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航空機エンジン製作企業P&Wへ投資…舞台広げるハンファテックウィン

    • < ハンファテックウィンの営業利益 / ハンファテックウィン・P&Wの共同事業規模 >

    航空機エンジン部品を主力に生産する防衛産業ハンファテックウィンは、世界の3大エンジン製作企業であるP&Wの生産法人の株式を買収し、直接経営に参加する。国内企業がグローバルなエンジンメジャーの生産に乗り出すのは今回が初めてだ。ハンファテックウィンはP&W(プラット・アンド・ホイットニー)社と、シンガポール航空とエンジン部品の生産JV(ジョイントベンチャー)を運営する契約を締結したと22日に発表した。ハンファテックウィンはシンガポールJVの持分30%を取得する。シンガポールJVは2056年までに、P&Wに高圧タービンエンジンの核心部品を納品する。このようにしてハンファ側がP&Wに供給する部品の規模は、45億ドル(約5兆ウォン)と推定される。

    航空業界では、ハンファテックウィンがたんに部品製造のレベルを超えて、グローバル企業の経営に参加して「エンジンメジャー」への道を拓いたものと見ている。

    これまではハンファテックウィンはP&Wに対する大規模な部品供給権のみを保持していた。昨年6月と12月にそれぞれエンジン部品の供給契約を獲得し、40~50年のあいだは安定した販売先を確保する成果を出した。

    今回の契約も同じだ。ハンファテックウィンは航空機のエンジン回転体の翼部品(ファンブレード)とタービン軸、翼部分を接続する歯車状の高圧タービンディスクを供給する。これまでハンファがP&Wと結んだ部品供給の契約規模は総100億ドルに達する。

    しかし今回のシンガポール法人に対する投資は、これとは次元が異なり一歩踏み込んだものと評価される。グローバルなエンジンメジャーと直接生産の経験を積むことができる端緒をつかんだという点で意味がある。

    ハンファテックウィンは株式買取とともに、2023年以後にP&W・シンガポールJVの残余株式70%を優先買取できるオプションを確保した。今後、ハンファ側が資金力を積んで買収に乗り出せば、シンガポール法人はハンファテックウィンの子会社に編入される。

    ハンファテックウィンの関係者は、「2023年以降、残りの株式を取得すると仮定したとき、P&Wに対する供給を通じてハンファテックウィンが受けることができる売上げ効果は100億ドルにまで拡大する可能性もある」と語った。

    エンジン市場の成長性は楽観的だ。この日、航空宇宙産業振興協会によると、2020年の航空部品装置の市場規模は1710億ドルで、2010年との比較で78%急増するものと分析される。エンジンはハンファの防衛産業の主軸だ。グループの中核であるハンファテックウィンの昨年の売上高(2兆6134億ウォン)のうち、40%がエンジン部門から出た。

    とは言え、内需は不足している。軍用機を中心に市場が形成されたし、民間の完成機製造市場がないからだ。この日のブルームバーグによると、韓国の航空機製造業の市場規模は2億7000万ドルで、世界に占める割合は0.6%にとどまる。

    一方、米国はシェアが43%に達する。米国などの主力市場に参入するには、徹底した「彼らだけのリーグ」で構成されたエンジンメジャーリーグに入り込まなければならない。

    現在、GEとロールス・ロイスそしてP&Wの3大エンジンメーカーを頂点に生態系が組まれている。これらは国際共同開発事業(RSP)など、事前の契約によって厳選された企業だけを対象に部品供給を受ける。3大メジャーの1次サプライヤーは8社、2次サプライヤーは200社あまりあることが把握されている。ハンファはこのバリューチェーンに属している最も重要な企業の買収・合併(M&A)などを通じて規模を大きくする案を検討している。

    航空業界の関係者は、「シンガポール生産法人への資本参加は、直接エンジンを生産する会社になるために中長期的な経験を積んでいくという布石とみられる」と語った。

    ハンファの関係者は、「エンジンメジャーになるためには、20~30年のあいだ蓄積された技術の実績が必要で、短期間にこれを埋めるのは容易ではない」とし、「グローバルなエンジンバリューチェーンの上位にある会社を合併して、インナーサークルに飛び込む方法を考えている」と説明した。
  • 毎日経済_キム・ジョンファン記者 | (C) mk.co.kr | 入力 2016-09-25 09:49:03