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中国半導体の台頭に対抗する韓国…ピコ(pico)プロセスに挑戦

    • < DRAM回路線幅 >

    去る3月、中国国営の半導体企業のXMC(武漢新芯)は、河北省の武漢でメモリチップ生産工場の建設起工式を開催した。 3段階で進められる工事で、XMCが投資する金額は240億ドル(約27兆ウォン)規模だ。 XMCは早ければ2018年から、韓国のサムスン電子とSKハイニックスの主力製品であるNAND型フラッシュメモリとDRAMなどのメモリー半導体を生産する計画だ。

    中国の各企業の「半導体崛起」は投資宣言で終わらなかった。各企業は水面下で、サムスンとSKの退職社員と緊密に接触し始めた。主に機器を購入していた社員が対象だ。業界ではこれらを「コーディネーター」と呼ぶ。業界関係者は、「中国が半導体の基盤技術を盗めなくても、コーディネーターをうまく活用すれば、サムスンとハイニックス水準の設備を備えることは難しくない」とし、「5年以内に半導体コリアの位相が折れるという憂慮は大きい」と指摘した。

    世界の半導体市場も萎縮している。市場調査会社のガートナーは、これまでの15年間は年平均5.8%成長した半導体市場が、今後の5年間は3.2%にとどまると予想した。 PCとサーバなど、メモリ半導体用途の最大需要が着実に減っているからだ。

    専門家らは「半導体・コリア」の現在の地位を今後も維持するために、限界突破を通じた技術革新を注文する。特に30年前の、半導体産業に初めて足を踏み入れたときの「初心」を持って、各企業は原点から始めなければならないと指摘する。成均館大学物理学科のアン・ジョンリョル教授は、「1ナノ台以下で微細プロセスを行うには、現在の使っている材料や工法では根本的な技術的問題が発生する」とし、「大規模なコストを甘受してでも、生産ラインを全面的に変更することを検討しなければならない」と強調した。

    企業もあわただしく動いている。サムスン電子は「ナノ(Nano)」プロセスを経て、すでに「ピコ(Pico)」プロセスをにらんでいる。ピコは10億分の1メートルをあらわすナノより小さい単位で、1兆分の1メートルを意味する。既に世界初の「18ナノメートルDRAM」の時代を開いたサムスン電子が、また異なる技術革新を準備するというわけだ。

    サムスン電子の関係者は「10ナノといえばもう減らすことは難しく思えるが、これを1万ピコと呼べばこれから減らせる余地はかなり大きいと思える」とし、「どのような視点を持つかが重要な部分」だと説明した。

    従来の半導体の核心素材であるシリコンを代替する物質の研究も各企業で活発だ。シリコンを基盤に、トランジスタのサイズを小さくして半導体の性能を向上させる方法は、けっきょくいつかは限界に達するためだ。業界で活発に議論されている物質は「グラフェン(Graphene)」だ。炭素が主成分のグラフェンは、地球上で2番目に電気がよく通じるうえに、シリコンよりも電子の移動速度が100倍以上速い。

    急変する半導体環境の中で26日、世界半導体評議会(WSC)の社長団年次総会が、ソウル市広壮洞(クァンジャンドン)のシェラトン・グランデ・ウォーカーヒルホテルで開かれた。これは韓国・米国・日本・欧州連合(EU)・中国・台湾など6カ国の半導体企業の最高経営責任者(CEO)が集まり、世界の半導体の懸案を議論する場だ。

    議長を務めた韓国半導体産業協会のパク・ソンウク会長は、「PCが主に率いた半導体市場を2010年以降はスマートフォンが牽引したように、バーチャルリアリティ(VR)と人工知能(AI)などが新しい半導体需要を導く動力になるだろう」と述べた。
  • 毎日経済_イ・スンフン記者/イ・ギチャン記者 | (C) mk.co.kr | 入力 2016-05-26 19:46:22