まれ 韓国女子プロゴルフ協会で「最初は人見知りをするが、親しくなれば非常に活発になる。欲張りで、負けることがきらい」と自己紹介をしている。ゴルフ選手としては珍しく学生時代に数学の成績が良く、数学コンテストで入賞した経歴もある。高麗大社会体育学部に在学中で、試合がない日には学校に行ってしっかりと講義を聞くという。 |
- Lim, Chul
- 入力 2015-07-13 09:00:00
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