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サムスンSDI、ハンガリーでEVカー用バッテリーを製造

    サムスンSDIは、2020年までに電気自動車(EVカー)用バッテリー市場でトップ企業に出るためのグランドプランを具体化した。ヨーロッパでのバッテリー生産拠点をハンガリーに最終確定し、本格的な工事に入るにともない、既存の蔚山と中国・西安とで「グローバル三角生産体制」を構築することになった。趙南成(チョ・ナムソン)サムスンSDI社長(写真)が宣言した「5年以内に3兆ウォン投資プロジェクト」の本格稼動を知らせる信号弾という分析だ。

    サムスンSDIは30日(現地時間)、ハンガリー政府庁舎でハンガリーのシアルト・ペテル外交通商部長官とサムスンSDIのチョン・セウン中大型事業部副社長などが参加した中で、電気自動車用バッテリー工場の建設計画を発表した。

    サムスンSDIはこの席で、2018年下半期の本格稼動を目指して約4000億ウォンを投資し、純粋な電気自動車(EVカー)を基準にして年間5万台を生産できるEVカー用バッテリーの生産ラインを建設する計画だと明らかにした。ハンガリー政府側もサムスンSDI工場の建設が円滑に行われるように、積極的に支援するという意志を表明した。

    サムスンSDIハンガリー工場は、首都ブダペストから北に25キロメートル離れたグドゥ市に位置し、約33万平方メートル(約10万坪)規模の、既存のPDP生産工場を再建する方法で建設される。既存の工場のインフラストラクチャをそのまま活用するために、建築期間やコストを大幅に削減することができ、収益性も早期に確保できるというのがサムスンSDI側の説明だ。実際、サムスンSDIハンガリー工場は2001年に建設されて以来、ブラウン管とプラズマ、液晶ディスプレイパネル(PDP)などのディスプレイを生産してきたところだ。

    今回のハンガリー工場建設で、サムスンSDIのEVカー用バッテリー生産ラインのグローバル化が一歩進展した。年6万台の生産が可能な蔚山工場と3万台規模の中国・西安工場に続き、ハンガリー工場で5万台の生産が可能になると、総14万台規模の生産体制を構築することになる。サムスンSDIはさらにグローバルな生産ラインを構築できるという立場であり、2020年までに生産ラインのグローバル化は続く見通しだ。

    さらにはサムスンSDIが昨年、世界的な自動車部品社の加マグナ社のEVカー用バッテリーパック(Pack)事業を買収し、公式に発足させた「サムスンSDI電池システムズ(SDIBS)」もグローバルバッテリー生産ラインの構築の一環だ。

    蔚山と中国の西安工場は電気自動車のバッテリーセルとモジュールを生産しているが、バッテリパックの工場まで連携できることになったからだ。電気自動車のバッテリーセルからモジュール、そしてパッケージにつながる一貫事業体制を構築したわけだ。

    • < サムスンSDI電池新工場予定地 >

    サムスンSDIの中・大型事業を担当しているチョン・セウン副社長は、「今回のハンガリー工場の建設で、電気自動車用バッテリー事業のグローバル三角生産体制を整えることになった」と説明した。

    いま全世界で最も急速に市場が成長している欧州のEVカー用バッテリー市場で、有利な拠点を設けたわけだ。ハンガリーにはベンツやBMW、フォルクスワーゲンなどのヨーロッパの主要自動車メーカーの生産拠点が集中しているため、物流費の削減と顧客の要求にも迅速に対応することができる。

    特にバッテリーパックの生産拠点であるSDIBSがオーストリアにあるので、相乗効果も狙える。ハンガリー工場でバッテリーセルを製造すれば、オーストリアの工場に移してバッテリーパックまで生産することができるからだ。

    バッテリーセルからパックまでの、一貫生産体制をヨーロッパにも構築したわけだ。チャン・セウン副社長は、「(オーストリアの)SDIBSとの相乗効果を通じて、ヨーロッパからの多様な要求に積極的に対応できるだろう」と語った。

    趙南成社長もEVカー時代が思ったよりも早期に到来すると見て、生産規模の拡大と技術リーダーシップの確保、組織文化の刷新などを絶えず要求している。特に、今後の急成長が予想されるEVカー用バッテリー事業に全社的な力量を集中して、EVカーを中心とした事業構造を整えて、世界市場を先取りするための大規模な投資を予告している。中国でも市場の需要がさらに拡大すると予想してラインの追加増設など、2020年までに計6億ドルを段階的に投資して、売上げ10億ドルの達成を目標としている。

    サムスンSDIの関係者は、「2020年まで年平均21%で高成長が予想される電気自動車市場で、世界最高の製品ラインナップと競争力を土台に市場をリードしていく計画だ」と語った。
  • 毎日経済_ソン・ソンフン記者 | (C) mk.co.kr | 入力 2016-08-31 07:39:45