記事一覧

ニュース

数字経済

テクノロジー

コラム

ビューティー

カルチャー

エンタメ

旅行

韓国Q&A

新造語辞典

もっと! コリア (Motto! KOREA)
数字経済 > 総合

1台当たり19回の品質検査…魂込めた「ソウル」生産

    • < 22日、起亜自動車光州第1工場の従業員が車両の出庫を控えて最後の品質チェックをしている。 [写真提供=起亜自動車] >

    起亜自動車の準中型ボックスカー「ソウル(SOUL)」を生産する光州第1工場。自動車業界では比較的少ない人数の2000人余りが働く工場が17日、「お手柄」を立てた。高品質の日本車の教科書と呼ばれる九州のレクサス工場を抜いて、米国JDパワーが選定したアジア最優秀品質工場に選定されたのだ。1965年、起亜自動車の前身であるアジア自動車として始まったこの工場は、ちょうど半世紀ぶりにドイツ・日本の品質名家を破って立ち上がったのだ。起亜自動車だけの1等品質の魂(SOUL)を込めたおかげだ。

    車を作る工程は、プレス - ボディ - 塗装 - 組立 - 最終検車に分けられる。鉄板を切り(プレス)、これで車体を造った後、色を着せ(塗装)、組立てるのだ。電気自動車を含めて、一日平均600台のソウルを生産する起亜自動車光州第1工場でも当然これらの工程を経る。しかし、車体3回、塗装で2回、組立てで7回の検収を経た後、最終的な検車で再び7回の品質検査を経て、合計19回の検査に合格してこそ、はじめて車一台が出てくる。

    第1工場では、これも足りず、毎日一台ずつ車体をランダムに取り出し、3次元検査をする。まだ色をつけていない状態の車体を取り出してきて、スクリューが差し込まれる場所に正しく穴が開いているのか、電線が通るところはしっかり処理されたのかをコンピュータでいちいち確認するのだ。一台を検収するだけで、丸6時間がかかる。

    • < ソウルの年度別販売台数 >

    塗装工場の品質管理は、さらに一歩先を行く。車体にちり一つでもついていると、均一に塗料が塗布されていない場合があるため、工場内をまるで半導体工場のクリーンルーム(浮遊粒子状物質、空気の温湿度、室内の圧力などが一定に維持されるように制御された部屋)のようにしてある。

    最終検査場になると、再び驚くことがある。蛍光灯を数百個つけた明るい部屋で女性が検収を進めている。女性が珍しい自動車工場でこんなにも女性が多いところも初めてた。ソン・ギソン品質管理1部次長は「男性労働者が発見することのできない微細なものも女性が丁寧に確認するため、最終検査には必ず女性人材を活用している」と明らかにした。

    ソウルが最も多く売れる市場は、米国だ。このように検査を終えた車は、米国西部のシアトルを始めとして、東部のニュージャージー州まで5大港に運ばれていく。少なくとも15~20日ほど船で運ばれてきた車は、品質に変形が生じている可能性があるため、最低1年に4回以上第1工場の従業員が港に出ている。

    現場で荷役した車を再度見ながら、バッテリーに異常がないか、塩分の高い潮風に腐食されたところはないかいちいち直接調べた後、ディーラーに譲渡する。

    2006年、ソウルの最初の生産から、なんと9年間、最優秀工場賞を狙ってきたキム・スンチョル第1工場長(取締役)は、「光州第1工場がドイツや日本をおさえて立ち上がることができたのは、顧客の不満を即座に反映して処理したため」とし、品質1等の秘密を耳打ちした。日本の有名な自動車メーカーがリコールを認めずにいる間、起亜自動車の光州第1工場では、米国の荷役場で直接顧客からの苦情を聞いて光州に戻り、研究所とデザインチームに招集をかけた。「些細な顧客からの苦情も設計図面を広げて直すことのできる勇気が、今日の品質のソウルを作ってくれた」というのがキム工場長の説明だった。
  • 毎日経済 クァンジュ=ハン・イェギョン記者 | (C) mk.co.kr | 入力 2015-06-24 17:26:45