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ナム・ジュン・パイク没後10年…DDPで「ペク・ナムジュンショー」

超大型の設置「カメ」など…印象的な作品の展示 

    • < 『ビデオ芸術家 1983』[写真提供=イム・ヨンギュン] >

    「ビデオアート」の創始者白南準(ペク・ナムジュン/ナム・ジュン・パイク、1932~2006)は、今でもたまに話題にされる多くの名言を残した。 「芸術は詐欺」という言葉も彼の名言だ。彼は「人生に巻き戻しボタンはない(there is no rewind button for life)」という名言を残すこともした。人生には「巻き戻しボタン」がなく、もとに戻すことはできないから瞬間に集中するようにというメッセージだ。生きていたなら84歳の誕生日を迎えたはずのペク・ナムジュンを称える展示が、ソウル市の東大門デザインプラザ(DDP)で開幕した。開幕日は彼の誕生日の20日だった。われわれの生では「巻き戻し」はできないが、巨匠の芸術はいつでもどこでも巻き戻しが可能なのはどれほど幸いなことか。芸術が時には人生よりも強力になることがある。

    藝画廊(イェファラン)のキム・バンウン代表がペク・ナムジュンを広く知らしめるために企画した「ペク・ナムジュン ショー」は、巨匠の人生の旅を5つのキーワードで解きほぐす。キム代表は「ペク・ナムジュンが今でも宇宙のどこかを旅しているようで、宇宙船の形をしたDDPに再び現れたなら本当に楽しいだろうという考えで展示を準備した」と明らかにした。

    展示場に入ると「希望」という大きな文字に対面することになる。ロボットテレビが並んでおり、観覧客を喜んで迎える。このうち「マラー」というテレビロボットはフランス革命200周年を記念して、ペク・ナムジュンがジャック=ルイ・ダヴィッドの『マラーの死』を再解釈した作品だ。 テレビモニターをキャンバスに見立てて芸術を花咲かせたナムジュン・パイクは、技術と人間が美しく調和して生きていくことが念願だった。「テレビ画面をレオナルド・ダ・ヴィンチのように洗練された、パブロ・ピカソのように自由で、オーギュスト・ルノワールのように多彩で、ピーター・ルー・モンドリアンのように深遠な、ジャクソン・ポロックのように激情であり、ジャスパー・ジョーンズのように叙情的なキャンバスにしたい」という彼の告白が展示場の壁を装飾する。

    第二の部屋は、彼が残した数々の芸術的なパフォーマンスの痕跡と作品の構想のためのスケッチ、図面、手書き文字を見ることができる「ノスタルジア(郷愁)」の部屋だ。歴史的、芸術的な瞬間を共にしたイム・ヨンギュンの写真43点が目を引く。

    チェリストのシャーロット・ムアマンとパフォーマンスを繰り広げた『テレビチェロ』と、モーツァルト逝去200周年を記念して作った『M200』の作品は、それぞれ「愛」と「無限」というキーワードで変奏される。最後の部屋は李舜臣将軍を称えて作られた超大型インスタレーション作品『コブク(亀)』だ。なんとモニター164台が使われた、水平6メートル・縦10メートルの規模だ。

    ペク・ナムジュンに音楽はインスピレーションの源だった。ペク・ナムジュンを「ペク・ナムジュンの道」に導いた始まりは、実際には美術ではなく音楽だった。ペク・ナムジュンとジョン・ケージの出会い(『、ジョン・ケージへのオマージュ』1959)がそうだ。 1932年にソウルで生まれ1950年に日本に渡ったペク・ナムジュンは東京大学で美学と美術史学を修めており、1956年にミュンヘンのルートヴィヒ・マクシミリアン大学で音楽学と美術史を勉強した。展示は10月30日まで。観覧料は大人1万5000ウォン。(02)542-5543
  • 毎日経済_イ・ヒャンヒ記者 | (C) mk.co.kr | 入力 2016-07-21 17:01:57