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サムスン電子のスマート家電「未来の家電ハブは冷蔵庫」

  • 「けっきょく未来にはタッチしたり命令しなくても、自分で処理する人工知能(AI)家電製品の時代が来るでしょう」。 2日(現地時間)、米ラスベガスで会ったサムスン電子のク・ソンギ スマート家電TFチーム長(常務)はすっかり上気した表情だった。今回のCESで出展するファミリーハブ冷蔵庫の展示準備の真っ最中だったク・ソンギ チーム長は、家電市場の既存観念を打破する革新を成し遂げているという自信を得て興奮していた。イノベーションの中心には彼の専門分野である人工知能が位置している。

    わずか4カ月前まで、IBMで人工知能「ワトソン」を利用した通信業界のグローバルソリューションを統括していたク・ソンギ チーム長は、サムスン電子に移った決定的な理由もまさにこれだった。彼が打ち明けるファミリーハブ冷蔵庫の開発裏話を通じて未来の家電産業を探ってみた。

    - 20年の米国生活をやめて韓国企業に移ることは容易ではなかったのでは?

    △ 会社を移ると言うやいなや、仲間たちは「狂った」という反応を見せましたよ。最先端の分野である人工知能を担当した者が、伝統産業である白物家電に行くというのが理解できないということだった。しかしサムスンのファミリーハブが主導する未来の新しい家電市場に可能性を見た。

    - どのような点が新しい挑戦を刺激したのだろうか。

    △ サムスンはスマートシングス(スマートホームプラットフォームの開発会社)があり、クラウドベンダーであるジョイエント(Joyent)と人工知能の開発会社であるビブ・ラボ(Viv Lab)まで買収した。波及効果は大きいだろう。ファミリーハブは家電をスマート機器に接続し、消費者に新しい経験を与えるが、この業界自体がまだよちよち歩きの段階だ。 Googleやアップル、アマゾンでもこの分野に入って来ているが、サムスンのように家電やモバイル製品、ディスプレイ、ソフトウェアおよび基礎研究開発能力まで兼ね備えたところはない。

    △サムスン電子冷蔵庫「ファミリーハブ2.0」

    - ファミリーハブ冷蔵庫がもたらす革新は何だろうか。

    △ 昨年リリースしたファミリーハブは、それ自体が世の中になかった製品だ。サムスンの内部では、ディスプレイが付いた冷蔵庫と見るか、冷蔵機能の付いたディスプレイ機器と見るべきかがそもそも議論のもとだった。冷蔵庫だけ作っていた従業員が画面のデザインやアプリサービス、コンテンツ、機器間の通信機能まで悩むことになった。単に食品を新鮮に保つ機能を超えて、家族間の交流やショッピング、エンターテイメントや他の機器の制御まで、家電製品のハブを作ったわけだ。

    - なぜハブ機能を持たせたのか。

    △ 家の中にあるすべての家電機器の中で24時間電源が入っているし、米国の場合は家の真ん中にあるキッチンの製品がまさに冷蔵庫だ。スマート家電のハブは冷蔵庫になるだろう。

    - 今年はどんな進化が行われたのだろうか。

    △ 昨年の年初にファミリーハブと呼ばれる全く新しい製品が出るやいなや、全世界から数多くのフィードバックが入ってきた。実際の使用しながらあらわれた問題点を、こんかいはほとんど反映させた。冷蔵庫にある食品の状態から実際のオンラインショッピングまで、アプリ間の相互運用性をぐっと引き上げた。パートナーシップも昨年初めの10ヵ所から、今は100ヶ所に大幅に増えた。洗濯機やロボット掃除機も接続されて、冷蔵庫で制御が可能となった。

    - 最大の技術革新は何だろうか。

    △ 音声認識だ。昨年に初デビューした第1世代のファミリーハブで、大きな画面にタッチすることでスマート家電の時代を開いたなら、今年出した第2世代の製品は音声機能で新たな技術革新を成し遂げた。画面にタッチしなくても音声で命令が可能なので、料理をしながらでも両手が自由なので、調理方法の画面を起動するようにとか、画面を変えてオンラインショッピングで注文を行い、音楽を聴く作業がすべて音声で可能となった。

    - 次の段階、未来の家電製品はどこに進化するのだろうか。

    △ 人工知能が搭載されると、ユーザーのニーズと平素のパターンと好みを把握しておき、あえて言わなくても、あるいはタッチしなくても望む方向に家電製品が動くようになるだろう。

    - スマートフォンとつながるのだろうか。

    △ すべての家電機器を制御するスマートフォンのアプリとも完全に連動する。しかし家に、特にキッチンに入ってからはスマートフォンを完全に降ろしておいても全く不快感はなくなるだろう。

    - 消費者の選択が重要だ。

    △ 遠からず冷蔵庫にディスプレイが存在しないとぎこちなく感じる時代が来るだろう。冷蔵庫ディスプレイのコンテンツを毎日使えば生活の一部になってしまう。
  • 毎日経済_ラスベガス=ソン・ソンフン記者 | (C) mk.co.kr | 入力 2017-01-03 17:23:44