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化粧品分野で中国による韓国の人材引き抜きが深刻な水準に

    △写真=アモーレパシフィックのエアクッション(左)と中国の偽物製品チュランタン(自然堂)のエアクッションBBコンパクト。見かけ上では区分しにくい。[写真=アモーレパシフィック提供、チモールキャプチャ]

    自動車と半導体に続き、韓国の「次世代キャッシュカウ(現金創出商品)」として注目されている化粧品の分野でも、中国側の韓国の人材引き抜きが深刻な水準であることが分かった。また、Kビューティーの看板商品であるクッション化粧品などをほぼ同じように真似した「中国産ニセモノ化粧品」も現地のオンラインショッピングモールなどに氾濫し、国際訴訟戦に飛び火するきざしさえ見せている。

    25日、化粧品業界によると最近、国内化粧品メーカーの専門研究人材のうちの相当数が、億台の年俸を得て中国メーカーに離脱したと伝えられた。人材の引き抜きは国内の大手企業と中小企業、製造者の開発製造(ODM)メーカーを選ばず広範囲に現れている。

    特に10年目前後の課長級の責任研究員と、まもなく隠退を控えた50代役員の中国行きが主をなしていることが分かった。

    化粧品業界の関係者は、「中国政府が美容産業の育成に本格的に乗り出すやいなや、各現地企業が資金力を踏み台に国内年俸に比べて2~3倍まで膨らんでいるのが実情」だとし、「さらには京畿道近くに家と研究所を建ててやるから技術を移転してくれと提案したところもある」と打ち明けた。

    Kビューティの最大市場である中国で、むしろ現地企業の逆襲が始まったわけだ。専門家は過去の自動車や半導体でもそうだったように、韓国製品の消費段階を越えて、人材の引き抜きと製品コピーを通じた「韓国に追いつけ」に本格的に乗り出したと見ている。

    製品コピーも度を超えたという指摘だ。アモーレパシフィックが特許を出願して作った「クッション化粧品」は、アリババチモールに上がっているニセ物だけで数千件に達する。問題は「中国産ニセ物」といえばいい加減に作って失笑をかもした過去とは変わったということだ。最近ではパッケージングなどをほぼ同じように作り、本物とほぼ同じ3万~4万ウォン台の価格をつけた製品まで出している。

    アモーレパシフィックの関係者は、「中国から出てくる製品は見かけはもっともらしいかもしれないが、品質では比較が不可能なレベルだと思う」としながらも、数年以内の技術追従の可能性に緊張を緩めずにいる。

    200あまりの会員社を抱える大韓化粧品協会のチャン・ジュンギ常務は、「来月、特許庁の支援を受けて中国に現地調査団を派遣して、国産化粧品のコピーの実態調査を行い、化粧品人材流出の現状把握と対策準備にも乗り出す計画だ」と語った。

    最近、韓国の大手化粧品メーカーの10年目前後の研究者の間では中国がだんぜん話題だ。中国の化粧品会社から、心を惹かれるスカウトの提案が途切れずに入って来るわけだ。ある化粧品メーカーの研究者は、「年俸1億ウォンにインセンティブ、別に車まで提案を受けたという話がとびかっている」とし、「金も重要だがどこで仕事するのかがもっと重要でまだ移る考えはないが、同僚の何人かは実際に離職を選んだ」と打ち明けた。

    別の会社の製品研究開発チームで働くある研究者は、「韓国の化粧品会社はそもそもケースをうまく作るが、中国でもデザイン能力などを欲しがるようだ」とし、「20年目以上の高級人材は、年俸が3億~4億ウォンまで膨らむと聞いている」と語った。

    高級人材の求人難は国内化粧品業界でも深刻だ。韓国の化粧品会社を率いる彼らは化学工学科の出身で、国内あるいは米国やフランスの化粧品会社で経験を積んだ人材だ。

    最近、中国のローカル化粧品会社が雨後の筍のように生まれて、彼らを高額年俸と各種の福利厚生を掲げてスカウトし、技術を抜き取ろうとする動きが感知されている。化粧品業界の関係者は、「よく業界1.5世代と呼ばれる、40代後半~50代前半のベテランまでが最近揺れている」とし、「隠退に対する恐れが大きいうえに、いまが子供の教育などに金がたくさんかかる歳なので誘惑を感じるはずだ」と語った。

    問題は、彼らが韓国の美容産業を牽引してきた各種の技術を直接開発した主役であるうえに、この業界に対する理解度が高く、中国企業に移動する場合には韓国の国内産業に相当な打撃を与えうるという点だ。

    これに加えて、韓国製品をそのままコピーして売る中国メーカーまで雨後の竹の子のよう生まれている。実際、韓国人も気に入っているアリババチモールなどのオンラインショッピングモールでは、アモーレパシフィックが独自開発して特許を持っている「クッション」の偽物製品が数え切れないほど出まわっている。

    中国の「プロリヤ」が「スノーホワイトクッション」を今年3月に出荷してチモールて売っており、チュランタン(自然堂)というブランドは、「エアクッションBBコンパクト」という名前の製品を出した。そもそも名前から同じようにコピーするわけだ。

    とうとう韓国のロードショップ化粧品ブランドであるトニーモリー (TONYMOLY)は、中国企業を相手に訴訟を検討している。中国で最も人気のある果実の形状のパッケージに収められたハンドクリームなどを、ある中国の化粧品メーカーがそのままコピーして出したからだ。韓国で人気のテレビ番組『ランニングマン』で進めたPPL(間接広告)のキャプチャ画像まで使い、まるで自社の製品のように虚偽宣伝を行うほどに程度は深刻だ。

    トニーモリーの関係者は、「中国でワッスンズ2000店舗に主力として出した『ファン(Fun)』ラインの製品に対するコピーが度を超えており、訴訟を検討中」だとし、「多くの金をかけても、中国現地のメディアチャンネルを介してわれわれがオリジナル製品だという点を知らせる方途しかない」と訴えた。
  • 毎日経済_パク・イネ記者/チョ・ソンホ記者/パク・ウンジン記者 | (C) mk.co.kr | 入力 2015-09-25 14:39:34