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俳優チョンウ、「常に音楽の流れる撮影現場にヒーリングを受けました」

  • セシボンの土曜ステージでミン・ジャヨン(ハン・ヒョジュ扮)を見て一目惚れし、歌を始めることになったオ・グンテ(チョンウ扮)。彼女のためであれば何でもしてやる馬鹿みたいな純愛男を描く(映画『セシボン』)

    映画『風(WISH)』からドラマ『応答せよ1994』を通じて復古の感性を描きながらファンの愛を受けてきたチョンウが映画『セシボン』で再びファンのそばに帰ってきた。今回の作品でチョンウはセシボンのミューズ、ミン・ジャヨンしか知らない国民純情男オ・グンテとして帰ってきた。

    『応答せよ1994』にて右も左も分からない慶尚道男スレギのキャラクターで韓国に「応答せよ病」を起こしたチョンウが『セシボン』を次期作に選んだことが女心を攻略しようということと何が違うだろうか。

    「まず復古が好きです。身近じゃないですか。けれど時代的背景よりもシナリオ、物語の面白さにはまって選んだ作品たちです。今回の映画もやはり物語の背景よりもストーリーに魅力を感じました。一番重要なことは何か気になりました。本当は気になりましたが、大きな期待はありませんでした(笑)タイトル自体が想像できる話であることもあるじゃないですか。けれど共感できるんです。正確にどんなポイントなのかは分かりませんが、そんなポイントがありました。そこに音楽まで取り入れてシナリオを読んだので感情が高潮する経験をしました。」

    実際にチョンウは流れる歌謡が好きだという。そうだ。父親が書店を運営しながらLP版を販売し、そうすることでポップソングとフォーク音楽に馴染んだ。そのため、彼は過去に対する彼なりの香りがあり、流れることに対する恋しさが作品選択にもある程度影響を与えたのだろう。それだけでなく、小さな日常さえも彼の過去と似ており、彼が演技するのにオ・グンテはぴったりだった。

    「私が生活感があって白馬に乗った王子でもなく、白いスポーツカーに乗るのも違うじゃないですか(笑)そんなことを経験してみたことがありませんから。音楽を好きで、一人の女性のためにセシボンのメンバーになる人物というだけでしょう。グループ会長の息子や企業の息子であれば格好良くなければならないキャラクターですから、それよりも気さくさがあるキャラクターがぴったりなんだと思います。」

    『セシボン』はタイトル通りに劇の背景に常に音楽が存在し、ツインポリオが実際には3人のトリオだったという仮定から始まるために、努力なく誕生することが出来ないキャラクターだった。特に自身を「音痴」だと話すチョンウがセシボンのメンバーだったという設定が意外だ。

    「本当に歌が心配でした。私が実際には音痴なんです(笑)。『セシボン』に出た『それはあなた』『私はあなたにすべてを捧げる』はすべてマスターしました。和音を合わせることは思ったよりもしっかり合ったんです。私が音楽的才能が不足していて弟たち(チョ・ボクレ、カン・ハヌル)に迷惑をかけないかと思っていましたが、彼らがしっかりやってくれたので私は間違ってもあまり気づかれなかったんです。はは」

    歌を練習することもそうだが、ユン・ヒョンジュ-イ・ジャンヒ-ソン・チャンシクなど実在の人物がいる他の役とは違い仮想人物を演技せねばならなかった彼は物語の開始にいるイ・イクギュンを訪ねたりもした。セシボンコンサートが終わった後、控え室で出会ったイ・イクギュンはチョンウの方言演技を心配したという。しかし大衆に良く知られているようにチョンウもやはり故郷が釜山であり、さらにはイ・イクギュンと同じ学校(釜山商高)の同門という事実を知ることになった。

    「実在人物がいたならば、もう少し神経を使わねばならない部分があります。私もやはりイ・イクギュン先生がいらっしゃるので訪ねることにしました。お会いして挨拶をしてみると、底知れぬ力強さがありました。けれど話しをしてみるとイ・イクギュン先生が学校の先輩だったんです。本当に不思議じゃありませんか?私が演技したオ・グンテの40代役であるキム・ユンソク先輩もそうですし。本当に不思議な経験でした。明らかに何か縁があったんでしょう。これほどであれば運命でしょう。はは」

    オ・グンテというキャラクターのためにイ・イクギュンを訪ねたように、チョンウは直接ソウル武橋洞を体験したりもした。それほどに役割に対して悩んだ痕跡がそこここに見えた。特にチョンウは「空間に対するエナジー」を重要視していると話した。

    「私は空間に対するエナジーを重要に考えています。『撮影現場の空気と共に撮影をすることになる』と話しましたが、『どういうことだ』と尋ねる方もいるんです。今インタビューするこの空間もやはり温かく面白く愉快な、そんな雰囲気があるじゃないですか。私だけでしょうか?はは。その空間が演技をする時に重要な要素のひとつだと思います。特に相手俳優も同じです。大きな影響を与えると思います。」

    空間のエナジーが演技に影響を与えるというチョンウに『セシボン』撮影現場はまさに「ヒーリング」の場所だった。劇の特性上、撮影現場には常に音楽が流れており、俳優たちとも音楽で呼吸を合わせながら自然と雰囲気が和気藹々となった。

    「最初には少しぎこちないこともあるじゃないですか。俳優も人間ですから(笑)。けれど本当に柔らかく流れていくようでした。雰囲気が良くてこそ映画もしっかり出るといいますが、ヒットの有無は関係なく私はその雰囲気を本当に重要に考えるんです。前作『応答せよ1994』ではとても生放送主義で流されたので疲れた部分がありましたが、今回の作品でヒーリングしたようです。商業映画として初の主演なのでプレッシャーがあると思われますが、実際にはそれよりも楽しく撮影しました。」

    『セシボン』はチョンウにとって初の商業主演というタイトルを抱かせた映画だが、それよりも過去を記憶できるようにしてくれたヒーリング映画だった。特に、実際に父親に対する思い出で埋め尽くされた20代を演技しながら、父親の世代をみることが出来たことがさらに格別だった。

    「私の20代は水面上に上がろうと必死だっと思います。けれど後悔はありません。もう一度20代に戻るならば同じように生きます。父が亡くなって一人ソウルに上京して心構えも他なりませんでした。突然一人で違う世界に来た気持ちでした。言葉の通り留学です。その時とても空しかったんです。だから釜山に対する愛着がより強いんだと思います。」

    『セシボン』を観客に披露した後、彼は映画『ヒマラヤ』を通じて大衆と出会う予定だ。『応答せよ1994』が終わってから次期作を選ぶまでとても長い時間がかかっただけに、ファンたちは喜びと同時に心残りを見せた。

    「『ヒマラヤ』以降、次期作はまだありません。『応答せよ』撮影当時にはそれにオールインし、『セシボン』も『ヒマラヤ』も同じでした。だから時々悪く言われたりもします。本当に申し訳ないと思いますが、作品に入るときには一つのことに集中したいんです。」
  • MBNスター パク・ジョンソン記者 / 写真=チョン・ジョンファン記者 | (C) mk.co.kr | 入力 2015-02-16 11:31:26