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現代自の「モビリティ」戦略…各国で結実

車両共有と「車両購読」経済の普及で 


    # 豪キャンベラに住むトリスタン・スキナー氏は、現代自動車のハッチバックモデル「i30」を必要なときに「サブスクリプション(購読)」している。自動車税と自動車保険料など、あえて高い維持コストを甘受してまで車を所有する必要はないというのが彼の考えだ。また、豪州はいま高騰する物価で生活費の支出が大きくなるうえに賃金引き上げ率は停滞しており、「車両の購読」を選択する市民が急速に増えている。スキナー氏が使用するカーシェアリング会社「カーネクストドア」は現代自動車と手を握り、来年からさまざまな現代自動車のラインナップを顧客に提供する計画だ。

    鄭義宣(チョン・ウィソン)現代自動車首席副会長の「モビリティ」市場の先取り戦略が加速している。現代・起亜自動車を自動車メーカーから「モビリティサービス提供者」に変えるため断行してきた戦略投資と、グローバルなパートナリング作業はさいきん目に見える成果を出し始めた。

    豪州をはじめヨーロッパ、中東、インドなどの主要市場で、現代・起亜自動車を「購読」したり、大量に購入するケースが続々と続いている。

    鄭義宣首席副会長が昨年8月に戦略投資を断行した、インドの車両共有プラットフォーム企業の「レブ(revv)」社は最近、主要都市で現代自動車をベースにした車両購読プログラムである「ヒュンダイ・サブスクリプション(Hyundai Subscription)」が活発になっている。サイト内に別途に現代自動車のサブスクリプションコーナーが用意されており、インドの車両共有利用者が現代自動車のモデルだけを選択できるようにした。月間あるいは年間単位で、人気のあるスポーツ・ユーティリティ・ビークル(SUV)の「Creta(クレタ)」から小型の「Santro(サントロ)」まで、全7~8車種を購読したり新車で購入することができる。

    レブは2015年にインドで初めて車両共有事業を始め、現在はインドの19都市に事業を拡大した。レブの市場影響力が拡大するほど、現代自動車の安定した販売需要が確保される仕組みだ。

    中東市場では最近、アラブ首長国連邦(UAE)の車両呼び出しサービス会社「カリム」でジャックポットを決めた。

    今年の年末までにソナタとサンタフェやグレンジャーなど、現代自動車5000台を供給するフリート(fleet)契約を成功させた。フリート契約は大規模レンタカー業者などの法人に車を販売することで、完成車企業がモビリティ市場で求めている重要な収益モデルだ。

    現代自動車は中東最大の車両呼び出しのプラットフォームであるCareem(カリム)社と、今回の契約で1000億ウォン以上の売上げを確保したことが分かった。

    またカリムのオーナーが米国の世界最大の車両共有サービス企業Uber(ウーバー)社という点から、今後の北米市場のフリート契約にも「青信号」が灯ったという分析が出ている。

    車両共有市場の花と呼ばれるサブスクリプション市場はレンタルや車両共有が結合された形で、顧客は一定額を支払えば車種を自由に乗り換えることができ、利用期間も思いのままに定めることができる。車に対する「所有」概念が減少することに比例して、サブスクリプション市場が日増しに拡大しているわけだ。

    完成車業界の関係者は、「サブスクリプション市場が成熟したヨーロッパでは、利用時間と距離はもちろん、電気自動車のエネルギー使用量だけ使用料を払うほどにビジネスモデルが細分化している」とし、「電気自動車の大量販売チャネルの確保という観点からも、車両購読市場は完成車企業にとって重要な勝負どころになっている」とした。

    現代自動車はすでにオランダでも車両共有プラットフォームである「カーフォーシェア(Car 4 Share)」と手を取り合って、アムステルダムなどの主要都市で「アイオニックEV」を活用した車両共有サービスを提供している。

    現代自動車はカーフォーシェアを通じて100台のアイオニックEVを供給した状態で、今後の市場活性化に応じて供給量の拡大に加え、車両の呼び出しと共有、配達と金融などのさまざまな付加サービスを準備している。

    車両サブスクリプション市場は現代自動車の有望事業である「水素電池車」市場の拡大にもつながっている。水素自動車市場での成功条件である「規模の経済」をすばやく達成するために、面対面の販売チャネルよりも車両共有プラットフォームを通じて大規模な供給を誘導することがより効率的であるからだ。

    業界の関係者は、「世界の各国で電気自動車や水素電池車などのエコカー支援に速度を出しており、現代自動車が共有経済市場を通じて大量かつ迅速に水素自動車を供給してこそ、市場での成功要件である水素充電インフラの拡大も可能だ」と述べた。

    鄭義宣首席副会長が「スマートモビリティ時代」で現代自動車が追求する3つの価値観として自由(Freedom in Mobility)、接続(Connected Mobility)に加えて環境(Clean Mobility)を強調することもこれ無関係ではないという評価だ。
  • 毎日経済_イ・ジェチョル記者 | (C) mk.co.kr | 入力 2019-06-05 21:44:04