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クリスティアン・ツィメルマン「チョ・ソンジンの演奏は断然最高だった」

    ピアニストのクリスティアン・ツィメルマン(61)の名前は伝説だ。少なくともクラシックファンには大衆音楽のビートルズ、ボブ・ディランのような存在だ。後代のピアニストたちは彼の音楽を教科書にする。ピアニストのチョ・ソンジンが子供の頃、彼の演奏を聞きながらショパンにはまったと告白したエピソードは有名だ。

    伝説らしい言動も特徴だ。1975年、ショパンの祖国ポーランド出身として3番目に国際ショパンピアノコンクールの優勝を手にして以来、カラヤン、バーンスタイン、ブーレーズから、今日のサイモン・ラトルまで巨匠たちのラブコール1順位だが、彼の姿を舞台の外で接することは非常に難しい。メディアのインタビューをほぼ行わないことはもちろんのこと、予定されていた公演ですら本人が準備が出来ていないと判断すると、スケジュールを無慈悲にキャンセルしてしまう場合も多かった。完璧な音のために公演ごとにその曲に最適化されたピアノを一緒に運搬することでも有名だ。

    9年前に彼がある米国の記者と会って明らかにした所信がある。「インタビューが嫌いなわけではない。アルバムや公演がインタビューをしなければならない的確な理由にはならないようだと思っただけだ。ただ会場を埋めるために誰かと会話するのは嫌いだ」(フィナンシャル・タイムズ)

    そんな彼がインタビューに応じた。9月8日の『シューベルト ピアノ・ソナタD959&D960』アルバム世界同時発売を1カ月後ほどに控えた時点だ。協演ではなく独奏だけで構成されたアルバムは25年ぶりだ。 25日、約1カ月かけて受けとった書面回答は慎重で細心だった。

    - 世界の音楽界はあなたの完璧主義者と呼ぶ。

    私は絶対に完璧主義者ではない。私は公演を熱心に準備して、私の公演を録音する。公演後、それを聞きながら改善点を探す。現在に満足せず、さらに発展することを完璧主義と称するのはとんでもないことだ。芸術には完璧が存在しない。私は演奏する時、いつも最善を尽くすだけだ。

    - 公演の時にピアノを持ち込むと聞いた。

    ▷ いつもというわけではない。スタインウェイ(19世紀後半に設立された名品楽器メーカー)のピアノで作曲された現代作曲家の曲を演奏するときにはもともと会場にあるスタインウェイのピアノを使うといった形だ。一方、ショパン、シューベルト、ベートーベンのような作曲家たちの時代にはスタインウェイがなかった。当代の楽器は非常に異なっていた。私は作曲家が作品を書くときに使用する楽器とその音を知っているのが作品の解釈の重要な部分だと考える。

    - 音楽性は才能だろうか、努力の産物だろうか。

    ▷ 興味深い質問だ。去る8年間、スイスのバーゼル音楽院で教えながら音楽性を生まれ持った人たちがいることを悟った。天才は確かに存在する。天才と努力する音楽家のうち、後者をより尊重する。しかし、市場では前者がより注目されるようだ。

    - ショパンコンクール優勝者の先輩としてチョ・ソンジンの演奏をどのように思ったか。

    ▷コンクール史上初めて彼の優勝には議論がなかった。チョ・ソンジンが断然最高だったし、満場一致で優勝した。音楽に非常に真剣に取り組む演奏者であり、キャリアを構築する態度にも責任が感じられる。チョ・ソンジンという名前は長い間、広く記憶されるだろう。

    - 若い頃のあなたのニックネームは「ショパンの生まれ変わり」だった。あなたにとってショパンの意味は。

    ▷ 誰かに札を付けることは非常に危険だ。もちろんショパンの音楽を聴いて演奏して育ったので、最も身近な作曲家のうちの一人だが、それはシューベルト、ベートーベン、ドビュッシーの場合も同様だ。

    - 過去に戻って一人の作曲家に会って会話ができるなら。

    ▷ 本当に難しい(笑)。興味深い時代があまりにも多い。わざわざ作曲家には会わないかもしれない。ピラミッドを本当に人々が作ったのか確認しに行きたい。

    - 音楽のほかに興味のある趣味は。

    ▷ さまざまな趣味を楽しんでいる。しかし、私は演奏者の生活と私的生活の間に非常に明確な線を引くため、インタビューで私的な部分は絶対に話さない。
  • 毎日経済 オ・シンヘ記者 / 写真=ユニバーサルミュージック | (C) mk.co.kr | 入力 2017-07-26 08:47:39