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衰退するソーシャル「黄金の卵を産むアヒル」から「みにくいアヒル」へ

    • フェイスブックなどソーシャルの人気が衰えている。写真はナスダックに上場したフェイスブックの株価下落を知らせる電光掲示板<毎経DB>

    46%・19%

    去る4月11日(現地時間)、米国ナスダックに上場したツイッターとフェイスブックの高点対比株価下落率だ。世界的なSNS(ソーシャルネットワークサービス)熱風を引き起こしたふたつのサービスであるだけに、市場の衝撃は大きかった。彼らのおかげでナスダック技術株全体のバブル論難まで広がる様相だ。SNSだけではない。世界的なソーシャルゲーム業者のジンガ(Zynga)は、すでに去る2012年7月、アーニングショックにより株価が40%も急落した後、未だにこれといった反騰ができずにいる。ソーシャルコマース元祖格の「グルーポン」も去る2月、市場展望値に満たない実績を発表し、株価が12%近く下落した。それこそ「ソーシャル受難時代」だ。

    「ソーシャル」という名前をつけたサービスが米国で活性化し、1~3年後に韓国で人気を集めたという点で、ソーシャル受難の「国内上陸」が秒読みだという観測も提起される。一時期、「黄金の卵を産む単語」とされていた「ソーシャル」は、このまま落ち込むのだろうか。

    ソーシャルネットワークサービス(SNS)

    ツイッターとフェイスブックに代表されるSNSは、ソーシャルサービスの「長兄」格だ。これらが初めて登場した時、世界は熱狂した。迅速で便利な意志疎通・知人たちとの親密性向上などが人気要因だった。

    しかしいつからか、ふたつのサービスの人気は徐々に下落の勢いに差しかかった。

    4月13日、オランダのツイッター分析業者「トゥープチャート(Twopcharts)」が全世界のツイッター加入者を分析した結果、登録されたアカウント9億7400万個のうち、44%に達する4億2856万個のアカウントが休眠状態であることが分かった。これらは、さいきん一ヶ月間「ツイート」はもちろん、リツイートも伝送したことがない。残り30%は10個以下のツイートを伝送し、100個以上のツイートを伝送する実使用者は13%程度に過ぎなかった。これは去る年末、ツイッターが明らかにした月間実使用者数の2億4100万人の半分の水準だ。

    フェイスブックも先進国を中心に利用者数が持続的に減少する傾向だ。SNS統計サイト「ソーシャルベーカーズ」によると、米国と英国のフェイスブック利用者数は、2013年上半期にそれぞれ860万人、200万人が減ったことが分かった。

    米国ではすでにトレンドに敏感な年齢代の10代を中心に、「インスタグラム」「スナップチャット」「ワッツアップ」などのメッセンジャーアプリに移って行った状況だ。もちろん、最近インドで利用者数が1億人を突破するなど、新興国では依然として急勾配の成長の勢いを続けているが、フェイスブックを最も先に接した米国と英国で、利用者数が減少し始めたという事実は意味深長だ。サービスが遅くに普及した新興国でも今後、同じ前轍を踏むかもしれないからだ。

    専門家はSNS衰退の最も大きな原因として「疲労感」を挙げた。基本的に「友達探し」と「招待」を続けて勧める方式のSNSは、初期には新鮮な経験を提供するが、過度な開放性と浅い関係から来る疲労感のせいで、すぐに飽きてしまうということだ。

    高麗大学社会学科のキム・ムンジョ教授は、「SNSは便りと情報交流は役立つが、人の深い内情を表現するにはあまりにも軽い媒体だ。真正な親密性は深い話をやり取りしてこそ生じるが、SNSはこのような要求を充足できずにいる」と説明した。

    ソーシャルゲーム

    ソーシャルゲームも全盛期が過ぎた姿だ。

    業界によると、昨年初めまでは「エニパン」「ドラゴンフライト」など人気モバイルゲームの一日接続者数は1000万人を易しく越えた。しかし、最近では最も人気のゲームも大抵のことでは100万人を越えにくいと知らされた。

    ユーザーが離れるなり、ソーシャルゲーム業界も対応戦略を変えた。ゲームを楽しむにはこれまでには知人と「ハート(ゲーム利用権)」をやり取りしなければならなかったが、今ではログインさえよくすればいいように条件を緩和したということだ。例えば「エニパン」は知人からハートをもらえないと30分待たなければならなかったが、「エニパン2」にはそのような条件がない。「みんなのマーブル」もこれまでには有料だった「ダイヤ」と「ゴールド」を、今ではログインだけしても数十~数千個ずつやたらにくれる。知人にゲームを勧めるソーシャル機能に頼っていると、なんとか残ったユーザーでさえ離れるかもしれないという危機感からだ。

    ソーシャルゲームの衰退原因は2種類に要約される。

    1番目は、やはり開放性による疲労感だ。知人のゲーム成績が親しい友達だけでなく、不特定多数に露出される点、ゲームをするたびに望まない相手と実力を比較される点、そして、ともすれば飛んでくるスパムメッセージ水準の「ハート」に嫌気がさすという分析。元祖ソーシャルゲーム業者「ジンガ」のゲームデザイナー、スコット・ジョン・シーゲル氏は、「今では多くの人が"フェイスブックゲーム"といえば"迷惑ごみ"という言葉と同一視する」と語った。

    2番目は、粗悪なゲーム完成度に対する不満だ。ソーシャルゲームは、老若男女が楽しめなければならないという特性のために、あまりにも難しかったり複雑につくるとだめだ。ゲーム時間も適当に短くなければならない。パズル類・ランニング類など単純なカジュアルゲームが主を成すようになった背景だ。市場がこのようであるため、ゲームを本当に楽しむ愛好家は、むしろ一人で楽しんでも「面白い」ゲームを求め、離れるようになった。1000万ダウンロードを越えたモバイルゲーム流通会社の関係者は、「ソーシャルゲーム初期に、ユーザーはゲームの完成度よりは順位競争など、友達とゲームをともに楽しむという事実にさらに興味を感じた。しかし、最近はRPG(ロールプレイングゲーム)などゲームのジャンルが多辺化し、単純な点数競争よりゲーム自体の完成度にさらに集中するようだ。ソーシャル機能が弱くなり、ゲーム自体を楽しむ側に変わったということ」だと説明した。

    ソーシャルコマース・ソーシャル分析

    世界最大のソーシャルコマース業者であるグルーポンも、事勢が以前のようでない。カナダ投資銀行「RBCキャピタルマーケット」は去る2月、グルーポンに対し「市場収益率もついていけないだろう」とし、目標株価をこれまでの11ドルから7ドルに大幅に落とした。去る2011年に上場したグルーポンの公募価格は20ドルだった。

    ソーシャルコマースは事実、「ソーシャル」という名前がついたサービスのうち、最も先にソーシャル機能を失ったものと評価される。「共同購入」の割合がめっきり低くなったからだ。

    国内のあるソーシャルコマース関係者は、「米国でグルーポンが初めて登場した時、限定された時間内に数名が共同購入する形態でディールが進行されたため、SNSの役割が重要だった。販売商品も主に特定地域の商店で使う価値のあるクーポンがほとんどだった」とし、「しかし、規模が大きくなりながら最近は販売期間も平均1週間に増え、配送商品中心なので"ソーシャル"の意味がかなり退色した。事実上、"ソーシャルコマース"よりは"キュレーションコマース(商品を提案するサービス)に近い」と伝えた。

    SNSに上がってきた文章を分析し、世論を読むソーシャル分析サービスも徐々にバブルがあらわになる雰囲気だ。

    ソーシャル分析はSNS熱風に乗り、革新的な需要予測技法として脚光を受けた。しかし、最近は分析基盤になるSNS利用率自体が低調になったうえに、ビッグデータ技術の限界により、正確性が期待に満たないという評価だ。去る2012年12月、18代大統領選挙当時、大統領当選人を当てられなかったのが代表的な例だ。オンライン上の世論だけ集計したため、インターネットと親しくない中・壮年層と沈黙する若い保守など「隠れた世論」を読み取れなかったということだ。

    グローバルビッグデータ業者の高位関係者は、「SNS使用人口が制限的であるため、世論を代弁するのに限界があるようだ。最近、ソーシャル分析は化粧品など一部の消費財に対する顧客満足度をチェックする程度にのみ活用される雰囲気」だと耳打ちした。韓国ソーシャルメディア振興院のチェ・ジェヨン院長は、「個人情報流出に敏感な使用者が、"バンド"・"カカオストーリー"のような閉鎖型SNSに移っていく傾向だ。これは、外部から接近が難しいため、ソーシャルマーケティング・ソーシャル分析業界では相当な危機要因だ」と語った。

    今後の展望は

    専門家はソーシャルサービスが「信頼形成-爆発-大衆化-衰退-残存」の生涯周期のうち、後半部を過ぎていると口をそろえる。一時期、大衆の興味を集めて爆発的な成長を謳歌したが、大衆化の段階で疲労感が積もり、企業のマーケティングなど商業性が上塗りされ、ユーザーが離れているということだ。代案サービスが出る時までは、どうしようもなくこれまでのサービスを求めるが、利用率は低調だろうという予想だ。また、一方ではSNS媒体間の大移動が始まったという意見も力を得る。

    ソーシャルマーケティング専門業者「クレックス」のチェ・ヨンソク代表は、「動画リンクサービス、ワッツアップ買収などフェイスブックの最近の歩みを見ると、ソーシャル機能弱化に対する危機感が読み取れる。

    離れるユーザーを捕らえるために、続けて多様な変化を試みるだろう」とし、「このような状態でSNS疲労感が少ない代案媒体が出る場合、一瞬のうちに需要がぱっと傾くかもしれない」と語った。チェ・ジェヨン院長は、「最近、SNSユーザーはユーチューブやブログに集中する傾向だ。開設者はもちろん訪問者もさらに真正性と信頼性がある媒体だから」だとし、「とくに、自分の考えを落ち着いて伝えられるブログは、すべてのSNSの"ハブ"として、今後どのようなSNSが登場しても、最後まで生き残る媒体になるだろう」と強調した。
  • 毎経エコノミー_ノ・スンウク記者 | 入力 2014-04-28 09:00:44