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歌謡界に時ならぬ90年代全盛期が到来

90年代に青少年期を過ごした世代が社会の主役として成長 

    キム・ゴンモ、キム・ヒョンジョン、ソ・チャンフィ、オム・ジョンファ、チョ・ソンモ、ジヌショーン、ターボ、S.E.S…。 1990年代を風靡した代表歌手らのヒット曲が音源市場を席巻している。 6日、MelOnなどをはじめとする主要音源チャート100位圏で彼らの歌が次々と上位にランクした。オフシーズンである年初の歌謡界に、1990年代のレトロ風が吹いているのだ。

    これは、何といってもMBCバラエティ番組『無限に挑戦』の「土曜日土曜日は歌手だ(略してトトガ)」が空前のヒットを打ったおかげだ。徐々に忘れられていった歌手たちが、先週末に放送に出演して、第2の全盛期を享受している。現在、ラジオはもちろん、客が集まる中心街でも20年前のその時のその曲を頻繁に聞くことができる。1990年代の文化がトレンドの中心に立ったのは今回が初めてではない。1990年代を素材に作成したコンテンツは、ここ3年間、作るだけで大ヒットした。 2012年には映画『建築学概論』が興行に成功した。アイドル歌手の元祖である男性グループ「H.O.T」、「Sechs Kies」のファン文化をモチーフにしたドラマ『応答せよ 1997(2012年)』に続き「ソテジワアイドゥル」世代の『応答せよ 1994(2013年)』もヒットを打った。

    1990年代のヒット曲だけを流すディスコカフェ「夜と音楽の間」も、過去3年間で全国各地に雨後の筍のごとく生じた。歌謡界の複数の関係者によると、1990年代のヒット曲のほとんどが最近の音源収益が2000年代に比べ2倍以上大きくなったことが分かった。流行が過ぎた昔の歌も時間が経つにつれ、より多くの愛を受けているという話だ。若い頃に聴いた昔の歌の郷愁、そこから派生したレトロブームは、古今東西を問わず、文化を導いていく主要な動力だ。この点では、1990年代の歌謡ブームが50・60年代または70・80年代のレトロ現象と違うと言うことはできない。しかし、1990年代の歌謡が、最近、人気を得るしかないいくつかの理由がある。

    まず、大衆が大型企画会社主導の一律的なアイドルの歌に飽きたという点を挙げることができる。大衆音楽評論家のキム作家は最近の寄稿で「2014年のアイドル音楽は全く新しいものではなかった」とし「イダンヨプチャギ、シンサドンホレンイなどいくつかの作曲家がチャートを掌握し、彼らの歌を誰が歌うかの違いだけであった」と批判した。

    韓国大衆歌謡史全体を置いて見たとき、1990年代は過渡期だ。専門家たちは、当時は前の世代の音楽的感受性を受け継ぎながらも、ソテジ・H.O.Tなどアイドルファン層が生まれた最初の時期だと分析する。歌いやすいメロディ・歌詞中心の歌謡伝統と洗練されたテンポとリズムを同時に反映して、さまざまな世代からあまねく愛を受けることができた。

    1990年代は、化石化した歴史ではなく手に掴めるほどに「近い過去」だ。大衆音楽評論家ソ・ソンドク氏は、「70・80とは異なり、1990年はレトロとだけ言い切ることができない現在性がある」と分析した。

    興行の根本的な要因は、1990年代の音楽を聴いて育った世代が最近、韓国社会の中心になっているという点にある。 30~40代の彼らは文化コンテンツ消費の主役でもある。大衆音楽評論家のイム・ジンモ氏は「1990年代の音楽の世代は、社会の各分野での実務推進者の役割をしており、消費主体として浮上した」とし、「わずか5年で大韓民国レトロ文化の中心が、7080から90に変わった」と評価した。一部では「思い出が美化されたものであるだけ」と最近のブームを卑下する動きもある。

    イム・ジンモ氏は「30・40世代は50・60の曲を見下し、70・80世代は、2000年代の音楽を商売根性に浸っていると考える傾向がある」とし「これは一時代を風靡した文化を無視する話」とした。
  • 毎日経済 イ・ギチャン記者 | (C) mk.co.kr | 入力 2015-01-06 17:00:51