記事一覧

ニュース

数字経済

テクノロジー

コラム

ビューティー

カルチャー

エンタメ

旅行

韓国Q&A

新造語辞典

もっと! コリア (Motto! KOREA)
数字経済 > 総合

サムスンとLGが日本のOLEDベンチャーに共同投資

  • 中国の激しい追い上げに困難を経験している国内ディスプレイ業界が初めて手を握った。サムスンとLGは、OLED(有機発光ダイオード)の未来技術を保有している日本のベンチャー企業に対する共同投資を通じて技術力の確保に乗り出した。

    LGディスプレイとサムスンディスプレイは去る6日、日本のベンチャー企業のキューラックス(Kyulux)社に15億円(約160億ウォン)を共同投資したと、キューラックス側が11日に明らかにした。全体の投資を主導したのは、サムスングループ内のベンチャー投資専門会社のサムスンベンチャー投資だ。サムスンとLGのほか、日本のジャパンディスプレイ(JDI)とJOLED(ジェイオーレッド)なども投資を行った。具体的な投資額は明らかにしなかったが、サムスンとLGはそれぞれ30億~40億ウォンを投資したと伝えられた。

    キューラックスは、日本の九州大学の研究者などがこの7年間に開発したOLED関連の特許約50件の移管を受け、昨年3月に設立されたベンチャー企業だ。キューラックスの次世代OLED技術は従来の製造方法よりもコストを削減し、効率を向上させることが注目されている。

    OLEDは電流が流れると自ら光を出す有機物を活用したディスプレイだ。別途にバックライトの必要がないために、自由に曲げたり折ったりくるくる丸めることもでき、次世代ディスプレイと呼ばれる。利点の多いOLEDだが、これまで高価な単価と低効率のために使用が広まることは遅かった。

    LGとサムスンが共同投資したキューラックスは、次世代OLED技術と呼ばれる「熱活性化遅延蛍光(TADF/Thermally Activated Delayed Fluorescence)」の主要な特許を持っている会社だ。この技術はOLEDが色を出すために必要な希少金属のイリジウムを使用しなくてもよく、消費電力も大幅に減らせることが長所だ。材料コストを現在の10分の1ほどに減らせるというのがキューラックス側の説明だ。ディスプレイの専門家らは、キューラックスの技術が商用化できた場合にはOLED市場の拡大に大きく寄与するものと予想している。

    サムスンとLG電子は、投資額は大きくないがキューラックス技術の特許を使用できるという点で大きな意味があると分析している。

    韓国が独走していた世界のディスプレイ市場は、最近は中国メーカーの積極的な投資で韓・中の2強体制に変化している。 TFT-LCD(薄膜トランジスタ液晶表示装置)部門では、すでに中国企業がサムスンを抜いてLGを追撃する形だ。

    困難な状況から国内メーカーが突破口として用意したものがOLEDだ。市場規模も今後5年以内には、現在の2倍水準である30兆ウォン近くに成長すると予想される。次世代OLED技術を活用して、サムスン電子はテレビ用OLED市場に、LGはスマートフォンやタブレットPCなどに使用される中・小型OLED市場に積極的に進出するものと見られる。現在、全世界の中・小型OLEDはサムスンが、テレビ用はLGがそれぞれ90%を超えるシェアで市場を支配している。
  • 毎日経済_イ・スンフン記者 | (C) mk.co.kr | 入力 2016-04-11 18:09:25