A. | ※この記事は「韓国で女性嫌悪に対抗するために作られた「メガリア」とはどんなサイトですか?(上)」の続きです。 韓国の男性を虫だと考えるサイト「メガリア」はマーズ(MERS)ウイルスと一緒に生まれました。マーズウイルスが韓国で猛威を振るった去る6月初め、DCインサイド(韓国最大のインターネットコミュニティ)には、この疾患に関する情報を共有するためのマーズギャラリー(ギャラリー=カテゴリ、スレ)が登場しました。マーズギャラリーがメガリアの前身であるわけです。 マーズギャラリーは登場してから間もなく、男性嫌悪の性格を持つようになりました。香港でマーズの症状を見せた韓国人女性2人が隔離措置を拒否したというニュースが伝えられたのが発端でした。外国で恥をかかせる女性に対して「遠征女」、「ショッピングに狂った女性」、「キムチニョ」など露骨な非難が殺到しました。 非難は当初の報道が間違っていたという訂正報道が出た後にも続き、ここに刺激を受けたマーズギャラリーの女性会員が女性嫌悪発言を吐き出すユーザーに「キムチナム」という反撃を加えながら、男女対決の様相を帯び始めました。 以降、DCインサイドで「キムチナム」を不適切な単語として指定する運営方針を立てると、女性嫌悪に反論する文章を書いていたマーズギャラリーの利用者が他のギャラリーへと移行、新しいサイトを作りながら定着しました。このサイトがメガリアです。 メガリアはマーズギャラリー(韓国でマーズはメルスと呼ばれる)と『イガリアの娘たち』という小説の名前を合わせて作った名称です。 『イガリアの娘たち』はフェミニズム運動家であるノルウェーの作家ガード・ブランテンバーグ(Gerd Brantenberg)が書いた、女性がすべてを支配する母系社会の世界を描いた作品です。 小説の中で、女性は活発であり、つらい仕事を主にして、男性は化粧をしてドレスのような服を着るなど着飾ることが好きです。また、女性は堂々と胸を露出しているが、男性は自分の下半身を包み込む下着を着用しなければならず、女性は通り過ぎる男性が着用した下着を見てこそこそと話します。たまに男性は女性に性的暴行をされたりもします。 サイト名にイガリアの娘たちの名前を借用したことからも分かるように、メガリア利用者の夢見る世界はイガリアの世界、女性が中心となって動く世界だと見ることもできます。ベスト投稿の中にある「ドイツ人男性と結婚するとこうなる」という文から、このような傾向をいくつか垣間見ることができます。 文ではなく、テレビ画面をキャプチャした写真を中心に構成されている記事を紹介すると、次の通りです。
男女がデートするとき、女性が1ウォンも使わないのは正当だという投稿もあります。同じ業種で同じ仕事をしながら女性の賃金が男性よりもはるかに少ないというのが書き手の主張する最初の理由です。男性からプレゼントをもらったりご飯をおごってもらって食べても、そもそも女性から搾取していったお金だという主張は、男性を完全に既得権層に分類しています。 韓国男性が結婚したい理由も人生の伴侶を見つけるというよりはお金のかからないセックスパートナーを求めたり、ご飯と洗濯をしてくれる女性を求める気持ちがリードしているという主張もたくさんあります。 もちろん、悪質な男性に暴行された例など、あえてメガリアでなくても公憤を招くような事情も紹介されています。 このような極端な事例で韓国男性全体を敵にしようという態度に対する批判も出ています。男性嫌悪の主張が非論理的であり、自分たちと志を同じくしない女性でさえ卑下して、嫌悪性の言語や写真を投稿するという批判です。 メガリアユーザーは現在、そのような批判を楽しむ面も見られます。批判が多いほど注目を集めて、男性嫌悪発言が注目を集めるほど女性嫌悪に関する文章も相対的に注目を集めると見ているようです。このような面でメガリアの激しい男性嫌悪発言は所期の目的を達成しているという評価もされています。メガリアの会員という無茶な誇りを持って、複数のサイトで男性嫌悪発言を書き込むことで団結した力を見せることに不安を感じる人もいます。 メガリアの利用者のうち、非常にまれに男性もいるようですが、ほとんどは女性のように見受けられます。メガリア側の主張では、会員は学生から会社員、主婦までと多様であり、平凡な生活を送る女性だそうですが、メガリア用語を使っていること事態が、まずは韓国社会の現実で平凡のカテゴリに入れるべきなのか、躊躇したりもします。 少なくない運営費はスポンサーが出す後援金で充当しているそうですが、メガリアの運営スタッフやスポンサーは、現在、表にあらわれていません。 |