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釜山港、新型肺炎で喜べない「特需」
6日、釜山市江西区に位置する釜山港新港のターミナルにコンテナがたくさん積まれている。新型コロナ感染症の影響でこのターミナルには世界から貨物コンテナが集まって、いつもよりも負荷が30％ほど増えた。 パク・トンミン記者
6日午前11時、釜山市江西区に位置する釜山港新港のターミナル。入口から入ると両側に、数千個のコンテナが並んで置かれている。一方にはコンテナが6個まで積み重ねてあった。
接岸されたバースでは、コンテナを降ろす作業が忙しく進められている。現場を案内したターミナルの関係者は、「通常は平日には6つのバースのうち1～2のバースのみに船がつながっているが、今日は5つのバースがすべて忙しい」とし、「作業量も多くて通常よりも3倍以上のコンテナ9000個を、一隻の船から荷役中」だとした。
この関係者は「わずか10日前までは、船からコンテナを荷役するためには一日ほど待てばよかったが、今は3～4日ほど沖で待機しなければならない」とした。この関係者は「中国の春節（正月）連休が延長されて、新型コロナの影響で上海や寧波など中国の港湾が機能を喪失し、中国内陸部に行くコンテナが釜山港に集まってきて起こったこと」だとし、「韓国を出発した物量も中国港湾に荷役しないまま、釜山港に戻って来ることも頻発した」と説明した。
ターミナルで働く他の関係者も、「ほんらい毎年の春節連休時は中国の港湾が正常に稼動していないので、一時的に釜山港にたまるコンテナが多い。このためにふ頭内のコンテナ受容量が上がることもあるが、今年は新型コロナが長期化して蔵置率が異常に急騰し、事態を見守っている」と述べた。この人物は「いまはコンテナ物量を多く処理しており、荷役料と保管料などが増える反射利益があるが、蔵置率がさらに続けて上がればコンテナを処理する速度が落ちて生産性が悪くなり、釜山港にとってもいいことではない」と心配した。
この関係者によると現在、釜山港新港ではふだんに比べてコンテナの処理速度が20～30％ほど下落した。彼は「ターミナルは自主的に非常運営体制に入って、コンテナを下ろす船よりも載せていく船を優先して接岸させ、コンテナをできるだけ早く減らすために最善を尽くしている」と語った。
コンテナが釜山港に集まって蔵置率が急騰することは、釜山港北港も同じだ。釜山港湾公社によると、北港のカムマン埠頭は5日の時点で蔵置率が88％に達した。蔵置率は60％台が適正水準であり、75％を超えると埠頭全体の業務効率化が大きく落ちる。飽和状態と見なす80％を超えるところは、北港カムマン埠頭と新カムマン埠頭（87％）そして新港5埠頭（81％）の3ヶ所にもなる。北港チャソンデ埠頭（77％）、新港3埠頭（78％）、新港1埠頭（76％）なども蔵置率が80％に迫っており、埠頭の運営がスムーズではない。
北港のターミナル関係者は、「通常は春節のためにたまった貨物は2週間以内に解消されるが、今年は新型コロナ事態が重なって大きく遅れている」とし、「事態が短期間に鎮静化しないと蔵置率はさらに高くなるしかないし、2016年の韓進海運破産時のように桟橋内の通路はもちろん、外部にまで空のコンテナを積んでおく状況になるかもしれない」と心配した。
より大きな問題は、新型コロナ事態が長期化すれば釜山港で処理するコンテナ貨物の取扱量が急減するヵもしれないという点だ。中国の企業が大挙して生産に支障をきたすため、わが国の輸出入貨物が減少することがあるからだ。ターミナル運営の関係者は、「先週までは物量の変化があまりなかったが、今週から格段にコンテナ物量が減っている」とし、「ふだんは中国からコンテナ1000個を積んでくる船が、300個ほどだけ積んで入港する」とした。
この関係者は、「事態が鎮静化しない場合は、今月中旬以降に物量が大きく減るかもしれない」とし、「釜山港で処理する年間取扱量が急減すると、釜山経済にも打撃は大きい」と述べた。年間20フィートコンテナ2100万個以上を処理する釜山港で、中国が占める割合は25％台だ。輸出入は21％で、積み替えは30％程度に達する。
釜山港湾公社の関係者は、「新型コロナ事態が長期化すれば中国はもちろん、世界経済が低迷して貿易量が減少し、釜山港の貨物取扱量が急減するか分からないので事態を注視している」と語った。- 毎日経済＿釜山＝パク・トンミン記者 | (C) mk.co.kr | 入力 2020-02-07 07:00:42
