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「華やかなアイドルの明暗」…うつ、摂食障害、性上納、デビュー後もぶつかる現実

    アイドル全盛時代と呼ばれる最近とは反対に「アイドル練習生」たちは行き場所を失い、街をさまよっている。

    19日に放送されたMBC『PD手帳』では現在規模だけで1200人に近いアイドル練習生たちの哀歓を暴き、その実態を公開した。企画会社から受ける詐欺と無理なダイエットによる摂食障害、進路に悩むことからのうつ症状、そして性上納まで華やかな舞台の上のアイドルの裏に隠された練習生たちの姿は暗鬱だった。

    この日の放送に出演した歌手メイダニ(May Doni)は2001年にあるオーディション番組にて注目を受け始め、8年間の練習生活を経て2009年に19歳の若さでデビューした。その後韓国で活動しながら海外進出のために日本に渡って契約詐欺に遭ったと明かした。

    日本でアルバムも発売したというメイダニは「日本のスナックバーのような場所で歌いました。年を取った方々が酒も飲み、隣に女性の方たちも座っていたり酒をついだりしましたが、幼い頃から歌ったことはここに来るためではないと思いました」と話し、挙句には日本契約で詐欺に遭った後に韓国に帰ってきたと明かした。

    またメイダニは練習生時代のトラウマにより、現在パニック障害を患っていると明かし、「本当に一瞬にして(一緒にいた)練習生たちが見えなくなるんです。昨日まで冗談を言い合って楽しくしていたのに、今日になったら来ないんです。切られたというんです。そういうことが怖いから、どうやってでも(先生たちに)良く見せてデビューせねば、みんなそんな考えでした」と当時を回想した。

    このようにしてデビューした後にも失敗する場合が多々あるが、それでもデビューのために努力する練習生たちは、明日も分からない不透明な未来に苦しんでいる。放送で出会ったある練習生は「私が勉強をしたわけでもなく、資格でも取ったわけでもなく、残るものはありません。だから正直に言って人生が虚しくて死にたいという考えも浮かびました」と話した。

    デビューのために学校を辞めることもいとわない練習生たちを、企画会社では止めたりしない。最近はむしろ音楽と練習に集中するために自主退学する練習生たちが増えたことで、これを推奨する企画会社もまた増えている。学校を自主退学し、デビューまで霧散した練習生たちは別の進路を探すことさえも難しく、行く場所と目的を失い挫折している。

    さらに深刻な問題は、こうしてデビューもしない練習生たちがいわゆる「スポンサーオファー」を受けるということだ。ある女性練習生は「『一ヶ月に二回程度会えば500万ウォン与える』と言われた。私は保守的な対応だが、その言葉に少しでもドキッとした」と告白した。これは女性練習生たちだけに限られた問題ではなく、男性の場合でもスポンサー問題は日常茶飯事に生じているものと分かった。

    この他の問題はデビュー後にもある。デビューすることになっても練習生たちは練習生期間中に会社から投資された金を活動しながら損益分岐点を越えるまで返さねばならず、損益分岐点を越えることが出来ない場合、それは借金として残る。実際にAOAをはじめとしてGirl’s Day、FTISLANDなどの人気グループがデビューから数年間は清算を受けることができなかったと告白していることがあり、この問題はより深刻に台頭している。

    一方、デビュー後にも正常な活動を続けるグループが多くないことも分かった。5年前にデビューしたアイドルグループが現在までも活動中であるか調査した結果、2011年にデビューした40チームのアイドルグループ中、メンバー変動なく活動しているチームはたった5チームであり、残り35チーム中12チームはデビューアルバムだけを残して噂もなく消え去った。

    ほとんどのグループは収益配分率がより良い日本やアジア市場への進出を夢見ており、相対的に収益が低い韓国での活動にしっかりとした支援を受けることができないことが現実だ。
  • シックニュース チョ・ヘジン記者 / 写真=MBC放送画面キャプチャー | (C) mk.co.kr | 入力 2016-04-20 09:09:00