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韓国電力とLS電線、超伝導ケーブル商用化に成功

    • < 超電導ケーブル内部構造 >

    韓国電力とLS電線は「夢の送電網」と呼ばれる超伝導ケーブルを商用化することに成功した。超伝導ケーブルは、これまでいくつかの電力先進国で国策課題として開発されたが、民間業者で商品化したのは今回が初めてだ。世界初の超伝導ケーブルの商用化プロジェクトは、京畿道のシンガル変電所・フンドク変電所間1キロメートル区間で行われる。

    韓国電力は来る11月、超電導ケーブルの納品に対する公開入札を開き、12月に供給契約を終わらせるという計画だ。 2001年から14年間、韓国電力と超伝導ケーブルを共同開発してきたLS電線が、納品業者として選定されることが確実視されている。来年1月から超電導ケーブルの設置工事に入り、2017年6月に完成する計画だ。超伝導ケーブルは、氷点下196度まで温度を下げた真空状態でセラミック素材の超伝導線材を入れた、送電損失のほとんどない状態で電気を流す最尖端送電網だ。国内メーカーは欧州と日本の電力会社に比べて10年ほど遅れて超伝導市場に飛び込んだが、LS電線は2004年に世界で4番めに超伝導ケーブルの開発に成功し、技術力を認められた。

    ドイツ西部の工業都市エッセンでは、昨年4月に1キロメートルの距離の都心変電所2ヶ所を超伝導ケーブルで接続したが、これは半分は政府支援を受けた国策課題だった。ドイツでは1キロメートルに200億ウォン程度の費用がかかるが、国内メーカーは同じレベルの工事を120億ウォン程度で行えることが分かった。

    電力業界最大の難題の一つは、送電中に消える電気をどのように最小化するかだ。

    国内で電気送電中に失われる電力量は4~5%程度だ。年間1兆2000億ウォンを超える電気が消えているわけだ。世界最大のエネルギー消費国である米国は、一年の発電量の6%が送電過程で失われ、金に換算すると200億ドル(約22兆ウォン)に達する。このような悩みを吹き飛ばしてくれるのが超伝導ケーブルだ。価格は高価だが、銅線に比べて電力損失は20分の1に過ぎないからだ。

    超伝導ケーブルははるかに低い電圧でも5~10倍の電流を流すことができ、今後は変電所と送電塔をなくすことができる代替手段としても挙げられる。

    超伝導ケーブルは、△セラミックなどの超伝導物質で作られた電線、△極低温状態を維持する氷点下196度の液体窒素、△以上の電流を流してケーブルの形態を維持する銅芯で構成されている。

    超伝導ケーブルは、電力使用量が急速に増えているが既存のケーブルが飽和状態の大都市を中心に需要が拡大する見込みだ。既存の地下ケーブルを超電導ケーブルに交換する場合、追加の土木工事なしで送電量を大幅に増やすことができるからだ。電力業界では超伝導ケーブルの市場が2020年以降に急成長し、数十兆ウォン規模に拡大すると見ている。
  • 毎日経済_チョン・ボムジュ記者 | (C) mk.co.kr | 入力 2015-10-09 05:51:07