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「機関不許可」規制にさえぎられた韓国のP2P貸出

    • < 米国「レンディングクラブ」の機関投資家の割合増加 >

    現在は国内の個人投資家にだけに許容されているP2P金融投資を、機関投資家(法人)にも許容するべきだという声が高まっている。米国や英国などの金融先進国に比べて投資家に対する規制の幅が過度に広く、P2P金融市場の成長を阻害しているという指摘が出ている。9日、金融界によるとP2P金融業者の「30CUT(サーティカット)」は、農協銀行と手を組んで開発したカードローン対還貸出商品である「NH 30CUTローン」の発売を、金融監督院の承認待ちのために無期限延期した。

    「NH 30CUTローン」は、クレジットカード会社から借りた年20~30%台の高金利ローンを、農協銀行の中金利ローンに対還し貸出する商品だ。個人投資家から資金を調達する企業とは異なり、貯蓄銀行やキャピタルそして資産運用会社などの機関投資家の資金を集めて借り手に連結する仕組みだ。

    金融監督院は機関投資家がP2P業者に投資金を貸し、この金で個人貸出を進めることは事実上「貸付行為」になりうると解釈した。けっきょく、P2P金融に投資しようとする機関投資家は、貸付業者として登録しなければならないという主張だ。この場合、投資家らには不便がつきまとい、投資を放棄することがありうることから、P2P企業への資金流入が減る可能性が大きくなる見通しだ。

    しかし、業界ではP2P金融市場が拡大されるには、既存の規制の古い枠をそのまま適用してはならないという意見が支配的だ。韓国とは異なりP2P金融が発達した米国や英国などでは、機関投資家の投資比率が高まりつつ、P2P金融は既存の金融業界の貸出を脅かす水準にまで進化している。

    世界最大のP2P融資会社である「レンディングクラブ(Lending Club)」の機関投資家(ファンドを含む)の比率は、昨年の時点で約80%に達しており、累積貸付金は10兆ウォンを超える。英国の有名なP2P金融業者「ゾーパ(ZOPA)も、機関投資家の比率は30%を超えた。

    金融先進国では昨年から、P2P(Peer to Peer/個人対個人)金融とI2P(Institution to peer/機関対個人)金融が合わさった「マーケットプレイス・レンディング(Marketplace Lending)」という新しい用語が、「P2P貸出(P2P Lending) 」という言葉を置き換えはじめた。個人投資家がP2Pで得る高い収益率に興味を感じたニューヨークやロンドンのヘッジファンドが、P2Pへの投資を始めたことから巨大な市場が形成されたわけだ。

    P2P金融業者の資金調達能力が高まり、自然に融資規模も大幅に成長しており、貸付債権の種類も多様化した。

    30CUTのソ・ジュンソプ代表は、「長期的にP2P市場が安定して成長するためには、機関投資家などの専門性をそなえた投資家が入って来る必要があると思う」とし、「けっきょく重要なのは、中金利ローンのメリットを享受する借り手が増えること」だと語った。

    西江大学のファン・ムンギ西江未来技術院教授は、「個人投資家だけでP2P金融市場を育てるには限界があるため、機関投資家の参与が必ず許容されるべき」だとし、「国内機関にもP2P市場は良い投資市場になるだろう」と指摘した。金融監督院の関係者は、「P2P金融に機関投資家の参与を許容する問題については現在、金融委員会や学界などのタスクフォース(TF)を構成して議論中」だとし、「関連法に対する検討と有権解釈が必要で、承認を保留するしかなかった」と語った。
  • 毎日経済_チョン・ジソン記者 | (C) mk.co.kr | 入力 2016-09-09 17:01:51