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ポスコ 、今や鉄よりも技術…「CEM」技術をドイツに輸出

    • < CEM工程と効率性 >

    ポスコが独自開発したCEM(Compact Endless casting and rolling Mill)技術を積極的に輸出するために、独のエンジニアリング会社であるSMS社とライセンスアウトの本契約を締結した。ポスコは今後、設備の受注に応じたロイヤルティを除く契約金だけで1000万ドル(約113億ウォン)を受けとり、ファイネックス(FINEX)新工法の中国輸出に続き、再び世界的な技術力を認められた。

    去る3日、ポスコはポスコセンターで独エンジニアリング会社のSMSグループと、CEM技術のライセンスアウトと共同マーケティングの本契約を締結した。 5月末、独デュッセルドルフでライセンス契約締結のための基本合意書に署名したが、1ヵ月あまりで本契約が結ばれたものだ。

    ある鉄鋼業界の関係者は、「製鉄工程の効率化設備に対するライセンスアウトで、ドイツ有数の専門設備メーカーから契約金1000万ドルと、今後の受注に応じたランニングロイヤルティ(2~5%)を約束されたことはかなり異例」だとし、「全世界に新設されたり改・補修する製鉄所にCEM技術の輸出が大幅に増えるだろう」と説明した。

    ポスコは以後、受注するすべてのプロジェクトに対して核心設備を供給し、ポスコ建設とポスコICTが建設に参与することで、技術ロイヤリティ収益に加えてグループ収益性の改善にかなりよい助けになるものと思われる。

    CEM技術は「世界で最も生産性の高い製鉄所」と呼ばれる光陽製鉄所で、2009年5月から実際に稼動しているポスコだけの独自技術だ。 CEM工程の核心は、高温の溶鉄を冷まさずに一気にコイルとして作り出す技術だ。従来は銑鉄の形態から溶鋼をスラブに作り、常温まで冷まして倉庫にきちんと積み重ねたが、再び圧延行程に持って行って1200度まで再加熱して、大型ロールで押し出してコイルを造った。

    ポスコの技術者は、「スラブ冷却→倉庫保管→圧延行程への移動→再加熱」という中間工程をなくし、銑鉄からすぐコイルが出てくる「夢のプロセス」に挑戦した。問題はスラブを作る連鋳(連続鋳造)工程の作業速度だった。連鋳工程から出るスラブは毎分1.5~2メートル程度に過ぎなかったが、圧延工程の大型ローリングマシンは毎分6~7メートルでコイルを生産したからだ。スラブをたくさん作って積んでおき、圧延工場に持っていく理由だった。

    しかし、ポスコは1996年にミニミル(mini-mill)設備を生産して、連鋳工程の速度を毎分4.5~5メートルにまで引き上げたし、2009年に開発した高速連鋳機の作業速度は毎分6.5~8メートルにまで高まり、CEM工程が現実化した。

    結果は驚くべきものだった。連鋳圧延過程で消費されるエネルギーの40~50%が削減されたし、二酸化炭素の排出量も15%減少した。工場を新たに建設するときは、用地の面積は従来の半分で十分だったし、初期設備の投資費用も15%減少した。

    また、銑鉄が連続してコイルに造られるCEM工程の特性上、スラブを再加熱するときのスラブ端からできていた、これまでのプロセスの慢性的な品質不良がすっきりと解決された。製鉄業界で最高の難度として選ばれる、「薄い鉄板」を均一に抜き出す技術が急速に成長したのもこのためだ。

    権五俊(クォン・オジュン)ポスコ会長は、「CEM技術はポスコが基本コンセプト構想から研究開発を重ね、成功裏に開発した新しい鉄鋼製造プロセスで、SMSグループのエンジニアリング技術力とマーケティングが加わったなら、波及力が拡大すると期待している」と語った。

    CEM技術はこのような強みをもとに、中国の重慶鋼鉄との合弁会社として作られたファイネックス一貫製鉄所にも導入される見込みだ。
  • 毎日経済_チョン・ボムジュ記者 | (C) mk.co.kr | 入力 2015-07-09 17:32:10