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「私たち結婚しました」視聴者との倦怠期を克服できなかった

    MBCを代表する長寿バラエティ番組『私たち結婚しました』が放送10年目にして一旦休息を取る。公式的には廃止ではなくシーズン4の終了であるが、事実上いつ再び視聴者の前に立つのか約束のない別れだ。

    『私たち結婚しました』は6日放送を最後に現在放送中のシーズン4を終える。MBCは「長寿番組であるだけに、新しい変化が必要な時点だと判断、再整備の時間を持った後に新しい姿でお目にかかる予定」だとし番組廃止ではないという点を重ねて強調した。

    しかし『私たち結婚しました』が2008年の初放送以降、現シーズンまで何度かシーズンが変わったときにも「シーズン終了による休息期」を持ったことがないだけに、事実上今回の休息はほぼ終了に順ずるものだとしてもよさそうだ。

    再整備のために幕を下ろすが、『私たち結婚しました』はなんと10年間MBCの週末5時のゴールデンタイムの責任を取ってきた孝行番組だった。そんな『私たち結婚しました』が歩んできた栄辱の10年を振り返ってみる。



    ▶ 「私も恋したい」恋愛・結婚代理満足リアリティの元祖

    『私たち結婚しました』は「仮想恋愛、結婚番組」という新しいジャンルを開拓したMBCの看板バラエティ番組のひとつとして、2008年シーズン1ローンチを成功させ話題のバラエティとして脚光を浴びた。

    過去10年間で50数組のカップルが活躍した『私たち結婚しました』は1期アレックス-シネ、ソ・イニョン-CROWN J、ソルビ-アンディ、キム・ヒョンジュン-ファンボカップルで始まり、シーズン2期ソン・ダンビ-マルコ、ファニ-ファヨビ、ガンイン-イ・ユンジカップルに入れ替えし、その後3期シン・ソンロク-キム・シニョン、チョンジン-イ・シヨン、チョン・ヒョンドン-さおり、さらにその後チョン・ヒョンドン-テヨンカップルまで息せわしく駆け抜けてそれなりの位置づけをしてきた。

    「仮想夫婦」という名前の彼らカップルは各自の個性で視聴者を魅了した。鳥肌が立つほどにロマンティックであったり、実際に現実のように感じられるほどにあれこれ言い合う姿からそれぞれの魅力が大きかったカップルもあり、存在感が薄かったカップルもあった。たとえ「偽恋愛」ということが番組の大前提であったにもよらず、堂々と感情を感じさせる彼らの活躍に多数の視聴者が代理満足した。



    ▶ 「ウギョル」の必要不可欠、アイドルカップルの光と影

    「アダムカップル」として愛されたチョ・グォン-ガインをはじめジョン・ヨンファ-ソヒョン、ニックン-ビクトリア、グァンヒ-ハン・ソナ、テミン-ソン・ナウン、ユク・ソンジェ-ジョイなど多数のアイドル歌手たちが『私たち結婚しました』にて活躍した。彼らアイドルカップルは『私たち結婚しました』の全盛期を導きもしたが、番組下降の勢いの原因ともされる。

    アイドルカップルは舞台の上で作り出された姿ではない、(ある程度作られているが比較的実際に近い)素顔を見せて脚光を浴びた。他の成人カップルの老練さとは違い、デート「初心者」たちの初々しいエピソードが素朴な楽しさを与えた。しかし番組長期化により彼らの仮想恋愛もまたパターン化の溝から抜け出すことができなかった。

    結局アイドルカップルの活躍は『私たち結婚しました-世界版』が拡張の勢いを見せた2010年代序盤までが全盛期だった。その後にはアイドル-俳優カップルなどの新しい組み合わせが実験的に登場、番組の雰囲気を喚起させた。



    ▶ カップル多様化、実験は通じたがパターンは抜け出せず

    『私たち結婚しました』は放送5~6年目となりマンネリが克明となった。出会いと別れの繰り返し、また別のカップルが見せるパターン化されたデートはこれ以上視聴者の注目を集めることはできなかった。新カップルが登場するたびに制作陣は「新しい顔が与える活力に期待して欲しい」と願ったが、その活力はさほど長く続かなかった。

    数回、『私たち結婚しました』に降りかかったスランプを克服したのは「現実カップル」だった。現在は各自の家庭を築いた状態ではあるが、当時長い交際により視聴者の熱い支持を受けたファン・ジョンウム-キム・ヨンジュンカップルや、現在は一人の子どもの両親となったジョンイン-チョ・ジョンチカップルの「リアル恋愛」を見つめる面白さはとても良かった。

    しかし、看板カップルの失踪はついに番組の危機として帰結した。キム・ウォンジュン-パク・ソヒョン、ナムグン・ミン-ホン・ジニョン、チェ・ミニョン-チャン・ドヨンカップルがそれぞれ出演していた時代に番組の人気を牽引し孤軍奮闘したが、すでに視聴者と「倦怠期」を迎えていた『私たち結婚しました』には一時的な処方に過ぎなかった。



    ▶ うんざりよりも大きな罠、台本論難-出演者の熱愛報道

    台本論難と出演陣の熱愛説は『私たち結婚しました』が絶えず闘ってきた大きな敵だった。

    まず台本の存在を巡る論難は『私たち結婚しました』初期、中盤番組の足首をつかんだ。たとえ仮想結婚形態だとしても、過度にディテールな台本の存在はリアリティを強調する番組コンセプトと相反するだけに、視聴者をもどかしくさせた。こうした台本論難はほとんど撮影場面を少し離れた場所から見守るファンが少なくないアイドルカップルに主に提議され、その波紋は大きかった。

    台本論難よりも出演者たちの熱愛報道による衝撃もものすごかった。『私たち結婚しました』の中のカップルがビジネス的に対応する仲であるだけだと知らないわけではないが、彼らがまるで本当の恋人であることを願う視聴者のファンタジーがこれとは正反対になる現実とぶつかったときにやってくる波紋は衝撃を超えて裏切りに近く、真正性論難にまで拡大した。

    イ・ジュン-オ・ヨンソ、ソン・ジェリム-キム・ソウン、ホン・ジョンヒョン-ユラカップルが代表的な例だ。この中でオ・ヨンソは熱愛報道についてはっきりとした立場を明かさず番組を降板、残り二つのカップルもまた「説」で終わらせた熱愛報道であったが、すでに壊れた視聴者のファンタジーを振り返らせることに失敗し、低調な反応の中で寂しく退場した。
  • スタートゥデイ パク・セヨン記者 / 写真=MBC | 入力 2017-05-06 07:00:09