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DRAMメモリ市場、歴代最悪の供給不足…年末・年初の需要低迷なくなる

半導体、年末年始の「ピスギ(非需期)」が消えた 

    全世界の半導体とディスプレイ市場で深刻な供給不足が起きたことで、年末・年初のたびに現れた「ピスギ(非需期)/需要が低迷する時期」が完全に消えた。スマートフォンとテレビメーカーの需要が確かな状況から短期間内に供給不足が解消される可能性は低く、価格は高騰傾向を続けている。

    DRAMメモリー半導体市場での主力商品であるDDR4 4ギガバイト(GB)モジュール製品は、去る6月には12ドルにまで墜落したが、最近は18ドルに突きあがったことに続き、来年の第1四半期には25ドルに垂直上昇する見込みだ。ディスプレイメーカーが供給しているテレビパネルも状況は同じだ。去る6月は1枚あたりの平均販売単価が97ドル水準だった40インチパネルが最近は148ドルにまで急騰し、来年の第1四半期には150ドルにも挑戦する構えだ。

    15日、半導体業界によると来年度のDRAMメモリ市場は、歴代最悪の供給不足の事態に直面する可能性が高いことが分かった。半導体市場の専門調査機関であるDRAMエクスチェンジは、2017年のビットグロス(ビット換算した成長率)は史上初めて20%に満たないだろうと予想した。ビットグロスはビット単位に換算したメモリの供給増加量をいう。半導体業界の関係者は、「これまでビットグロスが50%を上回ると過剰供給で、メモリー半導体の価格が墜落する先行指標の役割を果たしもした」とし、「2011年に51%を記録して以来、20%半ば台を維持していたビットグロスが来年は10%台に墜落するということは、それだけ供給不足が深刻になるという意味」だと説明した。

    実際に半導体DRAM市場は、今年の第1四半期までは需要不足で価格が急落した。昨年11月末に18ドル水準だったDRAM(DDR4 4GB)の価格は、今年の6月に12ドル水準まで下落したほどだ。しかし年末を控えてノートパソコンの需要が生き返り、中国企業のスマートフォンの販売急増に支えられ、この第3四半期から本格的な上昇傾向に乗った。 11月には一部のDRAM半導体価格は、一ヶ月のあいだに25%以上も急騰した。

    サムスン証券のファン・ミンソン アナリストは、「需要に対する供給充足率は、SKハイニックスとサムスンの両方で70~80%水準」だとし、「最も供給が足りない製品は中華圏の携帯電話事業者向けのモバイルDRAMで、今年の下半期に中国のLTE補助金でスマートフォンの量的成長とコンテンツの増加が重なったことが背景」だと分析した。このために一部のPCやスマートフォンメーカーは、品物から先に確保して価格は月ごとに交渉する状況だ。これさえも割り当てを受けられない企業は価格を高めに付けるが、まとまった量を求めるのは容易ではない。

    このような現象は、短期的には解消されにくい。サムスン電子とSKハイニックスをはじめとする少数の企業が、寡占の形で価格の上昇を主導しているからだ。特にサムスン電子は収益性確保のために、新規投資を控えて物量の供給拡大に消極的だ。半導体業界の関係者は、「サムスン電子は市場シェアをいつでも引き上げることができるが、これよりは収益性の拡大に注力している」とし、「ギャラクシーノート7の中断にともなう損失を半導体部門でばんかいするという次元もある」と解釈した。

    イ・セチョルNH投資証券アナリストは、「来年もPCサーバやスマートフォンのメモリ搭載量の増加が、DRAM価格の上昇を率いる展望」だとし、「情報技術(IT)のインフラ投資の拡大でサーバー用DRAM価格の上昇が続くと予想されるが、GoogleやAmazon、フェイスブックのようなグローバルIT企業のクラウド需要の増加で、新規データセンターの構築計画が具体化しているからだ」とにらんだ。

    テレビに使用されるLCDパネルの不足現象も、今年の下半期から本格化した。 LCDパネルの価格が上昇した理由は、供給が需要に追いつかなかったからだ。業界関係者は、「サムスンディスプレイが有機発光ダイオード(OLED)パネルの追加生産のために、第7世代LCDの生産ラインの一部を今年の末まで運営する計画であるうえに、中国企業が新たに作ったLCD生産ラインを十分に稼動させることができないでいる」と説明した。物量の不足を見込んで主要テレビメーカーがパネルを事前に買い入れ始めたことも価格の上昇をあおった。サムスンディスプレイの生産ラインの稼動停止、中国企業の工場稼働の非効率性の影響は、来年の上半期まで続く可能性が高い。 LCDパネルの価格高騰は当分のあいだ避けられないだろうという意味だ。

    このような状況から、台湾の鴻海(ホンハイ)に買収されたシャープがサムスン電子に供給していたLCDパネルの供給を中断することにした余波がどのような影響を与えるかも関心事だ。いったんサムスン電子は「他の供給先から追加で物量を受ければ良い」という立場だ。しかし、ほとんどのLCDパネルメーカーが来年の上半期までの生産計画を事前に立てておいた状況であることから、サムスン電子はさらに高い価格を提示しなくては物量を確保するのは容易ではないだろうとする予想が多い。ある業界関係者は、「サムスン電子が積極的に不足するパネルの購入に乗り出せば、LCDパネルの価格はさらに高まる可能性もある」と予想した。
  • 毎日経済_ソン・ソンフン記者/キム・ドンウン記者 | (C) mk.co.kr | 入力 2016-12-15 17:39:40