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オーケストラの指揮者になったコメディアン、キム・ヒョンチョル

    指揮者なら指揮者、パフォーマーならパフォーマー、では「指揮パフォーマー」という用語は、いったい何だろうか。最近指揮者としても大活躍しているコメディアンのキム・ヒョンチョルの話だ。

    彼はオーケストラと一緒にクラシックコンサートで実際の指揮をしている。いまだに「指揮」の代わりに「指揮パフォーマンス」という言葉を好んで使っているが、観客の立場からすれば、あえて区別する必要がない舞台だ。最近、彼の指揮する公演が相次いでいるという事実が、観客の心を代弁していると言える。

    彼は去る2014年に創立した「キム・ヒョンチョルの愉快なオーケストラ」を率いて全国各地でコンサートを行っている。そして観客の反応はまさに大盛況だ。会場では、誰も「吃音コメディアン」のキム・ヒョンチョルを感じさせないほど情熱的で真剣な指揮者の姿を見せている。

    クラシックを専攻したのか、正式に指揮を学んだのかは彼の舞台を問題視する人々の言葉であるだけで、観客との共感と呼吸には何の問題もないというのが、彼の舞台に歓呼する観客の評価だ。

    キム・ヒョンチョルはクラシックを専攻したことがない。ただクラシック音楽が好きで独学で学んだだけで、いまだに楽譜もはっきり分からないという。しかし音楽を繰り返し聞き、覚えた曲が30曲に達し映像を見ながら指揮の練習をして、実際に演奏できる曲もその程度だという。その中には、ロッシーニの『ウィリアム・テル序曲』、ビゼーの『カルメン序曲』、モーツァルトの『夜の女王のアリア』、ヘンデルの『私を泣かせてください』などの難しい曲が多数ある。

    特有の「吃音」ギャグをやめ、生半可ではあるが、愉快なクラシック伝道師として出発した「指揮パフォーマー」キム・ヒョンチョル。もうひとつの人間の勝利がここにある。
  • Citylife 第579号 | 入力 2017-05-21 08:44:24