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同和薬品・CJヘルスケアなど、オープンイノベーション通じて協力拡大

製薬各社、「新薬パイプライン」確保で戦争 

    サノフィ社がソウル大・韓国科学技術院(KAIST)の研究チームと抗癌免疫細胞治療剤のプラットフォーム開発のための共同研究協約を結んだことに続き、多国籍製薬会社のジョンソン・アンド・ジョンソン(J&J)社も、共同研究を進める国内の研究機関を物色している。

    汎部処新薬開発事業団の関係者は8日、「ジョンソン・アンド・ジョンソンが第2型糖尿病の新薬を開発する国内研究機関を探している」とし、「共同研究開発(R&D)を行う国内の研究所やバイオベンチャーが確定されると、ジョンソン・エンド・ジョンソンは直接投資する計画だ」と語った。これは韓美(ハンミ)薬品の技術輸出以後、国内のバイオ・製薬技術に対して高まったグローバル製薬会社の関心を反映している。

    多国籍製薬会社だけが国内のバイオベンチャーや基礎研究機関に関心を持つわけではない。国内の各製薬会社も新薬パイプラインの確保という次元で、バイオベンチャーや大学研究室などとの協力を強化している。

    同和(トンファ)薬品は昨年12月、亜洲大医療院とRIP3バイオマーカーを活用した抗ガン剤の開発技術の移転と共同開発協約を締結した。 RIP3バイオマーカーは、ガン患者の細胞死滅の核心遺伝子であるRIP3タンパク質の発現を抑制する技術だ。したがってこの技術を抗ガン剤に適用すると、抗ガン剤治療の効率と患者の回復速度が早くなることがありうる。トンファ薬品はこの技術を活用して、乳癌治療剤を開発する計画だ。トンファ薬品の関係者は、「肺ガンや大腸ガンなど、領域を拡張する計画」だとし、「パイプライン確保という次元で、バイオベンチャーとのコラボレーションも推進していく」と明らかにした。

    CJヘルスケアと富光(プグァン)薬品はオープンイノベーションのイベントまで開き、コラボレーションパートナーを探している。 CJヘルスケアは昨年11月、国内のバイオベンチャー企業を対象に「R&Dオープンフォーラム」を開催した。これには国内48種のベンチャー企業の新薬と、138種のバイオ医薬品分野の研究開発課題が発表された。 CJヘルスケアはこのうち6つの企業の研究成果を選択した。 CJヘルスケアの関係者は、「現在6つのバイオベンチャーと技術導入のための議論を活発に進めている」と語った。

    国内製薬業界のリード企業である柳韓(ユハン)洋行は、昨年末の人事でナム・スヨン研究所長を専務に昇進させた。ナム所長は製薬業界で、オープンイノベーションに対する認識が最も明確な研究者として評価される。したがって昨年、バイオ企業のジェネクシン(Genexine)社とバイオニア(Bioneer)社の両方に300億ウォンの株式投資を行ったユハン洋行は、今年は外部との協力をさらに強化するものと予想される。

    何よりも最も注目されるのはハンミ薬品の動きだ。ハンミ薬品のイ・グァンスン代表は昨年12月の毎日経済新聞とのインタビューで、「技術輸出で確保した資金のうち、相当部分を新しいパイプラインの確保に使う計画」だと明らかにした。新しいパイプラインを確保する方法は独自研究開発の強化なのか、外部の研究機関やバイオベンチャーとの協力の強化か、有望なバイオベンチャーの買収・合併なのかは明らかにしなかった。

    しかし、証券業界ではハンミ薬品が買収・合併を通じて技術確保に乗り出すと予想している。大熊(テウン)製薬でハンオールバイオファーマ(HANALL BIOPHARMA)社の買収を主導したキム・ジェシク副社長を、昨年末にハンミ薬品が最高財務責任者(CFO)として迎え入れたことがこのような見通しを生んでいる背景だ。

    これに対してハンミ薬品の関係者は、「オープン・イノベーションなどを通じて新しいパイプラインの確保に乗り出すつもりだが、その方法が何になるかは決まっていない」と語った。

    国内の各製薬会社はバイオベンチャーなどとの協力を強化しているが、これが真のオープン・イノベーションになるためには認識を変えなければならないと、バイオ業界は注文した。製薬会社やバイオベンチャーとの関係を「甲乙(カブル)関係」と見る認識を変えなければならず、何よりも技術の価値を正しく評価してほしいというわけだ。

    板橋(パンギョ)に位置するあるバイオ企業の関係者は、「国内の製薬会社と新薬候補物質の技術移転の交渉を行ったが、バイオベンチャーを下請け業者のように対応し、交渉をあきらめた」とし、「このような認識の枠組みから抜け出せなければ、オープン・イノベーションも一時の流行にととまるだろう」と語った。
  • 毎日経済_キム・ギチョル記者 | (C) mk.co.kr | 入力 2016-01-08 16:01:31