A. | 「お疲れ様です」は韓国語で表すと「수고하세요(スゴハセヨ)」、「お疲れ様でした」は「수고하셨습니다(スゴハショッスムニダ」と表せます。 スゴ(수고)は手(수)+苦(고)で手が苦労するという意味の漢字のようだが、それではなく「仕事をして力を入れて苦労する、またはそのような困難」と似たような意味の純韓国語です。 発音が類似した愁苦(수고)という言葉は、非常に悲壮に聞こえるでしょう。とにかく汗を流して苦労するという意味です。 そのため若い人が年齢を重ねた大人たちに大変な仕事を押し付けるという話が通じるでしょうか? 「お母さん、お疲れ様です(수고하세요 / 直訳:苦労してください)」だなんて、冬の準備をするのに半死半生になるかのように仕事をする姑にもっと苦労しろだなんて、まあなんということか。 あくまでも言葉がそうだということでしょう。 結婚した女性が夫の家族に「スゴ(수고)」という言葉を切り出した時には、生意気な女性扱いを受けるでしょう。職場でも同様でしょう。退勤時間になれば1分も遅れずに退勤する末端社員が、上司の顔色を伺う先輩に「私、先に帰ります、お疲れ様です」とニコニコ笑えば、1発殴ってやりたい気持ちに自然となりますよね。 国立国語院では、「お疲れ様でした(수고하셨습니다)」という挨拶は同年代や目下の人に使い、目上の人に使わないように呼びかけているといいます。なぜこのような呼びかけまでするのでしょうか。大人たちが不快に思っても、「お疲れ様です」という言葉が非常に広まっているからでしょう。 あるインターネットコミュニティにはこんな文も上がったのです。 元々目上の人が目下の人に使う言葉ということは分かるが 既に使いたいだけ使って 標準語ではないだけであって、口に付いている状態なのに、 上下の区別なく 一生懸命仕事してください~このような意味ではない そういうのをもって、憤怒してうなれば怖い この文では「口についた状態」という表現に注目する必要がありますよね。成すがままに使ってみると、スゴ(수고)という言葉がとても自然に出てくるようになったという意味でしょう。映画やドラマを見ると、かっこいい先輩が席を立ちながら後輩たちに手を上げながら「スゴ(수고)!」と短く言葉は投げるのだが、非常にかっこよく見えるんですよ。 だから勝手に真似るようになるのでしょう。後輩たちが席を先に立てば、仕事が終わっていない先輩に「お疲れ様ですぅ(수고하세용 / スゴハセヨン)」と可愛さを振舞ったりもして。 ところが、留意しなければならないことの1つは、「お疲れ様です(수고하세요)」という言葉は、多分に命令口調(~하세요 / ~ハセヨ)だということです。目上の人が聞けば「一生懸命働いて!」と命令し、または強要する気分を感じさせる可能性があるということです。目上の人に「お疲れ様です」という言葉が失礼になる理由はここにあります。 ところが、目上の人は年齢順を問うのではないでしょう。お金持ちの家のお坊ちゃんが年齢を重ねた庭師に、「お疲れ様ですね(수고하시네요 / スゴハシネヨ)」という言葉、いくらでも使うことができますよね。タクシーを降りながら「おつりはとっておいてください、お疲れ様でした」と言っても構いません。だからといって、毎日顔を合わせる年齢を重ねた店主に「お疲れ様です」という言葉を口癖のように吐き出せば、「礼儀がない」というお叱りを聞くこともあるでしょう。 そうならば、「お疲れ様です」という言葉の代わりに使う適切な言葉は何があるだろうか。 職場で先に退勤する時は、 「先に立ちあがって申し訳ありません(먼저 일어나서 미안합니다 / モンジョ イロナソ ミアナムニダ)」と、こっくりとお辞儀をして終了。あえて残っている先輩に「お疲れ様です」という言葉を加える必要がありません。 近所の年配の店主に 今日も変わりなく牛乳1本を買い計算をするのが気の毒に思うなら 「たくさん買うことができなく、申し訳ありません」というと、店主がどれだけありがたいことか。 常連の食堂のおばさんなら 「おいしく食べて行きます。本当においしいです」で終わりです。 家庭の大人が一生懸命働くのに、席から離れる状況になれば、 「どうすればいいでしょう、私が残って手を加えなければいけないのに(어떻게 하죠, 제가 남아서 손을 보태 드려야 하는데)」程度なら、非常に素晴らしいですよね。 そうすれば、大人たちが「仕事はない、私がやるから、早く行きな」と言うだろうし、 ここで一言加えたいなら 「申し訳ありません(죄송해요 / チェソンヘヨ)」で終わり。 蛇足という言葉が何か知っているでしょう。無理に加えて駄目にすることです。「お疲れ様です」という言葉が蛇足です。 |