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SKハイニックス、中国とファウンドリ合弁事業で勝負

  • 「単純な合弁会社設立という問題ではない。世界の半導体市場の超好景気の中にたれこめた、韓国各企業の切迫した危機認識が反映されている」。

    20日、SKハイニックスの対中国ファウンドリ(半導体受託生産)の合弁会社設立計画が公開されるやいなや、半導体業界は「市場シェア1%を越えようとする、すさまじい生存戦略が盛り込まれている」と危機感を隠せなかった。

    メモリと非メモリ市場での事業構造が過度にメモリ部門に偏った韓国半導体産業の現実から、SKハイニックスの決断は生存のための事実上の最後の切り札との分析だ。現在、メモリ部門の代表市場であるDRAM部門では、サムスン電子とSKハイニックスの世界市場シェアはなんと44.5%と27.9%に達する。世界で消費するDRAM製品10個のうち7個はサムスンとSKの製品を使うほどに、2社の世界市場に対する支配力はしっかりしている。

    一方、非メモリー部門の中心市場であるファウンドリ部門では、サムスン電子とSKハイニックスのシェアは昨年末時点でそれぞれ7.9%と0.2%に過ぎない。ファウンドリは半導体の設計専門(Fabless)会社の設計を受けて委託生産を行うことで、米クアルコム社と英ARM社などのファブレス企業が設計し、台湾のTSMC(台湾集積回路製造)が世界的な物量の50.6%を独占している。残りの半分のかなりの部分も、米国・台湾・中国メーカーが分けて食べる仕組みだ。

    またファウンドリ市場はメモリ市場よりも成長速度がはるかに速く、わが国の企業は早期にグローバルな顧客を確保しなければならない立場だ。市場調査会社のIHSマーキット(IHS Markit)などによると、2010年以降の全半導体市場ではメモリ半導体の年平均成長率は1.6%水準であるのに対し、ファウンドリ市場は11.4%に達する。

    SKハイニックスはサムスン電子よりも急がれる。昨年のファウンドリ事業の売上げは3917億ウォンで、売上げ全体の2%水準に過ぎないうえに毎年赤字が続いている。ついに7月にはシステムIC事業部を独立子会社である「SKハイニックスシステムIC」として分社させ、市場シェア「1%」の壁を破るために中国との合弁会社で勝負をかけた状況だ。

    半導体業界は、SKハイニックスの対中国進出が成功するためには合弁会社設立の政治的変数である「韓・中関係」から、中国の内需市場でSKハイニックスという「ブランド」が再評価されるかなどの難関が待っていると口をそろえる。

    韓・中関係は、最近の文在寅(ムン・ヂェイン)大統領の訪中で経済関係の復元が本格化したという評価があふれるが、実際に企業が体感する正常化の雰囲気は微々たるのが実情だ。SKハイニックスのファウンドリ事業の場合、中国のファウンドリ企業の技術レベルは似たようなもので、互いに相乗効果を得る可能性は高いという評価も出ている。

    半導体業界の関係者は、「ハイニックスが比較優位にあるCISおよびDDIなどの200ミリプロセスの能力と、中国側の成長する市場に対する対応力が調和をなしたならば、両者間のJVは相互にウィンウィンするだろう」と分析した。

    Kハイニックスもこのような自信感で、中国国内市場に速やかに進入できることを期待している。忠清北道の清州市に位置した各種のファウンドリ設備と人材を、中国江蘇省の無錫工場に移転する過程で一時的な生産減少も予想され、中国市場に迅速に参入するほど相互ウィンウィンに有利な流れだ。

    SKハイニックスは、合弁会社の成功時には徹底した「現地化」戦略で早期に勝負を試みるという意志だ。これは崔泰源(チェ・テウォン)SKグループ会長がエネルギー・化学などの主要系列会社を中心に、中国との合弁会社設立を積極的に推進してきた努力とも無関係ではない。崔会長は「中国を海外市場ではなく国内市場として認識し、現地で地元企業になってきちんと事業を行う」という、いわゆる「チャイナインサイダー」の経営戦略を固守してきた。

    その最初の事例だったSK総合化学と中国最大の石油企業シノペックの合弁会社である「中韓石化」は、チャイナインサイダー経営の成功モデルとしてあげられる。 2013年に発足した中韓石化を介して、両者は中国で稼いだ収益の一部である7400億ウォンを今年また再投資して工場の増設に乗り出すほど、成功裏に工場を運営している。
  • 毎日経済_イ・ジェチョル記者 | (C) mk.co.kr | 入力 2017-12-20 20:13:11