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サムスン電子、ファウンドリ事業に20兆投資…台TSMCを追撃
サムスン電子の今回の投資決定は、ファウンドリ（半導体受託生産）市場で1位企業である台湾TMSCとの格差を縮めるとともに、米国との半導体同盟をさらに強固にするための目的として解釈される。 TSMCはすでに去る4月、今後3年間で1000億ドル（約120兆ウォン）をファウンドリ分野に投資すると明らかにした。
サムスン電子は今回の投資を通じて、100兆ウォンに達するファウンドリ市場での影響力をさらに拡大する計画だ。サムスン電子は現在、台湾のTSMCに続いて世界ファウンドリ市場でシェア2位を記録しているが、まだ1位との格差は大きい。市場調査機関のカウンターポイントによると、第2四半期を基準にしてTSMCのファウンドリ市場シェアは58％に達した。サムスン電子は2位を記録したが、シェアは14％にとどまった。
サムスン電子はファウンドリのシェア拡大に先立ち、マイクロプロセス技術力でまずはTMSCに確実な優位を確保するという戦略だ。来年上半期にサムスン電子は3㎚（ナノメートル／1㎚は10億分の1メートル）工程を導入する計画だ。これは来年下半期に3ナノメートル製品の量産に乗り出すと予想されるTSMCに比べて数ヶ月早い。現在、ファウンドリ業界ではTSMCとサムスン電子だけが10ナノメートル未満のマイクロプロセスが可能だと評価されている。
これによって業界ではサムスン電子が来年、米AMDや米クアルコムなどのファウンドリ事業の主要顧客であるファブレス（半導体設計業者）を、3ナノメートルプロセスの顧客社として確保できると見ている。 TMSCのアップル優先政策によって価格と条件などで不満がたまった企業が、サムスン電子に注文するだろうという見通しだ。
特にサムスン電子は業界初のナノシート構造を適用した「ゲートオールラウンド（GAA）」技術を3ナノプロセスに活用する予定だ。この技術は既存のFinFET基盤のプロセスに比べて性能と電力効率、設計の柔軟性などで先行するものと評価される。けっきょく技術力で優位を占めて顧客会を確保した後、新規ファウンドリ工場の建設を通じて生産量をさらに拡大するということがサムスン電子の戦略だ。業界ではサムスン電子の米国内の第2ファウンドリ工場に5ナノメートルプロセス以下の生産施設が入ると推定している。来年初めにサムスン電子がファウンドリ工場の着工に乗り出す場合、早ければ2024年には量産が可能と見られる。
ファウンドリ事業そのものの競争力強化に加え、今回の投資決定によってサムスン電子は米国とさらに粘り強い半導体同盟関係を確保できるものと見られる。米国は中国の半導体掘削を牽制するために自国中心のグローバル供給チェーン（GVC）の構築に乗り出している。米国半導体メーカーのインテル社がファウンドリ事業への再進出を宣言したことが代表的だ。インテルはファウンドリ技術力ではまだサムスン電子と競争にならないという評価だが、政府の支援を受けて積極的な投資の動きみを見せている。インテルは200億ドル（約24兆ウォン）を投入して米アリゾナ州に2ヶ所のファウンドリ工場を建設し、ニューメキシコ州の工場にも35億ドルを投資する計画だ。 TSMCも米アリゾナ州に120億ドルを投資して、ファウンドリ生産ラインを構築する計画だ。
このように競合他社が米国内の半導体生産ラインを拡大するなかで、米国はサムスン電子とSKハイニックスなどの国内企業を含む主要半導体メーカーに供給網関連の資料を要請した。半導体業界では米国政府のこの要求は、米国中心の半導体生産網計画に従わない場合は追加的な不利益をこうむる可能性があるという警告として受け入れている。また米国政府は最近、尖端プロセスに必須の極紫外線（EUV）露光装置の、中国内への搬入を禁止するという意思を再び明らかにした。けっきょく今回の投資はサムスン電子が米国の半導体供給網の確保に参加し、同盟関係を強固にしようとする措置と解釈される。
一方、サムスン電子は今回の投資を通じてテイラー市とテイラー市独立教育区、ウィリアムソン郡などの3ヶ所からインセンティブを受けることになる。先立ってウィリアムソン郡とテイラー市は去る9月、サムスン電子に対する税制の恩恵を承認した。
ウィリアムソン郡はサムスン電子が最初の10年間に納付する財産税の90％を払い戻し、その後10年間は85％を返すことを約束した。テイラー市も財産税の大半を払い戻すインセンティブ案を確定した。また米国半導体生産促進法（CHIPS for America Act）が議会を通過する場合、追加的な支援金も期待される。当該の法案は現在、下院の通過を待っている。- 毎日経済 | パク・チェヨン記者 | 入力 2021-11-22 11:53:43
