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食卓の脚が折れるくらいたくさん置かれたおかず。何から食べようか、箸を持ってからしばらく迷ってしまいます。もちろん自分が好きな物を食べればいいでしょう。 韓定食を一人で食べることはほとんどどなく、あのようにおかずが多いため、もし箸をつける前に他の人が先にすべて食べてしまった場合、「すみません、これをもう少し持ってきてくれませんか?」とお願いするのは少し恥ずかしいことです。 韓定食ととても似ている食べ物もあります。それはまさに家庭式定食(カジョンシッペクパン)。
おかずを置く場所が足りなくておかずの上に置いてあるのが見えますか。 韓定食と何が違うのですか?実は違う点は一つもありません。おかずを入れた器が値高い真鍮の器や陶磁器でないプラスチックの容器という点、それくらいです。もしかしたら一番重要な、味やおかずの種類で差が出ることもあります。値段が安いので、仕方がないことでしょう。 家庭式定食と言うので、韓国の家庭では普段からあのように食べるのですか?このような疑問を抱くでしょうが、絶対に違います。お金をたくさん持っている金持ちの家でもあのように異常なほど用意して食べる家はないでしょう。
結論から言えば韓定食はレストランだけで見れるメニューだと考えればいいです。 190世紀まで韓国では取り膳をしていませんでした。筆者も幼い頃、お父さんが別に食事を食べる姿を見て育ちました。両班(ヤンバン)の地域と呼ばれる慶北(キョンブク)安東(アンドン)では1980年代までは法事を行った後にお客さんに一膳ずつ用意したそうです。 おかずの種類は多くても9品*。大韓帝国になってからは朝鮮王が皇帝と呼ばれた後におかずが12品に増えましたが、それまでは9品でした。王様の食卓に準備されたおかずが9品なので、お金がいくら多くても士大夫が数十種類のおかずを用意して食べることはできなかったのでしょう。 * ご飯とスープ、キムチ、醤油は基本、数に入れません。おかずが5品ある5皿飯床(オチョプパンサン)にはチゲ、7皿飯床(チルチョプパンサン)には蒸し物が追加されます。 だから韓定食は現代になって出来た韓国料理と考えるのが正しいでしょう。事実、1960年代以前までは韓定食という言葉はありませんでした。料亭と呼ばれた妓生(キセン)の店が税金問題などでレストランとして看板を変えながら韓定食店が雨後の筍のように増え始めました。 1980年代中盤までしてもOO韓定食という看板を掲げたレストランは女性従業員が付き添って世話をし、何でもしてあげるような料理店でした。主に接待をして、接待を受ける人々が出入りした場所でした。 88ソウルオリンピックが終わってソウルの夜文化、接待文化の空間が江北(カンブク)の韓定食店から江南(カンナム)のルームサロンに移り始めました。だからどうしますか。お酒を売って、笑顔を売っていた韓定食店が名前はそのまま残り、料理だけを売る場所に変化したのです。そして今は家族や知り合いの集い、卒業や昇進などいいことがあった時におごるレストランとして位置を確立しました。 とにかく韓国の食文化ツアーをするならば韓定食店は寄ってみる価値はあるでしょう。置いたおかずで食卓の脚が折れる光景を世界のどの国で見れますか。しかし、孤独な美食家は韓定食を味わいにくいです。1人で来たお客さんを受け入れる韓定食店はないからです。 「キジの代わりに鶏」ということで家庭式定食を食べることはできますが、そういう場所はおかずの種類は多いのですが、実際に箸が進むほどの料理はあまりないというのが問題です。 |